最新情報:
2011年4月 7日 (stop情報)
更新履歴:
2011年4月 7日
国名:
インド
対象者:
ファイザン・ラフィク・ハキーム
期限:
配信日:
2011年4月 7日
UA No:
93/2011

AI Index:ASA 20/014/2011
国際事務局配信日:2011年4月5日

ジャンムー・カシミール州の刑務所から未成年者が釈放される
14歳のファイザン・ラフィク・ハキームは、ジャンムー・カシミール州警察により罪状も裁判もなく拘禁されていたが、4月5日にカスア刑務所から釈放された。


ファイザン・ラフィク・ハキームは、2月7日、ジャンムー・カシミール州アナントナーグの自宅の外で逮捕された。2009年7月、2010年6、7、10月にそれぞれ起きた4つの事件で、州当局に対する抗議行動の最中に、抗議者の大群衆が警察や治安部隊に対して投石を行ったが、ファイザンはこの群衆に加わっていたとされている。彼はこれらの事件に関与したとして、暴動およびその他の違法行為という2つの罪に問われ、2月12日に2つの罪状のうち1つについて治安判事から保釈を許可され、2月23日には残りの罪状についても保釈を許可された。しかしながら、警察がジャンムー・カシミール州治安法(PSA)に基づき、罪状も裁判もないままに行政拘禁を適用したため、保釈されなかった。PSAによると、州当局は嫌疑についての司法審査を経ることなく最長2年人々を拘禁できる。

ファイザン・ラフィク・ハキームが罪に問われた当初、警察は彼の年齢が27歳だと主張していたが、彼の家族が彼の学校から発行された証明書をアムネスティに示したところによると、彼の生年月日は1996年5月18日と記されており、そうであれば彼は逮捕されたときには15歳以下だったということになる。アムネスティは、学籍簿にある元の記録でも生年月日を確認した。ジャンムー・カシミール警察は、ジャンムー政府医科大学で行われた年齢検査で、ファイザン・ハキームの年齢が17歳から18歳であると判定されたと3月28日に発表した。その一方で、2月25日にファイザンは自宅から300km離れたカスア刑務所に移され、そこで40日間を過ごした。

彼の釈放を求める3月31日発信の緊急行動に従って、ジャンムー・カシミール州当局が彼を釈放する決定を下したことを、アムネスティは歓迎する。ファイザンの父親のラフィク・アフマッドは、アムネスティが息子の事件を取り上げたことに対し感謝を述べた。

アムネスティは、ジャンムー・カシミール州当局に対し、以下の事を改めて要求する。州当局は、PSAを撤回し、行政拘禁の制度を終らせ、全ての拘留者を釈放するか、あるいは不法行為と認められている犯罪行為を行った疑いのある者を起訴し、裁判所で公正な裁判にかけるべきである。特に、18歳以下の者は釈放されるべきであり、明らかな犯罪行為で拘禁されるのであれば、子どもの権利に関する国連条約第40条第2項に定められた公正な裁判を受けさせるよう求める。
 

追加情報


2010年1月から9月の間だけで、少なくとも322人がジャンムー・カシミール州治安法(PSA)の定めに従って裁判を受けることなく拘禁されているとされる。未成年者も含まれているとされるその多くが、2010年の夏を通して頻発したインド政府に対する数々の抗議行動中に同様の投石や暴動行為を行ったとして拘禁されている。ジャンムー・カシミール州首相は、同州で未成年者を拘禁している事実はないと主張しているが、法律家は、ジャンムー・カシミール州少年司法法1987では、16歳以上の男子は成人であると規定しており、PSAに基づく拘禁を助長していると指摘している。これに反して、ジャンムー・カシミール州以外のすべての州で運用されているインド少年司法(子どもの監督と保護)法2000では、子どもの権利に関する国連条約(CRC)に準じて、成年を18歳と定めている。子どもの権利委員会は、CRCに基づくインドの第2次定期報告を考慮し、ジャンムー・カシミール州に対し、最新の国内法の適用を具体的に提言した。

要請文を送ってくださったすべての皆さんに感謝いたします。これ以上のアクションは必要ありません。