- 最新情報:
- 2017年4月25日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2017年4月 2日
- 国名:
- 米国
- 対象者:
- ブルース・ワード(男性)
- 期限:
- 2017年5月25日
- 配信日:
- 2017年4月 2日
- UA No:
- 066/2017
死刑囚ブルース・ワードさんの執行が、4月17日に予定されている。ワードさんは、重い妄想型統合失調症を患っている。1989年に拘束されて以来、25年近く死刑囚監房に入れられてきた。犯行当時32才だったワードさんは、現在は60才だ。
1989年8月、アーカンソーのリトルロックのガソリンスタンドで、女性従業員(18才)の死体が発見された。その後、ワードさんが容疑者として逮捕され、翌年10月、死刑判決を受けた。弁護人は、被告が弁護人との対話を拒否するほどに精神が病んでいる状態にあるとして、裁判の一時停止を申し立てたが、却下された。
連邦最高裁は1986年に、刑罰を受ける理由や受ける現実を理解できない精神的な問題を抱える死刑囚に対しては、その死刑執行を禁止する判断を下している。死刑囚が州の示す執行判決の論拠を分かっていても、それは執行という事態を理性で理解しているということにはならない。重度の精神疾患に由来する甚だしい妄想患者の場合、犯罪とその刑罰の関係を理解したとしても、現実世界での理解ではないため、刑罰がその目的を果たさない。
ワードさんは、25年以上に渡る死刑囚生活の大半を独居房で過ごしてきた。弁護人によると、その精神状態の悪化で、弁護人を自分に対する陰謀の片棒と見ているという。弁護人側の医師は、過去4回の鑑定のいずれでも、妄想型統合失調症と鑑定した。医師は、ワードさんは被害妄想と誇大妄想で自分の立場を次のように見ていると説明した。「自分は、犯してもいない罪の濡れ衣を着せようとする巨大な陰謀の犠牲者であるが、ずっと大きな目的の達成を運命づけられているため、死刑執行など遂行できるわけがない。いずれ無罪となり、未来は前途洋々、子宝に恵まれる」と。また「死刑を宣告されていることは、言葉としては理解しているが、精神疾患による妄想的信念とこじつけがあるため、その理解は危うい」ともいう。
医師は、ワードさんは死刑判決を理性では理解していない、と断定した。
- 最新情報:
- 2017年4月25日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2017年4月 2日
- 国名:
- 米国
- 対象者:
- ブルース・ワード(男性)
- 期限:
- 2017年5月25日
- 配信日:
- 2017年4月25日
- UA No:
- 066/2017
4月17日に予定されていたブルース・ワードさんの死刑執行が停止された。弁護団は、刑罰を受ける理由を理解できない精神障がい者に死刑を執行することは憲法違反に当たると主張していた。
連邦最高裁は、1986年に、心神喪失で、刑罰の理由も刑罰そのものも把握できない死刑囚に対する執行を禁止する命令を下し、2007年には、精神疾患による過度の妄想がある死刑囚は、犯罪と刑罰の関係を把握しているわけではないため、刑罰を科す意味がない、と断じた。弁護団は、心理状態の報告書や前弁護団の宣誓供述書、刑務所の医療記録などを陳情書に添えて提出していた。
弁護団は4月13日、州最高裁に執行停止を求める請願書を提出し、翌日、州最高裁は、4対3で執行の停止を命じた。これに対して州は、停止命令の再考を求めたが、同最高裁は4月17日、執行停止命令を再度確認した。
アーカンソー州は、4月17日からの11日間に8人の死刑囚の執行を予定しており、ワードさんもその一人だった。
この件に関するUA行動は終了します。アピールを送ってくださった皆さん、ありがとうございました。