- 最新情報:
- 2017年3月21日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2017年2月24日
- 国名:
- イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- 対象者:
- ムハンマド・アル=キク(男性)
- 期限:
- 2017年4月21日
- 配信日:
- 2017年2月24日
- UA No:
- 048/2017
パレスチナ人のムハンマド・アル=キクさんは行政拘禁されていることに抗議して、2月6日からハンストを続けてきた。イスラエル当局は、医療が受けられるよう病院に彼を移送すべきという彼の弁護士の要請にまだ応えていない。彼は独房に拘禁されており、どんどん衰弱している。
ヘブロンのドゥラ出身のパレスチナ人ジャーナリストのムハンマド・アル=キクさんは1月15日、帰宅途中、ラマッラー近郊のベイト・エル検問所でイスラエルの治安部隊によって逮捕された。イスラエルが襲撃犯としたパレスチナ人の遺体を家族に返還することを拒むイスラエルに抗議するベツレヘムでのデモに参加し、帰宅するところだった。その後、扇動した疑いで約22日間、尋問された。2月6日、軍判事から6カ月間の行政拘禁命令を受けた。命令に対し、起訴や裁判なしに再び勾留する当局に抗議するためにハンストをすると法廷内で宣言した。翌日、軍判事から行政拘禁命令を3カ月間に減軽された。現在イスラエル北部のキシュロン刑務所に拘留されている。
ムハンマド・アル=キクさんの弁護士は2月15日に彼と面会することになっていたが、監獄局職員から、本人は歩くこともベッドから出ることもできず面会はできないと言われた。イスラエル高等裁判所に訴えたため、10日以内の面会が2月19日、認められた。弁護士がアムネスティに語った所によると、本人は衰弱し、とても疲れた様子で、話すのが難しかったという。体重が減ったことは見てわかった。「低い天井の2メートル四方の部屋である独房に拘禁されていて、そこは凍るような冷たい墓みたいだ」という。「背中が痛み、薄い毛布しかないため寒さに耐えられない」ともこぼしたという。弁護士は監獄局に対して、ムハンマド・アル=キクさんの体調が心配だとして、治療がうけられるよう病院に移すよう要請した。しかし、要請は拒まれた。
行政拘禁命令は6カ月まで起訴や裁判なしに拘禁できる。この命令は無期限に更新でき、イスラエル軍がパレスチナ人に対して広く利用している。ムハンマド・アル=キクさんは以前、2015年11月に行政拘禁命令で7カ月間、拘禁されたことがあった。その内、94日間、彼は拘禁に抗議してハンストを行なっていた。
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追加情報
ムハンマド・アル=キクさんは90日余りハンストをした後、2016年3月、ネゲヴ砂漠にあるナフハ刑務所から釈放された。彼は2015年11月から行政拘禁されていたことに抗議していた。ハンストの結果として彼は53kg、体重が減り、背中の痛みや目まい、衰弱に苦しんでいる。消化力の問題もある。イスラエル当局が彼の行政拘禁命令を更新しないことに同意した後の2016年2月25日、彼はハンストをやめた。釈放の際は、彼は緊急治療が必要で2、3週間、入院してから、家族の元に戻ることができた。彼の妻のファイハ・シャラシュさんは夫の健康に懸念を表しており、夫は「衰弱してもろくなって」おり、前回のハンストによる苛酷な影響から立ち直っていないのだと述べた。「またハンストをすることはできないのではと心配しています」と彼女は言った。イスラエル当局はその活動ゆえに夫を沈黙させたがっており、前回のハンストゆえに夫を罰しているのだと、彼女は信じている。「ムハンマドは自分の勾留について地元と国際的な人権組織に話してきましたし、殺されたパレスチナ人の遺体を手放すようイスラエルに要請することで、パレスチナ人の人権を擁護してきました」と彼女は述べた。
イスラエルによって拘禁された被占領パレスチナ地域(OPT)出身の他のパレスチナ人たちのほとんどと同様に、ムハンマド・アル=キクさんはイスラエル国内に拘禁されているが、これは第4ジュネーブ条約違反である。それゆえヘブロンにいる彼の家族はイスラエル軍発行の許可証がなければ、彼に面会できない。
ムハンマド・アル=キクさんは過去に何度か逮捕、拘禁されたことがある。2015年10月以降、イスラエルと被占領パレスチナ地域での暴力事件が劇的に増えた。被占領パレスチナ地域において緊張が高まる中、イスラエル当局は大量逮捕やさらなる行政拘禁命令の発令で対応してきた。未成年者に対する行政拘禁の再開も含まれる。イスラエルの人権団体、ブツェレムによると、行政拘禁された人びとは2015年8月で341名だったのが、2016年8月末時点で644名いた。
行政拘禁は表向き、治安に著しくかつ差し迫った危険をもたらす人びとを拘禁するための例外的措置として導入されたものだが、犯罪容疑者を逮捕、起訴、訴追したりする刑事司法制度の代替手段として、あるいはまったく罪のない人びとを拘禁するためにイスラエルによって利用されてきた。この命令は無制限に更新可能で、イスラエルによって行政拘禁されているパレスチナ人の中には、言論・結社の自由の権利を平和的に行使しただけで拘禁された良心の囚人がいると、アムネスティは考える。機密証拠を利用することは被拘禁者が公平な審理を受ける権利を否定するものである。被拘禁者は起訴内容に対して適切な弁護をすることができず、いつ釈放されるかも分からないゆえに、アムネスティ・インターナショナルは、イスラエルが行政拘禁を利用していることは残酷かつ非人道的で品位をおとしめる処遇に相当しうるものと考える。
(注)このUAが発行された直後の2月22日、ムハンマドさんの弁護士から連絡があり、ご本人はラムレ刑務所医療センターに移送されたということです(翻訳担当)
- 最新情報:
- 2017年3月21日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2017年2月24日
- 国名:
- イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- 対象者:
- ムハンマド・アル=キク(男性)
- 期限:
- 2017年4月21日
- 配信日:
- 2017年3月21日
- UA No:
- 048/2017
ヘブロンのドゥラ出身のパレスチナ人ジャーナリストのムハンマド・アル=キクさんは3月10日、イスラエル当局による行政拘禁命令が更新されないことが分かり、ハンストを中止した。釈放は、4月10日の予定だ。
ムハンマド・アル=キクさんの弁護士は2月7日、3カ月間の行政拘禁命令が出されたため、ただちに裁判所の決定に対し不服を申し立てた。3月9日の非公開の審理において、判事は軍検察に対して、拘禁の根拠を示す追加資料を提出すること、また4月に失効する拘禁命令を更新するかどうかについての意思を裁判所に伝えるよう求めた。3月10日、検察は判事に更新しないことを伝えた。
ムハンマド・アル=キクさんは1月15日、帰宅途中、ラマッラー近郊のベイト・エル検問所でイスラエルの治安部隊に逮捕された。イスラエルが襲撃犯とするパレスチナ人の遺体の家族への返還を拒むイスラエルの対応に抗議するベツレヘムでのデモに参加し、帰宅するところだった。2月6日、軍判事から6カ月間の行政拘禁命令を受けた。命令に対し、起訴や裁判なしに勾留を延長する当局の決定に抗議するためにハンストをすると法廷で宣言した。翌日、軍判事から行政拘禁命令を3カ月間に減軽された。
行政拘禁命令は、6カ月まで起訴や裁判なしに拘禁できる。この命令は無期限の更新が可能で、軍によりパレスチナ人に対して広く適用されてきた。
弁護士はアムネスティ・インターナショナルに次のように述べている。「これはムハンマドの勝利だと思う。イスラエル軍は、勾留を延長しないことになった。この決定でムハンマドは釈放され、無実が証明された。これで容疑は晴れ、恣意的に拘禁されていたことがはっきりした」と。弁護士はまた、アムネスティのキャンペーンがこの裁判の展開に与えた影響を強調して、「皆さんの取り組みに感謝します。皆さんの声明や手紙がアル=キクの勝利に貢献したと思います」と語った。
本件に関するアクションはこれで終わります。アピールを送ってくださった皆さん、ありがとうございました。