- 2025年10月23日
- [国際事務局発表ニュース]
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10月22日、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、アントニオ・コスタ欧州理事会議長、エジプトのアブデルファタハ・エルシーシ大統領による史上初のEU・エジプト首脳会談が行われる。
真に戦略的なパートナーシップとは、互いの責任を果たさせることを意味する。したがって、エルシーシ大統領はEU指導者に対し、イスラエルが占領下のガザ地区で行い続けているパレスチナ人に対するジェノサイド、パレスチナ地域全体に対する違法な占領、そしてイスラエルがすべてのパレスチナ人の権利を支配する残酷なアパルトヘイト体制に終止符を打つための、具体的かつ効果的な措置を講じるよう求めるべきだ。
同時にEU指導者らは、エジプト大統領に対し、緊急かつ具体的、そして長年の懸案事項である人権改革の実施を要請すべきである。エジプト当局はこの1カ月間、英国・エジプト二重国籍の活動家アラ・アブデルファタハさんの釈放や、エルシーシ大統領が刑事訴訟法改正案の限定的審議を議会に付託したことなど、象徴的ではあるが歓迎すべき措置を講じてきた。しかし、批判者に対する恣意的拘束、不公正な裁判、過酷な刑罰の横行は依然として続いている。
背景情報
2024年3月に新たなEUとエジプトの戦略的・包括的パートナーシップが発表された以降も、エジプト当局は組織的な弾圧の手を緩めず、平和的な異議の声を拒み、エジプト市民の人権を侵害し続けている。
戦略的パートナーシップの一環として、EUはエジプトに対し総額74億ユーロ(約1.3兆円)の無償資金援助・融資を約束し、うち50億ユーロ(約8,800億円)はマクロ金融支援(MFA)としての優遇融資である。EUは、エジプトがMFAを受けるための前提条件として、経済的条件だけでなく「多党制議会制度を含む効果的な民主的枠組みと法の支配の尊重に向けた具体的かつ信頼できる措置ならびに人権尊重の保障」の進展を課した。エジプトは既に10億ユーロを受け取っており、残りの40億ユーロは2025年6月にEU理事会と欧州議会によって承認された。今後、覚書が交わされ、3回に分けて資金供与が行われることになっている。
アムネスティ国際ニュース
2025年10月22日



