- 最新情報:
- 2018年8月17日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2018年4月19日
- 国名:
- イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- 対象者:
- アブドゥル・ラゼク・ファラージ(男性)
- 期限:
- 2018年9月17日
- 配信日:
- 2018年4月19日
- UA No:
- 072/2018
イスラエル軍事法廷は、NGO職員であるアブドゥル・ラゼク・ファラージさん(55才)に対する行政拘禁を三度更新した。ファラージさんは、起訴も裁判もなく325日間、拘禁されてきたが、さらに3カ月、行政拘禁が続くことになった。
4月10日、3度目の更新命令を受け、7月17日まで拘禁が延長されることになった。ファラージさんは昨年5月、被占領パレスチナ地域(OPT)のラマッラーの自宅で逮捕された。西岸地区の軍司令官は、尋問することもなく、4カ月間の行政拘禁命令を言い渡した。3カ月後の9月20日に拘禁は終了する予定だったが、更新されてしまい、その後も更新が繰り返された。
行政拘禁されている人たちと弁護士たちが、行政拘禁の廃止を求めて、イスラエル軍事法廷をボイコットする運動をしている。ファラージさんもこの運動に参加中だ。ボイコット運動は、4月半ばで2カ月目に入った。そして、イスラエル当局は現在、審理に被拘禁者やその弁護士が不在のままで行政拘禁命令を追認している。
アブドゥル・ラゼク・ファラージさんは10年間の行政拘禁を経験しており、全部で16年間をイスラエルの刑務所で過ごした。1985年から1991年にかけて彼は、パレスチナ解放人民戦線(PFLP、武装部門を持つ左翼政党でイスラエルによって非合法化されている)に加入していたことで、イスラエルの裁判所によって科された6年の刑に服役していた。彼は釈放されてからも6回、逮捕され、その度に行政拘禁された。彼は起訴も裁判もないまま全部で120カ月(3650日)の間、拘禁されていた。
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追加情報
2人の子の父親であるアブドゥル・ラゼク・ファラージさん(55歳)はビルゼイト大学の経済学の学士号と経営学の修了証書を持っている。彼は被占領パレスチナ地域のラマッラーに拠点のある開発NGO、農作業委員会連合(UAWC)の財務管理事務局長であり、30年余り務めてきた。UAWCは、イスラエルによる占領と土地収奪政策の影響をこうむったパレスチナの農民たちを支援するため1986年に設立された。この組織は、農民たちの生活水準の向上と土地の権利を守るための彼らの能力育成を目指している。
2012年、ファラージさんはオフェール刑務所の拘禁状況に抗議して、行政拘禁されている他の人びとと一緒におよそ24日間のハンストを行なった。当時、劣悪な拘禁状況や独房拘禁、家族との面会の拒絶、起訴や裁判のない拘禁に抗議して、2,000人のパレスチナの囚人と被拘禁者たちが大規模なハンストを宣言した。このストライキは、エジプトが仲介したイスラエルとの協定をうけて、2012年5月14日に終結した。ファラージさんはイスラエルの行政拘禁政策に抗議して、行政拘禁されている他の人びとと共に2014年4月、再びハンストを行なった。ハンストは60日余り続き、行政拘禁されている人びととイスラエル監獄局(IPS)との間に協定が結ばれてから終結した。
アブドゥル・ラゼク・ファラージさんの家族は、彼が絶え間なく拘禁されてきたことや釈放日がはっきりしないことのために、大変な目にあってきた。彼の息子のバシルさんは次のようにアムネスティに語っている。「私は父が釈放されるのを望んで、2、3週間、ジュネーブの大学から離れることにしていました。家族は再び一緒になる日を夢見ています。でも、いつものように占領が、私たちの希望の前に、喜びの瞬間への夢の前に立ちふさがるのです」。
行政拘禁のすべてのケースと同様に、ファラージさんに対する「証拠」は機密となっており、彼も弁護士もそれを吟味することは許されていない。このような状況は、公正な裁判基準の根幹を侵す。
行政拘禁は、表向きは治安に著しくかつ差し迫った危険をもたらす人びとを拘禁するための例外的措置として導入された。しかし、犯罪容疑者の逮捕、告訴、訴追の代替手段として、あるいはまったく罪のない人を拘禁するために、利用されてきた。命令は何度でも更新でき、証拠は機密とされる。そのため、事実上、被拘禁者は異議申し立てができず、いつ釈放されるかもわからない。行政拘禁されているパレスチナ人の中には、表現、集会、結社の自由の権利を平和的に行使しただけで拘禁された良心の囚人たちがいると、アムネスティは考えている。2015年10月以降、イスラエルと被占領パレスチナ地域での暴力事件が、激増した。被占領パレスチナ地域の緊張が高まる中、イスラエル当局は大量逮捕や行政拘禁命令をさらに連発して対応した。未成年者に対する行政拘禁の再開もあった。パレスチナの人権組織であるアッダミールによると2018年3月時点で、イスラエルによって起訴や裁判のないまま行政拘禁されている人びとは、未成年者3人を含む427人だった。
- 最新情報:
- 2018年8月17日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2018年4月19日
- 国名:
- イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- 対象者:
- アブドゥル・ラゼク・ファラージ(男性)
- 期限:
- 2018年9月17日
- 配信日:
- 2018年8月17日
- UA No:
- 072/2018
7月17日、被占領パレスチナ地域(OPT)のラマッラーに拠点を置く開発NGO、農業委員会連合(UAWC)の財務管理事務局長アブドゥル・ラゼク・ファラージさんが、オフェール刑務所から釈放された。彼は14カ月間、起訴や裁判のないまま行政拘禁されていた。
ファラージさんは、起訴や裁判のないまま14カ月、442日間、行政拘禁されていた。弁護人を提供してきたパレスチナ人の囚人の権利擁護NGOのアッダミールによると、イスラエルの判事が、行政拘禁命令を更新しない判決を下した。その後、ファラージさんは釈放され、ラマッラーの2人の子どもがいる家族のもとに帰った。
ファラージさんは昨年5月21日、被占領パレスチナ地域(OPT)のラマッラーの自宅で、イスラエル軍兵士に逮捕された。その後、尋問もなく、西岸地区の軍司令官から4カ月間の行政拘禁命令を言い渡された。当初、9月20日に拘禁は終了する予定だったが、3回、命令は更新された。
ラマッラー近郊のビルゼイト大学で経済学の学士号と経営学を修めた後、ラマッラーの開発NGOの農業委員会連合(UAWC)に入り、財務管理事務局長まで務めてきた。勤続30年余りだ。
彼は、これまで計10年余りも、行政拘禁に置かれてきた。全部で123カ月(より正確には3,743日)だ。加えて、彼はパレスチナ解放人民戦線(PFLP、武装部門を持つ左翼政党でイスラエルによって非合法化されている)の一員であることで有罪となり、6年の刑に服役していた。
ファラージさんは釈放後、アムネスティに、感謝のメッセージを送ってきた。「パレスチナの人びととUAWCに対する皆さんの継続的支援に心から感謝いたします。とりわけ行政拘禁されていた14カ月間、私を支援し連帯してくださったことに感謝します。こうした支援でパレスチナの政治囚たちが世界中に真の友人と支援者たちを持っていることが確認できました」。
今後、UAWCでの仕事に復帰し、パレスチナ人の囚人たち、被拘禁者たちの権利のために闘い続けると付け加えた。
「イスラエルが行政拘禁の政策を取っていることは国際法違反です。現在、女性3人を含む約500人のパレスチナ人が起訴や公平な裁判もないまま行政拘禁されています。2018年2月、行政拘禁されている人びとが、行政拘禁停止を要求してイスラエル軍事法廷のボイコットを開始し、それは今も続いています。このボイコットをすべての人権組織は支援すべきです。なぜなら、それは恣意的な拘禁をやめさせるためにイスラエルに圧力をかける唯一の方法だからです」と語った。
要請文を送ってくださった皆さん、ありがとうございました。この件に関するUA行動は終了します。