- 2026年4月 8日
- [国際事務局発表ニュース]
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- トピック:地域紛争

イスラエルのベイトシェメシュ市に対するイラン当局によるミサイル攻撃で、10代の若者4人を含む民間人9人が死亡した。これは戦争犯罪として調査すべきだ。
現地時間3月1日午後2時直前に行われたこの攻撃によりシナゴーグが破壊され、その地下にある防空壕にも甚大な被害が生じた。推定46人の負傷者も出した。
アムネスティは、ソーシャルメディアに投稿されたデジタル証拠を検証・分析し、現地で収集した写真や動画も分析した結果、この攻撃にはイラン製の弾道ミサイルが使用されたと結論付けた。
使用された兵器は精度が極めて低く、巨大な弾頭を搭載しており、人口が密な民間地域での使用は極めて不適切だ。
アムネスティの調査では、攻撃現場付近に正当な軍事目標が存在した証拠は見つからなかった。最も近い軍事目標は、着弾地点の西約3.5kmに位置するイスラエル軍基地と見られる。
この攻撃により、民間人にとって避難と安全の場であるはずのシナゴーグと防空壕が破壊され、4人の子どもを含む9人の民間人が命を落とした。これは戦争犯罪として調査されなければならない。
弾道ミサイルを使用したこと自体が、この攻撃の無差別性を示す。つまりは、国際人道法違反の行為だ。民間人の死傷や民間施設への損害をもたらす無差別攻撃を行うことは、戦争犯罪にあたる。独立した公平な調査が行われ、十分な証拠に基づき責任があるとされた者は、公正な裁判にかけられなければならない。
アムネスティは、ベイトシェメシュに弾薬が落下する様子を捉えたソーシャルメディアの映像を検証した。弾道の軌跡や攻撃現場の被害状況は、巡航ミサイルや小型のドローン搭載弾薬ではなく、大型の弾頭を搭載した弾道ミサイルが使用されたことを示唆する。攻撃後の画像には、全壊したシナゴーグに加え、半径約500メートルに及ぶ広範囲の被害が映し出されていた。
3月16日から19日にかけてアムネスティは、攻撃の生存者4人と、攻撃直後に現場に到着した救助隊員1人に聞き取り調査を行った。また、破壊の規模を裏付けるため、攻撃前後の現場の衛星画像を分析した。
絶望し打ちのめされる人びと
この攻撃により、9人の民間人が死亡した。
3人の子どもを失った父親は、アムネスティにこう語った。「(自宅の)天井と屋根が崩れ落ちた。窓から外を見ると、シナゴーグがあった場所が炎上していて、空には真っ黒な煙が立ち込めていた。怖かったが勇気を振り絞って行ってみると、シナゴーグは完全に破壊されており、防空壕もぱっくり割れていた。防空壕は安全ではなかった、身を守ってくれなかったのだ」。3人の子どもは防空壕に行き、妻ともう1人の子どもは、シナゴーグから1ブロック離れた自宅に残っていた。「私は1人でも2人でもなく、3人の子どもを失った。ある日、突然、家族の半分がいなくなってしまった」
シナゴーグへの攻撃時、防空壕の中にいた女性は「大きな爆発音がして・・・。爆発の前は座っていたけど、衝撃波で吹き飛ばされて、私は金属にぶら下がるような状態で、その上にも金属が・・・。天井が私の上に崩れ落ちてきて歩き始めたが、周囲は真っ暗で粉塵に包まれていて、ほとんど何も見えずに手探りで進むしかなかった。瓦礫や人びとの上を歩いた。外は火の手が上がっていて、車も炎に包まれていた。ようやく草むらにたどり着いたところで、倒れ込んだ。目を覚ましたのは救急車の中だった」と語った。
「こうした爆弾のせいで、生きる気力も、眠る気力も、食べる気力も奪われてしまう。こんなふうには生きていけない。シェルターにいても安全じゃない。亡くなった人たちはみな、知り合いだった」。
攻撃現場から約100メートル離れた場所で隣人と座っていた男性は「爆発の瞬間、衝撃波で4、5メートル吹き飛ばされた。ミサイルにやられたんだと分かった。爆発地点の方に向かうと、そこには巨大な炎と煙が立ち込めていた。ミサイルがもたらした破壊を目の当たりにして、信じられない気持ちだった。犠牲者のうち3人は顔見知りの兄弟姉妹だ。胸が張り裂ける思いだ。私たちはみな、絶望している」と嘆く。
攻撃から約10分後に現場に到着した救急救命士は、「みんな血まみれで、あちこちに打撲傷を負った状態で出てきた。ミサイルがどこを直撃したのか誰も分からないほど、あたり一帯はめちゃくちゃだった。遺体は吹き飛ばされていた。数時間後も、あちこちに遺体の一部が転がっていた。とにかく生存者を救うことに集中するしかなかった。現場で手当てをしていた人たちは、何年も前から知っている家族や友人を治療していた。ここでは誰もが互いを知っている。私は、『これは現実じゃない』と何度も口にした。まるで映画を見ているようだった」
背景情報
2月28日、米国とイスラエルはイランに対し共同攻撃を開始し、以来、イラン各地で数千回に及ぶ攻撃が行われている。これに対し、イラン当局は地域全域に及ぶ報復攻撃を展開。この武力紛争は急速に中東全域の敵対行為へと発展し、多数の民間人が犠牲となり、民間インフラにも深刻な被害をもたらしている。イスラエルはまた、ヒズボラによる攻撃への対応として、レバノンへの攻撃も激化させている。
複数のメディア報道によれば、イラン軍は2月28日以降、イスラエル国内での複数の攻撃でクラスター弾を使用しており、3月18日にはテルアビブ近郊での攻撃で民間人2人が死亡した。クラスター弾は本質的に無差別な兵器であり、その使用は国際人道法によって禁止されている。昨年、アムネスティは、イスラエルとの「12日戦争」でのイラン軍によるクラスター弾の使用が国際人道法に違反していたことを記録・指摘している。
報道によれば、3月27日時点で、イスラエルと米国の攻撃の結果、イラン国内では少なくとも1,900人(うち100人以上がミナブの児童)が死亡し、レバノンでは1,116人以上が死亡した。一方、イランの攻撃により、これまでにイスラエル国内で少なくとも16人の民間人、占領下のヨルダン川西岸地区で4人の民間人が死亡し、湾岸協力会議(GCC)加盟国を含む地域の国々で少なくとも23人が死亡した。
アムネスティ国際ニュース
2026年3月31日



