欧州諸国はパレスチナの人権状況に関する特別報告者への不当な攻撃を撤回せよ

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2026年2月18日
[国際事務局発表ニュース]
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トピック:地域紛争

フランスとチェコの閣僚や当局者が、1967年以降占領下にあるパレスチナ地域における人権状況に関する国連特別報告者フランチェスカ・アルバネーゼさんの辞任を求めた。

オーストリア、チェコ、フランス、ドイツ、イタリアの各大臣が、意図的に編集された動画に基づいて被占領パレスチナ地域担当の国連特別報告者フランチェスカ・アルバネーゼさんを攻撃し、彼女のメッセージを歪曲し重大な誤解を招いたことは非難に値する。彼女の演説全文を視聴すれば、歪曲は明らかである。

虚偽情報を拡散した閣僚らは、一部が行ったようにソーシャルメディアのコメントを削除するだけでは不十分だ。公に謝罪し、フランチェスカ・アルバネーゼさんの辞任要求を撤回すべきである。各政府はまた、このような虚偽情報が流布した経緯を調査し、再発防止に努めなければならない。

もしこうした閣僚らが、専門家を攻撃するのと同じように、ジェノサイド、違法占領、アパルトヘイトを行う国家に、これほど強く声を上げて正面から向き合っていたらどうだっただろうか。彼らの臆病さとイスラエルの責任追及を拒む姿勢は、権力に対して真実を語るという特別報告者の揺るぎない決意とは対照的だ。

確固たる証拠に基づき事実を客観的に調査し、国際法を適用する特別報告者の姿勢は、今も続くイスラエルによるパレスチナ人の権利侵害と第三者の加担を暴く上で極めて重要であった。彼女の辞任を求める声は、一連の深刻な個人攻撃と彼女を沈黙させようとする試みの一環であり、決して受け入れてはならない。彼女を貶めようとするこの動きは、ガザにおけるイスラエルのジェノサイド、アパルトヘイト体制、パレスチナ地域の違法占領から注意をそらす煙幕に過ぎない。

2025年10月の停戦以降、イスラエルの空爆は減少し、国境を越えた物資・人の移動には限定的な改善が見られるものの、ガザのパレスチナ人を苦しめている状況に実質的な変化はなく、イスラエルの意図が変化した証拠もない。ジェノサイドは継続中だ。

占領下のガザ地区におけるイスラエル軍の作戦は続いており、2025年10月以降、590人以上のパレスチナ人が殺害された。2023年10月以降のパレスチナ人の犠牲者数は現在72,000人を超えると推定されている。

さらにイスラエルは、18年以上にわたりガザに課してきた残酷で違法な封鎖を大幅に強化している。イスラエル軍の作戦でガザ地区のほぼ60%が事実上の立ち入り禁止区域になり、状況をさらに悪化させている。違法に併合された東エルサレムを含む占領下のヨルダン川西岸地区では、2023年10月以降、イスラエル軍および国が後押しする入植者の攻撃で、1,100人以上のパレスチナ人が死亡し、数万人が避難を余儀なくされている。

この許しがたい不正義は、国際司法裁判所が繰り返し「ジェノサイド行為を防止するためあらゆる手段を講じよ」と命じ、イスラエルの占領が違法であり「可能な限り早期に終結すべき」との勧告的意見を示しているにもかかわらず、続いている。国際刑事裁判所は、イスラエル首相と元国防相に対し、戦争犯罪および人道に対する罪で逮捕状を発行している。

パレスチナ人を保護するという国際法上の法的義務を果たす代わりに、他の国々は目を背け、最悪の場合、ジェノサイドや戦争犯罪の加害者に武器を供給している。そして、イスラエルの不処罰状態や、国家・非国家主体がパレスチナ人に対するイスラエルの権利侵害を支援することで物質的利益を得ている件を、粘り強く非難する者たちを攻撃している。これはイスラエルが国際法を違反しても罰せられないという事態をもたらすだけでなく、私たち全員を守るために採択された重要な国際人権枠組みの一体性を事実上損なうものである。

国際法と人権機関がかつてない攻撃にさらされている今、人類は重大な局面にある。正当性を歪めるために誤情報を利用することは、人権と法の支配そのものに対する深刻な脅威だ。

オーストリア、チェコ、フランス、ドイツ、イタリアといった国々が、今こそ立ち上がるべき時だ。イスラエルによるジェノサイドを阻止し、数十年にわたる国際犯罪に終止符を打つ法的義務を履行する決意を示す必要がある。これは国連制度を積極的に支持し、国連が任命した独立人権専門家である特別報告者の自律性を尊重するということだ。各国は、特別報告者に対する虚偽情報の悪用という恥ずべき流れに加わるのではなく、進行中のジェノサイド、アパルトヘイト、違法占領についてイスラエルに責任を問うための行動を取らねばならない。

背景情報

2月7日、1967年以降占領下にあるパレスチナ地域における人権状況に関する国連特別報告者フランチェスカ・アルバネーゼさんは、アルジャジーラ主催のドーハフォーラムで次のように述べた。

「イスラエルを止めるどころか、世界のほとんどがイスラエルに武器を供給し、政治的な口実や庇護を与え、経済的・財政的支援を行っているという事実がある。巨額の金融資本やアルゴリズム、武器を統制しない私たち人類は今、共通の敵が存在することを認識している。自由、基本的自由の尊重こそが、私たちが自由を取り戻すための最後の平和的手段なのだ」。

発言は、イスラエルを「共通の敵」と描写したものと誤解された。アルバネーゼさんはこうした非難をはねのけ、ソーシャルメディアで「人類の共通の敵とは、パレスチナにおけるジェノサイドを許している体制のこと。つまり、ジェノサイドに資金を提供する金融資本、隠蔽するアルゴリズム、可能にしている兵器などだ」と発言を明確化した。

2月11日、フランスのジャン=ノエル・バロ外相は特別報告者の辞任を求める声明を発表した。これに続き、オーストリア、チェコ、ドイツ、イタリアの外相からも同様に有害な声明が相次いだ。

アムネスティ国際ニュース
2026年2月13日

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