- 最新情報:
- 2015年9月 1日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2015年9月 1日 (更新情報)
- 2015年7月28日
- 国名:
- セルビア(コソボを含む)
- 対象者:
- ロマの家族(男女)
- 期限:
- 2015年10月 1日
- 配信日:
- 2015年7月28日
- UA No:
- 161/2015
セルビアの首都ベオグラードで、ロマの53家族が強制立ち退きを迫られている。彼らは1999年から翌年にかけてゼムン区の居住地にやってきて、以来、国内避難民になっている。7月7日から10日にかけて、彼らは家を取り壊すようにとの命令を受けたが、代替住居が提供されておらず、ホームレスの状態に陥る恐れがある。
グルメチとも称されるラツコ・ミトロビッチ居住地は、ベオグラード北西のゼムン区にある非公認居住地だ。この居住地はセルビア鉄道会社が所有する、2本の線路に挟まれた細長い土地にある。6月26日、ゼムン区の工事検査官は、これらの家が建設許可のないまま建てられているとして文書による取り壊し命令を発した。7月7日から10日かけてロマの家族が受け取ったこの命令文書は、命令を受けてから1日以内に家を取り壊すよう命じるものだった。命令が出される前にコミュニティとの協議は全く行われず、命令が出されるとの通知もなかった。
これまでのところ住民は取り壊しを実行していないが、自分たちで取り壊さないなら当局が行うと告げられている。当局がいつ取り壊しを開始するかは不明である。これまでグルメチに住んでいた人々は、代替居住地が提供されていないので、取り壊し命令が執行されればホームレスの状態に陥ってしまうだろう。
セルビアは、自国が拘束される国際人権法とその基準により、取り壊し命令を即時停止するよう求められている。これ以上の行動を取る前に、 影響を受ける家族と代替住居の可能性について誠実に協議し、家の取り壊しと強制立ち退きに対しては、立ち退きについて適切に通知することや、必要な人には適切な代替居住地を提供するなど、法的及び手続き上実効性のある保護措置を講じるべきだ。アムネスティ・インターナショナルは、市内各区の 作業を監視するベオグラード市長に対して、1人たりとも強制的に立ち退かされることがないよう繰り返し求めている。強制立退きは国際法違反である。
- 最新情報:
- 2015年9月 1日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2015年9月 1日 (更新情報)
- 2015年7月28日
- 国名:
- セルビア(コソボを含む)
- 対象者:
- ロマの家族
- 期限:
- 2015年10月 1日
- 配信日:
- 2015年9月 1日
- UA No:
- 161/2015
ベオグラード郊外のゼムン区グルメチ居住区に住んでいるロマの53家族が、強制立ち退きを迫られている問題は、今のところ、強制立ち退き命令の執行が停止された状態が続いている。しかし、この命令が取り下げられない限り、ロマの人びとがホームレスになる恐れがある。
セルビアのゾラナ・ミハイロビッチは、同国におけるロマの人びとの生活全般を管轄している。同氏は、7月28日、当地の住民に対し、セルビアは、国際社会に対して、立ち退きを強制される人びとを守る義務があると通達した。この義務は地方行政当局も遵守しなければならず、もし、立ち退きを求める場合には、国連の「開発に基づく立ち退きおよび移動に関する基本原則および指針」に沿うよう義務付けられていると言及している。また、同氏は、非公認居住区からの立ち退きの場合の規則作成委員会を立ち上げた。
当地から入手した情報によると、政府は、地方行政当局に対し、強制立ち退きの執行を停止し、いかなる立ち退き命令も保留にするよう要請した。が、これらは、該当するロマの家族には伝えられておらず、アムネスティも、首相補佐官室から明確な返事を受け取っていない。
グルメチ居住区に住んでいるロマ人53家族は、市当局から十分な代替家屋や用地などの提供を受けていない。7月7日から10日にかけて出された立ち退き命令は、1日で立ち退けというものだった。建設担当局から出されたこの命令は取り下げられていない。この命令書が執行されれば、人びとはホームレス状態になる。
NGOのセルビアNGO人権弁護士委員会は、子ども68人を含む130人のロマの人びとに代わって、EU人権裁判所に執行停止の申し立てを送った。EU人権裁判所は、それを受けて、執行停止の暫定措置を求める手続きをはじめ、セルビア政府当局に対しこのケースに関する報告を提出するよう要求した。EU人権裁判所の決定はまだ、実施されていない。
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追加情報
1999年のセルビアとアルバニアの内戦でコソボを追われたロマの人びとは、1999年から2000年前後にかけて当地に居住するようになった。内戦終結後、コソボのセルビア系ロマの人びとは、アルバニア系の人びとから、拉致、殺人、レイプ、財産強奪などの迫害を受けるようになっている。
- 最新情報:
- 2015年9月 1日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2015年9月 1日 (更新情報)
- 2015年7月28日
- 国名:
- セルビア(コソボを含む)
- 対象者:
- ロマの家族
- 期限:
- 2015年10月 1日
- 配信日:
- 2015年9月 1日
- UA No:
- 161/2015
ゼムン区のグルメチ非公認居住区に住むロマの53家族の家屋取り崩しは、セルビア政府の命令で一旦停止された。居住区に住む全住民は、立ち退きが実施される前に代替住居が保障される。
セルビア副首相を兼ねるゾラン・ミラノヴィッチ建設国土交通副大臣は、国内におけるロマの人びとの生活全般を管轄しているが、政府がゼムン区に命じ、ロマの家族をグルメチ居住地から立ち退かせず、7月に発効した家屋取り崩し命令を執行しないと、8月14日、アムネスティに通知した。
8月19日、セルビアのNGO人権弁護士委員会は、居住地に住む130人にかわって、欧州人権裁判所に申し立てをしていたが、裁判所がセルビア政府から、これらの家族に代替住宅を提供するまでは立ち退きを実施しないという確約を受け取ったことを確認した。
さらに、政府は、要請に基づき家屋破壊命令を無効にしたことを裁判所に通知した。ゼムン区の自治体は、申し立てをしていなかった人に対して適切な代替住宅が確保されるまで、家屋取り崩しの実施延期を決めた。その結果、グルメチ居住区の全住民は現在、強制立ち退きを受けることはない。
大臣はアムネスティに対して、今後、立ち退きは、国際人権基準に沿って実施することを保障する法令を起草し、導入するために、作業部会を立ち上げたことを明らかにした。
アピール文を送って下さったすべての方々に感謝いたします。本件に関するアクションはこれで終わります。