- 最新情報:
- 2018年3月30日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2017年8月 9日 (更新情報)
- 2017年3月27日
- 国名:
- ロシア連邦
- 対象者:
- クドベルディ・ヌルマトフ(男性)
- 期限:
- 2018年4月30日
- 配信日:
- 2017年3月27日
- UA No:
- 061/2017
ジャーナリストで人権活動家のクドベルディ・ヌルマトフさんが、ロシアからウズベキスタンへ強制送還される恐れがある。ヌルマトフさんがウズベキスタンの治安当局に拉致されるという懸念もある。送還されれば、拷問などの重大な人権侵害を受ける恐れがある。
ウズベキスタン人であるヌルマトフさんは、ロシアの庇護を希望している。ウズベキスタン国籍だが、ロシアで生まれ、幼少期をロシアで過ごした後、ウズベキスタンに移り住んだ。2009年、ウズベキスタンの国家保安庁職員から秘密裏に協力要請を受けたが拒否したために拘束された上、拷問を受け、同国からの脱出を余儀なくされた。
ロシアで一時庇護を申請し、その結果、地位が決定され申し立て手段がある限り、ロシアに留まる権利を得た。現在は、アリ・フェルズというペンネームで、独立系新聞「ノヴァイア・ガゼタ」に、障がい者の権利や中央アジア難民・移民の権利などの問題に関する記事を書いている。2015年からは、アムネスティの活動家でもある。
しかし、略式の行政措置により、ウズベキスタンへ強制送還される恐れがある。3月16日、ヌルマトフさんは、ロシアの移住者資格に手続き上の問題があったとして、警察に拘束された。拘束から数時間後、弁護団がようやく面会を許されたときには、ヌルマトフさんは、急性感染症にかかり、高熱にうなされていた。同日夕刻、弁護士に付き添われて救急車で病院へ搬送され入院した。現在も病院で治療を受けている。
病院到着後、拘束を解かれた。召喚されれば警察署に出頭することが条件だった。弁護団によると、法廷審問は数日中に開かれるかもしれないという。警察署の前に集まった支持者にとって、ウズベキスタンの国家保安庁職員による拉致が気がかりだ。というのも、ヌルマトフさんを乗せた救急車が警察署を出てまもなく、謎の黒塗りの車が署の敷地から走り去るのを見かけたからだ。
アムネスティは2014年以後、ウズベキスタン国家保安庁の職員が、ロシア当局と共謀して、数百人の難民、庇護希望者、移住労働者を拉致し、自国へ送還していた事実を確認し、公表してきた。ロシアのこの行為は、明らかに国際的な人権義務に違反している。ロシアは、拉致の加担とは別に、国際的義務の裏をかいて送還する手段も画策した。行政手続き上で違法行為があったとして犯罪者に仕立て上げるなどもその一つだ。
ウズベキスタン当局は、帰国して拷問を受けることはないと確約した。ロシア側はその言葉を額面通り受け取り、ウズベキスタン人拉致事件は、どれも捜査に本腰を入れなかった。これまでの多くの送還された人たちがそうであったように、ヌルマトフさんも送還されると、隔離拘禁、虐待・拷問を受ける危険性が非常に高い。不公正な裁判で有罪となれば、残虐で非人間的で品位をおとしめる環境で、長期の刑に服すことになる。
- 最新情報:
- 2018年3月30日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2017年8月 9日 (更新情報)
- 2017年3月27日
- 国名:
- ロシア連邦
- 対象者:
- クドベルディ・ヌルマトフ(男性)
- 期限:
- 2018年4月30日
- 配信日:
- 2017年8月 9日
- UA No:
- 061/2017
8月1日、モスクワのバスマニー裁判所は、ジャーナリストで活動家のクドベルディ・ヌルマトフさんに対して、ウズベキスタンへの強制退去を命ずる判決を下した。もし、ウズベキスタンに戻れば、その性的指向で、投獄されるおそれがある。ヌルマトフさんは、控訴手続きに10日間の猶予が与えられている。
ヌルマトフさんは、ロシア生まれのロシア育ちで、学校卒業後、ウズベキスタンに渡った。そこで市民権を取得したが、すぐにロシアに戻り、大学に入学した。同性愛者である彼は現在、ノヴァヤ・ガゼータ紙の記者として、弱者や難民らの記事を書いている。また、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・インターセックス(LGBTI)の権利を求める活動もしている
8月1日、バスマニーの町で警察の職務質問を受け、身分証を見せると、警察署に連行された。取り調べで、外国人の不法入国・不法滞在に当たるといわれ、裁判所に連行された。裁判所では、罰金5000ルーブル(約8000円)とウズベキスタンへの強制送還を命じられ、国外退去センターへ入れられた。判決に不服の場合は、10日間の控訴手続き期間が与えられている。もし、強制送還されると、同性間の性行為を禁止するウズベキスタンでは、性的指向を理由に起訴され、実刑を受けるおそれがある。
裁判でヌルマトフさんは、ロシアの移民法には違反していないと申し立てた。ロシアでの滞在は合法であり、母や兄弟姉妹は、ロシア市民だと説明した。しかし、警察当局は、ヌルマトフさんのロシア滞在は、2011年以降不法であり、直近の難民申請も、司法当局に却下されていると主張した。
アムネスティは、これまで、ロシアからウズベキスタンへ強制送還された事例を多数、確認してきた。治安当局は、難民や比護希望者を拉致や秘密裏の移送で強制送還している。
- 最新情報:
- 2018年3月30日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2017年8月 9日 (更新情報)
- 2017年3月27日
- 国名:
- ロシア連邦
- 対象者:
- アリ・フェラス(男性)
- 期限:
- 2018年4月30日
- 配信日:
- 2018年3月30日
- UA No:
- 061/2017
強制送還が懸念されていたアリ・フェラスさんは2月15日、モスクワをたち、数時間後にドイツに着いた。1月25日、最高裁判所は、ウズベキスタンへの強制送還という下級審の判決を不服として上告していたアリ・フェラスさんの申し立てを認めた。アリ・フェラスさんは、2017年8月から不法滞在容疑で拘束されていた。
ノバイヤ・ガゼタ新聞の記者で、アムネスティのLGBTIの活動家でもあるアリ・フェラスさん(本名クドベルディ・ヌルマトフ)は、学校を卒業後、ウズベキスタンに渡り、市民権も取得した。しかし、性的指向を理由に告発されたり、当局から様々な圧力を受け、2011年にロシアに戻った。
難民申請をしたものの不法滞在者だと見なされ、それ以来、拘束され、昨年8月にはウズベキスタンへの強制送還命令を受けた。これを不服として上訴した。
今年1月22日、最高裁判所は、下級裁判所の判決を破棄し、2日後アリ・フェラスさんの申し立てを支持した。最高裁は判決言い渡しで、送還が未確定の外国籍者は、無期限には拘束できないと述べた。審理を差し戻されたモスクワ市裁判所は2月2日、アリ・フェラスさんが、赤十字国際委員会が作成した旅行関連文書とドイツのビザを持っていたことを考慮して、アリ・フェラスさんの第三国への出国を許可した。
2月15日、アリ・フェラスさんは、モスクワの空港に警官に付き添われて現れ、11時20分、ドイツのフランクフルト行きの便に搭乗した。難民としての扱いだったという。
3月6日、アリ・フェラスさんは、アムネスティに、まだドイツでの生活にはなれないと伝えてきた。今後も活動とジャーナリストの仕事を続けるつもりで、世界のために働きたい、と語った。また、「今回の釈放に力を貸してくれたアムネスティなどの団体に感謝している」とも語った。
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