- 最新情報:
- 2014年3月 7日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2013年9月17日 (更新情報)
- 2013年7月 8日
- 国名:
- イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- 対象者:
- サファイほか西岸地区南部の村の住民(男女)
- 期限:
- 2014年4月 7日
- 配信日:
- 2013年7月 8日
- UA No:
- 170/2013
西岸地区南部に暮らす約1000人のパレスチナ人(半数近くは子どもたち)が強制立ち退きの危機にある。既に彼らの建物の中には解体されているものもいくつかあり、移動も制限されている。
イスラエル軍は軍事訓練地域用の道路を作るため、ヘブロン南西の丘陵にある8つの村、サファイ、マジャズ、タッバン、ファクヒ、ハラウェ、ミルケズ、ジンバ、ヒレ・アダバの全住民を自宅から追い出す計画を立てている。彼らは1999年後半に強制立ち退きを受けていた。しかし暫定命令により彼らはその2、3カ月後に破壊された村に戻ることを許されていた。その命令は軍から異議申し立てがなされていたが、7月15日のイスラエル高等裁判所での審理まで延長されており有効なままである。高等裁判所は同様の多くのケースにおいて、強制立ち退きや強制移送を禁じイスラエルに履行義務がある国際法の原則に沿うよりむしろ、治安部隊や国家に有利な判決をしてきた。もし立ち退かされれば住民たちはホームレスとなり生計の手段を失うことになる。
射撃区域918として知られる軍事訓練地域は元々、1980年代に封鎖軍事地域と宣言されていた。しかし、住民たちはその土地に家を建てたり農業を営むことが許されていた。1999年の立ち退きの後、彼らは土地に留まることが許されるよう高等裁判所に訴えた。国側は、住民たちはずっとそこには住んでいなかったと答え、立ち退かせた後すぐに撮影した航空写真でそれを証明しようとした。その結果、排除による取り壊しの証拠を示すこととなった。住民たちの請願は2013年1月と2月に更新され、国は次回の審理までに回答を提出することとなっている。
完全にイスラエルの支配下に置かれ、西岸地区の60パーセントを成しているC地域の15万人のパレスチナ人たちの多くと同様に、ここの住民たちは家屋や畜舎、文化設備を繰り返し破壊されてきた。2つの小学校と診療所、そして太陽発電パネルと貯水槽も取り壊し命令を受けている。
追加情報
ジュネーブ諸条約を含む国際人道法の下では、(被占領地の住民のような)保護される人びとを立ち退かせることは、彼ら自身を保護するために暫定的にのみ許されるもので、それもそのような極端な手段を取る不可避的な軍事的理由がある場合のみである。イスラエルによって出された法的回答にある射撃区域918の説明は、その地域が特に特殊な実弾射撃訓練に適しているとの主張によるもので、不可避的な必要性の水準に足るものではない。よって、もし排除が実施されるようなことになれば、この地域の住民立ち退きは国際人道法違反の強制立ち退きに該当する。同様に国際人道法は軍事作戦のために絶対的に必要な場合を除いて、被占領地の財産を破壊することを禁じている。その地域で展開される軍事活動は住民の財産を破壊することがあり、医療へのアクセスや水のコンテナの輸送など人やモノの移動を恣意的に制限したりすることがある。被占領パレスチナ地域(OPT)の軍の統治機関は住民の財産に対する破壊命令を出したり、実行したりしている。というのも上記の8つの村、そしてその周りにある他の多くのパレスチナ人の村の住民たちのための計画の規定がないからである。彼らについては、社会権規約(ICESCR)にある水の権利を含む適切な生活水準を享受する権利、到達可能な最高水準の健康と教育を享受する権利、そしてこれらの権利と関連して差別されない権利が、繰り返し様々な方法で侵害されている。
何年もイスラエルは差別的な家屋破壊と被占領パレスチナ地域に国際法違反のイスラエル人入植地を多数建設することを許す政策を推進してきた。一方で、パレスチナ人の土地を没収し、パレスチナ人たちの建設申請を拒み、彼らの家屋を破壊してきた。2013年の前半で250を超える家屋、作業小屋、畜舎がC地域で破壊され、少なくとも300名のパレスチナ人たちを追いたて、さらに多くの人びとに損害を与えた。それらが違法に建築されたというのが理由となっている。そこに暮らすパレスチナ人たちは建築に厳しい制限を課せられているが、同じ地域のイスラエル人入植地は拡大し続け、水や電気の設備その他のインフラを与えられている。国際法は占領権力が自国民を占領地域に入植させることを禁じている。
家屋破壊は一般的に、日時の警告や事前協議もなく、パレスチナ人たちが自らの財産を持ち出す機会も与えず、あるいは最低限の避難場所を見つける余裕も与えないまま実行される。国連は約4800件の取り壊し命令が保留中でその多くは西岸地区のC地域内であると見積もっている。C地域においては、イスラエルが計画と建築を完全に管理している。そして、そこに暮らす約15万人のパレスチナ人はイスラエル軍の計画体制のどのレベルにも代表を持っていない。計画の制度の中にパレスチナ人の代表がいないだけでなく、パレスチナ住民が立ち退きや取り壊し命令に異議申し立てをする権能も非常に限られている。特にヘブロン南西の丘陵やヨルダン渓谷のような周縁地域に暮らす村人たちは、特別な圧力に苦しめられている。「封鎖軍事地域」では、事実上、パレスチナ人による建設や開発の可能性はない。これらの取り壊し行為は強制立ち退きに等しいことである。このような行為によりイスラエルは自らが1991年に批准した社会権規約などの国際人権法の下での義務に違反している。その規約はすべての人びとが適切な住宅を持つ権利を記しており、強制立ち退きを禁じている。強制立ち退きについては社会権規約委員会が一般的意見7の中で「個人、家族、コミュニティが、占有する家屋や土地から、法的その他の適切な保護の条件もしくは利用手段もないまま、自らの意思に反して、恒久的または一時的に排除されること」として定義されている。
イスラエルの軍法においては立ち退かされた家族たちが代わりの住宅もしくは補償を与えられないという事実によって、この状況はいっそうひどくなっている。よって効果的な救済を受ける権利が侵害されており、親族や友人がなく慈善も受けられない場合には、多くがホームレスになって貧困状態に陥る危険があるのだ。
- 最新情報:
- 2014年3月 7日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2013年9月17日 (更新情報)
- 2013年7月 8日
- 国名:
- イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- 対象者:
- サファイほかヒレ・アダバの住民(男女)
- 期限:
- 2014年4月 7日
- 配信日:
- 2013年9月17日
- UA No:
- 170/2013
被占領ヨルダン川西岸地区南部に暮らす約1000人のパレスチナ人(内、半数近くは子どもたち)が今もイスラエル軍による強制立ち退きの危機にある。イスラエル高等裁判所は彼らの権利を擁護する判決を下さなかった。
軍事訓練地域の射撃区域918のための道路を開くため、イスラエル軍は西岸地区南部のヘブロン南西部の丘陵にある8つの村の全住民を住居から追い出し、強制立ち退きさせる予定である。 サファイ、マジャズ、タッバン、ファクヒ、ハラウェ、ミルケズ、ジンバ、ヒレ・アダバの村むらが対象である。 もし強制立ち退きが進行すれば、適切な住居、水、衛生、健康、教育を享受することなど住民の一連の権利を侵害するおそれがある。
イスラエル高裁への村人たちの請願に対し、国は立ち退きの合法性と必要性を主張した。そして、立ち退きはジュネーブ第4条約にある強制移送にはあたらないと述べている。 村人たちは実際はその村むらの住民ではなく、随時にその土地を利用しているに過ぎないこと、そしてその村むらは1980年に軍事地域と宣言された後、軍令に反してできたものである、というのがその理由となっている。 この理由は村人たち自身の説明、そして何十年も地域の居住地と農耕の状況を記録してきた学術調査とも矛盾している。 国の検事はまた「高度の軍事的重要性」がある訓練のニーズのために私有財産を軍が没収する権利があると主張し、当該地域での随時の農業活動を許可することで軍はアクセスを制限するに過ぎないと述べている。 高等裁判所は2013年9月2日、国と村人たちが解決のために和解に入るべきと判決した。 請願者たちは和解することに合意したが、国は是非の決定を10月7日までにすることになっている。 10年前にあった和解のための努力は空しい結果に終わった。というのもイスラエル当局が別の地域、村人たちが現在住んでいる地域のほんの一部を提案し、それは村人たちのニーズには見合わないものだったからである。
追加情報
ジュネーブ諸条約を含む国際人道法の下では、(被占領地の住民のような)保護される人びとを立ち退かせることは、彼ら自身を保護するために許されるもの、もしくはそのような極端な手段を取る不可避的な軍事的理由がある場合のみである。 それでさえ、そのような立ち退きは一時的なものでなくてはならず、当該地域での交戦状態が終わり次第、住民は帰宅することになっている。 イスラエルによって出された法的回答にある射撃区域918の説明は、「射撃区域918はイスラエル国防軍の訓練に大変重要な地域であり、性質上、代わる場所はない」との主張によるもので、「不可避的な軍事的理由」の水準に足るものではない。 よって、もし排除が実施されるようなことになれば、この地域の住民立ち退きは国際人道法違反の強制立ち退きに該当する。 同様に国際人道法は軍事作戦のために絶対的に必要な場合を除いて、被占領地の財産を破壊することを禁じている。 その地域で展開される軍事活動は住民の財産を破壊することがあり、医療へのアクセスや水のコンテナの輸送など人やモノの移動を恣意的に制限したりすることがある。 被占領パレスチナ地域(OPT)の軍の統治機関は住民の財産に対する破壊命令を出したり、実行したりしている。というのも上記の8つの村、そしてその周りにある他の多くのパレスチナ人の村の住民たちのための計画の規定がないからである。 彼らについては、社会権規約(ICESCR)にある適切な住居、水、衛生の権利を含む適切な生活水準を享受する権利、到達可能な最高水準の健康と教育を享受する権利、そしてこれらの権利と関連して差別されない権利が、繰り返し様々な方法で侵害されている。
C地域においては、イスラエルが計画と建築を完全に管理している。そして、そこに暮らす約15万人のパレスチナ人はイスラエル軍の計画体制のどのレベルにも代表を持っていない。 計画の制度の中にパレスチナ人の代表がいないだけでなく、パレスチナ住民が立ち退きや取り壊し命令に異議申し立てをする権能も非常に限られている。 パレスチナ人たち、特にヘブロン南西の丘陵やヨルダン渓谷のような周縁地域に暮らす村人たちは、特別な圧力に苦しめられている。 「封鎖軍事地域」では、事実上、パレスチナ人による建設や開発の可能性はない。多くの既存構造物は違法建築という理由で取り壊しの危機にある。 そこに暮らすパレスチナ人たちは建築に厳しい制限を受けている一方、同じ地域のイスラエル人用入植地は拡大し続け、水や電気などの設備その他のインフラを提供されるという差別的政策が存在している。 国際法は占領権力が自国民を占領地域に入植させることを禁じている。
あらゆる選択肢を探るために影響を受けるコミュニティの人びととの誠実な協議を今までしてこなかったこと、必要とする人びとに代替の収容設備を提供してこなかったことは、これらの家屋破壊が強制立ち退きに相当することを意味している。 このような行為によりイスラエルは自らが1991年に批准した社会権規約などの国際人権法の下での義務に違反している。その規約はすべての人びとが適切な住宅を持つ権利を記しており、強制立ち退きを禁じている。強制立ち退きについては社会権規約委員会が一般的意見7の中で「個人、家族、コミュニティが、占有する家屋や土地から、法的その他の適切な保護の条件もしくは利用手段もないまま、自らの意思に反して、恒久的または一時的に排除されること」として定義されている。 射撃区域918にある村むらのケースで高等裁判所によって提示された和解は、国際基準に沿って行なわれ、既存の違法な命令や政策によって歪められることがなければ、誠実な協議となる可能性がある。 誠実な協議には、当局による十分で正確かつ時宜を得た情報と真摯な取り組み、影響を受けるコミュニティからの代替案をしっかり考慮することなどが必要である。
イスラエルの軍法においては立ち退かされた家族たちが代わりの住宅もしくは補償を与えられないという事実によって、状況はいっそうひどくなっている。よって効果的な救済を受ける権利が侵害されており、親族や友人がなく慈善も受けられない場合には、多くがホームレスになって貧困状態に陥る危険があるのだ。
- 最新情報:
- 2014年3月 7日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2013年9月17日 (更新情報)
- 2013年7月 8日
- 国名:
- イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- 対象者:
- サファイほかヒレ・アダバの住民(男女)
- 期限:
- 2014年4月 7日
- 配信日:
- 2014年3月 7日
- UA No:
- 170/2013
パレスチナの村人たちとイスラエル国家の和解調停期間が、4月25日まで延長された。
2013年9月2日、高等裁判所は強制立ち退きの脅迫を受けているパレスチナの村人とイスラエル国家が和解調停するよう提案した。軍事訓練地域の射撃区域918に至る道路建設のために計画されている西岸地区南部ヘブロン南西部丘陵にある8村の全住民強制立ち退きを違法とはしなかった。調停の結果、村人の権利が侵害されない保証はない。
村人たちは調停案に即時合意し、防衛省は2013年10月21日に合意した。調停人として元最高裁判事で前法務長官のイツハク・ザミールが任命されることに両者は合意した。調停期間は最初、4カ月と設定されたが、延長された。協議は村人たちの代表と検察庁の間で定期的に行なわれている。後者は2013年9月11日付の緊急行動(UA)のアピール対象となった機関である。検事は、アムネスティ・インターナショナルの活動家たちから受け取った手紙を「記憶している」と述べている。
村人たちの弁護士はアムネスティに対し、調停には「関心を持っている」と述べている。弁護士はまた調停中の間、村人たちが家に居続けられることは、軍の計画遂行を高裁が認めたふしがある判決よりも肯定的なものだと述べている。弁護士は状況が比較的希望的なのは、アムネスティが尽力した同国内や国外での同時期の圧力のお陰だとしている。
このケースについて新たな行動の要請はありません。アムネスティはこのケースを注視しつづけます。アピールを送って下さった皆様に感謝します。