- 最新情報:
- 2013年9月 3日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2013年3月23日 (更新情報)
- 2013年3月 7日
- 国名:
- モルディブ
- 対象者:
- 強かん被害の少女(15歳)
- 期限:
- 2013年10月 3日
- 配信日:
- 2013年3月 7日
- UA No:
- 055/2013
15歳の強かんの被害者が、モルディブで自宅軟禁とむち打ちの危険にさらされている。彼女は少年裁判所によって「密通」の罪で有罪となり、8ヶ月間の軟禁と100回のむち打ち刑を言い渡された。
2012年6月、少女は「密通」の罪で、モルディブのフェイドー島の自宅で逮捕された。しかし、その直前、彼女の乳児が自宅近くに埋められているのが発見された。当局は、義父を乳児殺害と、未成年者への性的暴行などいくつかの罪で起訴していた。少女は義父に強かんされていたのだ。彼女の母親も、犯罪隠蔽と殺人の罪の両方で起訴されている。この捜査中に当局は、別の事件でたまたま、少女を「密通」の罪で告発するに足る証拠に出会ったのだ。
検察庁は、2012年11月25日、「密通」の罪で彼女を起訴した。モルディブの少年裁判所で有罪になり、むち打ち刑と自宅軟禁の判決が今年2月25日に言い渡された。彼女には控訴する権利があるが、この権利を行使するかどうかはまだわからない。
彼女は8カ月間の軟禁と100回のむち打ち刑を言い渡された。法律では、むち打ち刑は通常、18歳になると行われることになっているが、例外的な状況においてはそれよりも早く行うことができる。
国際的な人権法と基準に従うと、「密通」は罪ではない。さらに、むち打ち刑は、拷問その他の残虐、非人道的で品位をおとしめる扱いや刑罰の明確な禁止に違反する行為である。「密通」という犯罪とむち打ちという刑罰がモルディブの法律に存在していることは、国際人権法に基づくモルディブの責務に矛盾している。
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追加情報
最近のメディアの報告で、2011年に「密通」の罪で有罪となった個人のうち、ほぼ90%が女性であることが示された。2009年にはモルディブで少なくとも180人が「密通」によりむち打ち刑を受けた。100回のむち打ちの判決を言い渡された18歳の女性は、刑が執行された後、気絶した。アムネスティ・インターナショナルは、モルディブ当局が過去にも他の少女たち――強かんや他の性的暴力の被害者――を「密通」の罪で起訴し、有罪にし、それによりむち打ち刑に処したという確かな報告を受け取っている。
国連人権高等弁務官は、「むち打ちは女性に対するもっとも非人道的で品位をおとしめる暴力のひとつだ」と述べ、むち打ち刑の執行をやめるようモルディブ当局に要請した。モルディブの国連カントリーチームも同様の懸念を表明している。裁判官および弁護士の独立に関する国連特別報告者は最近モルディブを訪れ、当局に対して「基本的な法制度の整備と適用を推し進める強い指導力を発揮し、その内容が人権の促進と保護に沿ったものであるよう」要請した。
大統領府は、この15歳の少女は被害者として保護されるべきで、当局によって罰しないようにと主張している。大統領府のスポークスパーソンは報道陣に対し、法律を変えることを検討していると話した。モルディブ憲法70条(a)によると、立法権は国民議会にある。
また、モルディブ当局には、強かんや他の性的暴行の被害者のために「適切な保護と支援サービス」を提供することが義務付けられている。これには「リハビリ、育児支援、生活扶助、医療、カウンセリング、健康と社会サービス、施設、プログラムおよび支援体制など他にも彼女たちの安全と身体的・精神的リハビリを推進するためのすべての適切な措置を講じること」が含まれる。今回の場合、この15歳の少女にこうしたサービスのいずれかでも提供されたかどうかはわからない。さらに、国際基準の規定によれば、思春期には一般に性的関心を表現する力が高まるのであって、各国当局はそのことを認めるべきである。同意の上での性行為でも性的暴行の被害者でも、彼らの年齢に関係なく未成年を刑事罰の対象とすべきではない。
- 最新情報:
- 2013年9月 3日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2013年3月23日 (更新情報)
- 2013年3月 7日
- 国名:
- モルディブ
- 対象者:
- 15歳の少女
- 期限:
- 2013年10月 3日
- 配信日:
- 2013年3月23日
- UA No:
- 055/2013
モルディブ政府は最近、「密通」の罪で有罪とされ、自宅軟禁とむち打ちの判決を受けた15歳の少女を保護すると確約した。ただし有罪判決が取り消されるまでは、まだむち打ちと自宅軟禁が執行される恐れはある。
2月26日、15歳の少女が、モルディブの少年裁判所で「密通」または婚外性交の罪で有罪となり、8か月の自宅軟禁と100回のむち打ちという判決を受けた。2月28日、モルディブ政府は、少女が性的暴行の犠牲者でもあり、したがって被害者として扱うべきであって、「彼女の権利を全面的に保護すべきである」との声明を発表した。政府はまた、性的暴行をはじめ子どもに対する虐待事件はすべて、「人権という観点から」その子どもにとって「最善の結果となるよう」判断すべきであると言明した。
アムネスティ・インターナショナルはこの政府声明に歓迎の意を表した。政府はただちにその文言と確約にしたがって行動し、国際人権法の下に保証された15歳の少女の権利を全面的に保護しなければならない。「密通」は国際的な人権法や基準の下では犯罪とされないので、少女に対して有罪判決を下すべきではなかった。さらに、むち打ち刑は、拷問その他の残虐、非人道的で品位をおとしめる扱いや刑罰の明確な禁止に違反する処遇である。少女に対してむち打ちを執行してはならず、モルディブでむち打ち刑を廃止すべきである。少女はまた強かん被害者として、政府による適切な支援サービスを受ける権利がある。
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追加情報
この15歳の少女は、2012年6月、モルディブのフェイドー島で、彼女が生んだ乳児が自宅の外に埋められているのが発見された後、逮捕された。彼女は継父に強かんされていたことが、当局の調べで明らかになった。継父は殺人と未成年の性的虐待をはじめ、いくつかの罪で起訴された。彼女の母親は、犯罪隠蔽と殺人の罪の両方で起訴されている。しかし捜査中に当局は、別の事件でたまたま、少女を「密通」の罪で告発するに足る証拠に出会った。検察庁は、2012年11月25日、「密通」の罪で彼女を起訴した。彼女は有罪とされ、むち打ち刑と自宅軟禁の判決が2013年2月25日に言い渡された。彼女には控訴する権利があるが、この権利を行使するかどうかは不明である。
最近のメディアの報告で、2011年に「密通」の罪で有罪となった個人のうち、ほぼ90%が女性であることが示された。2009年にはモルディブで少なくとも180人が「密通」によりむち打ち刑を受けた。アムネスティが受け取った信頼すべき報告によると、モルディブ当局が過去にも他の少女たち(その一部は強かんや他の性的暴力の被害者)を「密通」の罪で起訴し、有罪とし、その結果むち打ち刑を執行している。
国連人権高等弁務官は、「むち打ちは女性に対するもっとも非人道的で品位をおとしめる暴力のひとつだ」と述べ、むち打ち刑の執行をやめるようモルディブ当局に要請した。モルディブの国連カントリーチームも同様の懸念を表明している。裁判官および弁護士の独立に関する国連特別報告者は最近モルディブを訪れ、当局に対して「基本的な法制度の整備と適用を推し進める強い指導力を発揮し、その内容が人権の促進と保護に沿ったものであるよう」要請した。
「女性に対するあらゆる形態の差別撤廃に関する条約/[略称]女性差別撤廃条約(1979)」では、各国政府は強かんその他の性的暴力の被害者に対して、「リハビリ、育児支援、生活扶助、医療、カウンセリング、健康と社会サービス、施設、プログラムおよび支援体制など適切な保護支援サービスを提供する義務を有し、また女性たちの安全および肉体的精神的リハビリを推進するためのすべての適切な措置を講じるべきである」と定められている。今回の場合、この15歳の少女にこうしたサービスのいずれかでも提供されたかどうかは不明である。さらに、国際基準の規定によれば、思春期には一般に性的関心を表現する力が高まるのであって、各国当局はそのことを認めるべきである。同意の上での性行為であれ性的暴行の被害者であれ、そうした行為に関わった未成年者は、彼らの年齢に関係なく、犯罪者として扱いあるいは刑事罰の対象としてはならない。
- 最新情報:
- 2013年9月 3日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2013年3月23日 (更新情報)
- 2013年3月 7日
- 国名:
- モルディブ
- 対象者:
- 強かん被害の少女(15歳)
- 期限:
- 2013年10月 3日
- 配信日:
- 2013年9月 3日
- UA No:
- 055/2013
モルディブの高等裁判所が、「密通」の罪で有罪となり、100回のむち打ち刑と軟禁を言い渡された15歳の少女に対する判決を却下した。これはアムネスティ・インターナショナルや他の国際組織による運動の成果である。
今年2月、首都マレの少年裁判所は15歳の少女を「密通」の罪で有罪とし、100回のむち打ち刑と8ヵ月間の自宅軟禁の判決を言い渡した。この有罪判決は国際的な人権法に反するもので、世界的な抗議を引き起こした。アムネスティ・インターナショナルは、彼女のケースについて記者声明を発表し、緊急行動要請を発動した。さらに、 4月のモルディブ大統領との会談でも彼女のケースを取り上げた。同時に、このケースは国際的なメディアの注目を集め、オンラインキャンペーンの団体、Avaaz(アヴァーズ)による嘆願書には2百万を超える署名が集まった。
こうして関心が高まるなか、モルディブ大統領官邸は、少女は性的暴力の被害者であり、それゆえに被害者として扱われるべきで、彼女の権利は「完全に保護される」という声明を発表した。
引き続きの働きかけの結果、少年裁判所が出した判決に対して法務長官が異議を申し立て、8月21日、モルディブ高等裁判所が有罪判決を却下した。少女は現在自由になり、むち打ちの危険もなくなった。
2012年6月、産み落とされたばかりの嬰児の遺体が、モルディブのフェイドー島の自宅近くに埋められているのが発見され、その後少女が逮捕された。少女の義父は性的暴行と殺人で起訴されており、彼女の母親も犯罪隠蔽で起訴されている。しかしこの捜査中に当局は、別の事件で少女を「密通」の罪で告発した。少年裁判所は彼女にむち打ち刑と軟禁を言い渡したが、今回それは高等裁判所によって覆された。
アムネスティは、判決を却下した高等裁判所の決定を歓迎する一方、モルディブ政府は国際法上の義務に準じて、むち打ち刑の執行停止を確定し、係属中のすべてのむち打ち刑判決を取り消し、刑法は「密通」を理由とする起訴や処罰を禁じるべきであることを強調しておきたい。
アピールを送ってくださったみなさん、ありがとうございました。
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