- 2026年3月 3日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:企業の社会的責任

インドAIインパクト・サミットが2月16日から20日にかけてインド・ニューデリーで開催された。
AIインパクト・サミットの提言は、インドでの人工知能(AI)システムの導入における有害な実態とは著しい対照をなしており、誠に遺憾である。同国では、国家主導の権威主義的行動により国家と企業の支配が確立されつつあるが、それを後押ししているのがAIシステムだ。市民社会は前例のない速度で縮小しており、弱い立場にある人びとはAIシステムの影響で絶え間ない被害に直面し、悪者扱いされている。
インドの技術的進歩が世界の指導者から称賛される一方で、技術導入から生じる同国の人権上の懸念は覆い隠された。アムネスティの独自調査によれば、顔認証技術や公共部門における自動化といった有害な技術の導入は、インドにおけるプライバシー権と社会的保護を脅かし、社会的弱者への差別と排除を招いている。また、既に深刻な人権侵害が横行する状況下で、大規模監視システムが拡大されつつある。
主権、革新、「民主化」を提唱する同サミットの姿勢は、AIをあらゆる犠牲を払ってでも「権力強化と経済成長の上に成り立つ競争」へと変えようとする世界的な潮流を助長しており、こうした流れを断ち切るために必要な地球規模の共同行動とは正反対だ。この潮流に立ち向かうためには、市民社会や影響を受ける人びとが権利に関してサミットに深く関与する必要があったが、残念ながら当初からそれが欠如していた。
これまでのAIサミットは、安全なデジタル未来に必要な規制の進展に失敗してきた。インドAIインパクト・サミットから得られる明確な教訓があるとすれば、こうした会合が、拘束力のある権利保護や巨額のAI投資に必要不可欠な安全策を推進する上で、ほとんどが的外れで役に立たないことを繰り返し証明してきたという点だ。毎年、各サミットでは、人びとの権利と福祉を守るべき国家の行動と、規制されない強力なAI産業との隔たりが拡大し続ける一方で、技術解決主義的な話とソフトなガバナンス手段が推進され、産業界と政府の連携が深まっている。
各国は現在のAI発展の軌道修正を急ぎ、人権と相容れない技術に対して明確な禁止事項を定める拘束力のある規制枠組みを採用し、人びとが望む技術的未来を真に形作れるよう、有意義な市民参加の仕組みを構築すべきだ。
背景情報
2024年、アムネスティはインド・テランガーナ州の公共部門自動化システムが食料安全保障、所得、住宅関連の措置を含む社会保護策へのアクセスを数千人に排除している実態を文書化した。
2021年にも、ハイデラバードにおける顔認識技術の人権への影響を調査している。
アムネスティ国際ニュース
2026年2月20日



