最新情報:
2016年5月17日 (stop情報)
国名:
ロシア連邦
対象者:
ディミトリー・ヴォロビョフスキー(男性)
期限:
2016年6月17日
配信日:
2016年5月17日
UA No:
109/2016

5月6日夕刻、自宅より強制的にボレネツ精神病院に入院させられ、強制的に治療を施されていた活動家のディミトリー・ヴォロビョフスキーさんが、5月12日、裁判所の命令で釈放された。

ディミトリー・ヴォロビョフスキーさんは、ボレネツ市では政治犯を支援し、政府の政策に抗議していていることで、よく知られている。弁護士によれば5月6日の午後5時ごろガス会社からと名乗る数名の男が家のドアを叩いたので開けた。男たちは実は精神病院の救急救命士で、車に押し込められ、ボレネツ精神病院に連れこまれた。病院では、3時間もベッドに縛り付けられ、無理やり不明の薬物の注射を打たれ、錠剤を飲まされた。病院側は、誰が精神病治療に連行するように要請したか不明で、どのような経緯で彼に治療を施すに至ったのかもわからないとのことだった。5月8日に面会した弁護士によると、ヴォロビョフスキーさんは冷静で正気だったが、退院は認められなかった。何の医学的根拠で強制的に拘束し加療したのか、どんな医薬品を使ったのか不明なままだ。

ロシアの法律では、判事の命令無くして何人も48時間を超えて拘束されることはできない。弁護士が検事にこの件の捜査と釈放を要求したが、回答は5月9日が祝日で何もできないとのことだった。拘束は、ヴォロビョフスキーさんが政府の政策をあからさまに批判しているためと見られ、表現の自由の権利に違反だ。さらに、判事の許可なく48時間以上拘束しているのは、国内法および国際標準の違反だった。

5月12日になって、開廷した裁判で検察は、ヴォロビョフスキーさんを入院させる理由はなく、釈放を支持した。

弁護士の一人は、アムネスティのUrgent Actionが釈放に貢献したとの認識を示した。