最新情報:
2017年12月 1日 (stop情報)
国名:
マレーシア
対象者:
マリア・チン・アブドゥラ(女性)
期限:
2018年1月 1日
配信日:
2017年12月 1日
UA No:
263/2016

マレーシア警察は、自由で公正な選挙を求めるデモを組織したとして治安法の「有害な活動」の容疑で勾留されていたマリア・チン・アブドゥラさんに対する捜査を公式に打ち切った。チンさんは2016年11月18日に拘束され、10日間の勾留後保釈されたが、その後も捜査は続いていた。捜査の打ち切りで、晴れて自由の身になった。

チンさんは、11月21日に「捜査が打ち切りになった」と警察から連絡を受けた。その後、1年前に事務所から押収された物品も全て返却された。

チンさんは2016年11月に、議会制民主主義に有害な活動をしたという容疑で逮捕された。さらに、裁判なしで28日間の勾留を認めるテロ行為防止と国家安全保障会議に関する法律(SOSMA)が適用された。独房に10日間拘禁されたとき、最初の2日間は家族にも弁護士にも面会を許されず、長時間にわたる尋問を受けた。10日で保釈されたが、その後も殺害をほのめかす脅迫を受けた。

SOSMAは、「治安と国家の安全に関わる場合を除いては、何人も政治的活動や信条で逮捕されない」と明記している。しかし、チンさんの逮捕容疑は、自由で公正な選挙を求めるデモを組織したというだけだった。この逮捕は、活動や政府批判を妨害し、封じる意図があったと思われる。

チンさんは、自分の釈放と勝訴に向けて運動してくれた人びとに、次のメッセージを寄せてくれた。「私の件に注目し、行動を起こし、マレーシア政府に手紙を送ってくださった方々に感謝します。私たちは次の行動を起こす準備を進めています。マレーシアの人権や民主主義は、私たちの目標からは程遠い状況ですが、(諦めずに)努力を続けていきます」

チンさんは保釈中も人権擁護活動を続けてきた。

このUAは、今回で終了します。要請文を送ってくださった方々に心より感謝します。ありがとうございました。