- 2026年5月21日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:気候変動と人権

5月20日、国連総会において気候変動対策を国家の義務とする決議が圧倒的な支持を得て採択された。
これは、気候正義を推進する上で重要な一歩だ。この決議の採択により、各国は、2025年の国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見で示されたとおり、気候変動がもたらす深刻な人権危機に対処する法的義務を負っていることを認めたことになる。今回の決議は、気候変動に起因する人権侵害に対する責任の確保を進め、現在および将来の世代を保護する取り組みに新たな弾みを与える。
国家間の分断がかつてないほど顕著になっている今、ICJの気候変動に関する判断を支持するこの国連決議は、国際協力に向けた新たな道筋を示すものだ。気候保護策の後退や段階的廃止措置の撤回といった、一部の世界の指導者による政治的・権威主義的な選択は、より強力な気候変動対策が求められる局面において、世界的な進展を弱体化されてきた。化石燃料インフラだけでも、世界で少なくとも20億人、世界総人口のおよそ4分の1の人びとの健康と暮らしにリスクをもたらしている。
今回の新たな国連決議は、各国政府が気候正義を支持する姿勢を示す道を開くものであり、今後数年にわたり、気候変動に関する世界規模の責任のあり方を方向づける可能性を秘めている。
背景情報
今回の国連決議は、気候変動がもたらす「緊急かつ存亡に関わる脅威」に関する国家の義務についての国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見を、具体的な行動と責任追及のための道筋へと転換することを目指している。
海面上昇により消滅の危機にあると繰り返し訴えてきたバヌアツが、同決議の採択に向けた取り組みを主導した。太平洋の島国であるバヌアツは以前にも、若い法学生グループによる力強いキャンペーンを通じて外交的働きかけをけん引し、これが2025年のICJ勧告的意見につながった。ICJは異例となる全員一致の意見において、地球の気候システムを保護することは政治的な選択ではなく、法的義務であることを明確にした。これを怠れば、現在および将来の世代の人権と生活が脅かされることになる。ICJはまた、各国が協力して既存の被害を是正し、さらなる深刻な被害を防ぐ必要があると述べた。
このICJ勧告的意見を実施に移すため、バヌアツ、バルバドス、ブルキナファソ、コロンビア、ジャマイカ、ケニア、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、オランダ王国、パラオ、フィリピン、シンガポール、シエラレオネといった地域横断的の代表からなる中核グループが、本日採択された決議の「ゼロドラフト(最初の草案)」作成に貢献した。
アムネスティ国際ニュース
2026年5月20日



