犯罪者の可能性を予測するリスクプロファイリングは国際法違反

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2026年6月24日
[国際事務局発表ニュース]
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法執行、治安、移民に関わる公的機関で、リスクプロファイリング・システムが広く使用されていることは、国際人権法に矛盾し、禁止しなければならない。アムネスティは新しい報告書でこう訴えた。

リスクプロファイリングとは、人や集団が法や規則を破る可能性が高いかどうかを判断するものだ。政府は犯罪が起こる前に、犯罪に及びそうな人を識別するためにこれを使用する。このような評価は、人工知能(AI)技術の発展で急速に自動化されるようになっており、多くの場合、人権侵害を引き起こしている。今回初めて、リスクプロファイリングについて国際人権基準との整合性を包括的に検証した。

報告書は、リスクプロファイリングが人びとの権利にどのような影響を及ぼすかを明らかにするとともに、人権活動家、公務員、監督機関、弁護士、裁判官がこれを利用して、国やその他の主体によるリスクプロファイリング・システムの利用に異議を申し立てる際に活用できる科学的・法的根拠を展開している。

例えば、こうしたシステムはデンマークの社会保障不正受給捜査、フランスの在留許可申請システム、オランダの不正受給検知システム、オーストラリアの過払い給付金自動回収システムに用いられている。

リスクプロファイリング・システムは、行政サービスの効率化、費用対効果の向上、不正などの犯罪防止、移民管理の強化を実現する手段としてしばしば正当化される。「資源は限られている」という前提に基づくこうした主張は、政策上の根拠としては誤りだ。なぜなら、実証的な裏づけを欠いているうえに、貧困などの社会問題を政治的課題ではなく、自動化された資源配分や監視によって解決すべき「効率性の問題」へとすり替える、政治的に都合のよい考え方だからだ。

法執行、治安、移民といった人びとの人生に大きな影響を与える分野でリスクプロファイリングの対象になれば、深刻な危害にさらされる。精神的苦痛、汚名、不当な犯罪容疑に苦しめられ、その結果として住居を失ったり、国外退去を命じられたり、社会保障給付金を不当に拒否されたり、収監されるおそれさえある。

差別と複合的な影響

報告書はまた、政府が客観的ツールと宣伝しているリスクプロファイリングが差別的に運用されることによって生じる、見過ごされがちな構造的影響、複合的な影響についても明らかにしている。この技術は、平等の権利、差別されない権利を侵害し、人種、民族、性別、社会・経済的地位、障がいなどを理由とした差別を生み出す。

最も深刻な影響を受けるのは、社会的に不利な立場に置かれた人びとだ。人種を理由に差別や偏見にさらされる人びと、イスラム教徒、移民・難民・避難民、障がい、あるいは慢性疾患のある人、低所得者は「疑わしい存在」と見なされ、常に監視の対象になり、最終的には有害な決定に苦しむ可能性が高い。

こうした状況は、透明性の欠如が広くみられることで、さらに深刻化している、人びとは無力な立場に置かれ、自分たちの権利に悪影響を及ぼすシステムや決定に異議を唱えられなくなる。また、公正な裁判を受ける権利、無罪推定の原則、プライバシーの権利、個人データ保護、社会保障を受ける権利、十分な生活水準を保持する権利、人間の尊厳の完全な実現など、他の人権に対しても危険な影響を及ぼす。

差別的な影響は、単なる偏見や個人の権利侵害にとどまらない。犯罪や不正行為を減らすことは、システム導入の正当な理由となり得るものの、地域社会全体を対象とする過剰な監視を正当化する口実として悪用されるおそれがある。その結果、目的に見合わない深刻な人権侵害を招きかねない。

さらにシステムの運用方法が、社会的に不利な立場に置かれた人びとを本質的に犯罪者または危険な存在とみなす、既存の固定観念や偏見の影響を受ける可能性がある。統計的に疑わしいと思われる人が実際の容疑者にされ、それによって偏見が強化され、あるいは新たな偏見が生み出される。これは、社会にすでに存在する構造的差別の結果だ。

疑わしい有効性

アムネスティはまた、政府がリスクプロファイリング・システムを構築する過程の多くで、誤った結果の生成や、その結果に対する誤った解釈を防ぐために通常用いられる厳密な科学的手法に欠けていることを指摘している。各国政府は、リスクプロファイリングが犯罪、社会保障をめぐる不正、非正規移民に対処する費用対効果の高い方法だと口にするが、この主張を立証する科学的証拠はほぼない。むしろ、これまでの研究では、こうしたシステムは科学的な妥当性に疑問があり、精度も一貫して低いことが示されている。

こうした研究が示しているように、個人が犯罪や社会保障不正を行うかどうかを予測することは、科学的に極めて困難だ。そのために必要な質と精度を備えたデータは存在せず、今後も存在しない。犯罪や社会保障不正などの複雑な行為は、検出や予測、立証が著しく困難なため、そうした行動を予測する際には代替指標(プロキシ)を用いざるを得ないが、これらは信頼性や公平性に欠ける。例えば、再犯の予測に再逮捕歴を用いたり、不正受給の有無を判断する際に、意図的な不正請求ではなく給付手続上の単純なミスを指標として用いるなどだ。こうした手法は、人種を理由に差別や偏見を受ける人びとや、社会的に不利益を受けやすい人びとを危険にさらす。

このように科学的根拠に乏しく、対象者に深刻な被害をもたらしかねないリスクプロファイリングを正当化するのは、無理がある。

客観的・中立的なリスクプロファイリングのアルゴリズムを設計することは不可能だ。人に関するデータが客観的であることは、あり得ない。政府が不正などの犯罪を行う可能性がある人を予測しようとすれば、歴史的に抑圧され、社会的に不利な立場に置かれてきた集団に属する人びとを必然的に標的とすることになり、過去の不正義を再生産し、深刻化させる。社会が抱える問題を技術だけで解決することはできない。

アムネスティなどが調査した事例では、リスクプロファイリング・システムが、何らかの差別を受けている、あるいは社会的に不利な立場に置かれた人びとを、犯罪や社会保障不正を行うリスクが高い存在とみなす傾向があることが確認されている。

リスクプロファイリングを禁止せよ

移民管理や社会保障不正の摘発、犯罪対策に用いられるリスクプロファイリングは禁止されるべきだ。予測プロファイリングとリスク評価のシステムは、データに基づくものであれ、ルールに基づくものであれ、最終的に人が決定を下すとしても、人びとの生活や権利に重大な影響を及ぼす場面では禁止されるべきだ。各国は禁止に向け新たな法律を制定するか、既存の法律を改正する必要がある。それまでの間、当局はこれらのシステムを使用せず、開発や導入を中止しなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2026年6月10日

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