- 2026年3月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:女性の権利

3月9日から始まった第70回国連女性の地位委員会(CSW)は会期初日、「すべての女性と少女の司法へのアクセス強化」に関する合意結論を採択した。少数ながら声高な国々が、交渉の妨害や文書採択の阻止を図ろうと数週間にわたって激しい圧力をかけていたが、それにもかかわらず成し遂げた成果だ。
米国がコンセンサスによる採択(合意形成による採択)を阻止したため、委員会は投票を経て合意結論を採択した。最終文書には圧倒的多数の国が支持を表明し、委員会を構成する45カ国中37カ国が賛成、6カ国が棄権、反対は米国のみであった。
市民社会と草の根運動がこの結果を実現する上で決定的な役割を果たした。フェミニスト団体や活動家は数カ月にわたって交渉過程を綿密に監視し、各国首都での提言活動を調整し、政府を動かした。
人権と多国間主義に対する深刻な逆風が吹く中、長年にわたるジェンダー平等基準を守る合意結論が採択されたことは、国際的な約束が依然として重要であり、時計の針を戻そうとする試みは容認されないという強力なメッセージとなる。
地域社会の最前線から国連の議場に至るまで、フェミニスト団体と女性人権活動家はジェンダー正義への逆風に抗う一方で、やっとの想いで勝ち取ってきたこれまでの成果が保護され、力強く守られるよう、各国に働きかけ続けている。
CSWの歴史上初めて、合意文書がコンセンサスではなく投票によって採択されたことは、多国間交渉をめぐる分断の深まりと、長年続いてきたジェンダー正義の規範を守ろうとする圧倒的多数の国の強い意志を同時に示している。
数週間にわたり、国連加盟国は、今年のCSW優先テーマ「すべての女性と少女のための司法へのアクセスの確保と強化」に焦点を当てた合意結論草案について交渉を重ねた。
交渉中、米国やアルゼンチン、ロシア、サウジアラビアなど複数の国は、過去のCSW合意から逐語的に引用された文言を骨抜きにしたり再審議しようとした。これに対し多くの国が強く反発し、合意済みの文言を再審議することは長年積み重ねていた国際的な約束を損なう、と繰り返し指摘した。最終的にCSW議長と共同ファシリテーターは、合意済み文言の中核要素を守りつつ一部譲歩した案を提示した。
採択の場でも妨害の試みは続き、米国は「論争を引き起こす」「イデオロギー的」な問題が残っていると主張して、直前に修正案を提出した。しかしこの修正案は支持を得られず、米国のみが賛成票を投じた。また、エジプトやナイジェリアなど複数の国は、誠実さを尊重しつつバランスの取れた文案とするため広範な協議や共同ファシリテーターの尽力にもかかわらず、交渉時間を確保するためだと投票延期を繰り返し要求した。
合意形成ができなかったのは残念だが、弱体化した文書やまったく成果のない結果に終われば、司法の救済を受けることが困難で複合的・重層的な差別にさらされ続ける女性や少女にとって、深刻な後退となっただろう。広範な不処罰が続く状況の中、アムネスティは各国に対し、ジェンダー正義への攻撃に対抗する取り組みを強化するよう、あらためて要請する。
アムネスティ国際ニュース
2026年3月10日



