- 最新情報:
- 2018年10月30日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2018年8月28日
- 国名:
- メキシコ
- 対象者:
- 期限:
- 2018年11月30日
- 配信日:
- 2018年8月28日
- UA No:
- 150/2018
米国とメキシコの両政府は、最近の非公開の協議でメキシコを「安全な第三国」とみなし、米国を希望する難民をメキシコにとどめようと目論んでいる。しかし、メキシコには、難民がとどまるには何かと問題が山積する。
この数カ月間、トランプ政権関係者は、メキシコを「難民にとって安全な第三国だ」という発言を繰り返してきた。米国には、難民の入国を阻止するという意向があるが、難民は、身の危険にさらされるという深刻な問題に直面する。メキシコ政府は、生命や自由が脅かされかねない国への送還を禁止するノン・ルフールマン原則や国際難民法をたびたび無視しているからだ。
メキシコの調査報道誌プロセソは5月17日、18日にワシントンで行われた両国の難民対策の協議項目を入手し、公表した。7月10日、ワシントンポストは、協議は合意に向かっているという記事を載せた。その後、メキシコの外交当局も、プロセソ誌に対し、8月上旬には米国の拠出でメキシコが移民を管理するという旨の合意がまとまることを示唆した。
一方、メキシコに流れ込む難民は増えるばかりだが、難民申請制度は、うまく機能していない。アムネスティが、メキシコにいる非正規移民500人に尋ねたところ、移民管理局に拘束されている人々のうち75パーセントが、難民申請の権利があることを知らされていないという。
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追加情報
米国政府はこれまで、難民や不法移民者の対応をメキシコ政府に委ねようと働きかけてきた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、メキシコには、毎年40万人から50万人が、南のグアテマラなどとの国境を越えて流れ込むが、その内、半数以上は難民としての保護が必要だ。出身国の多くは、ホンジュラス、ベネズエラ、エルサルバドル、グアテマラなど、治安が著しく悪い国だ。メキシコが2017年に受けた難民申請は14,596件で、そのうちホンジュラスから4,272人、ベネズエラから4,042人、エルサルバドルから3,708人だった。
また、メキシコには、難民保護に関わる国際規約に従った対応を取ってこなかったという問題もある。また、非正規難民が、拉致、行方不明、殺人などに巻き込まれることも多い。もし、米国が、全面的に難民への門戸を閉ざすとなれば、メキシコで犯罪の犠牲になる難民が増えるのは、疑う余地もない。
これまで両政府間には、米国が資金を提供するという前提でなんらかの合意に達するという図式があった。2007年には、米国のジョージブッシュとメキシコのフェリペカルデロンの両大統領が、「メリダ・イニシャティブ」に合意した。この合意のねらいは、麻薬などの犯罪に両国が協力して対応し、米国が、メキシコに治安関係支援として25億ドルを拠出するというもので、現在も続いている。現在行われている「安全な第3国」に関する合意事項は、このメリダ・イニシャティブの見直し時に盛り込まれる可能性がある。
また、米国法では、どの国が「安全な第三国」かは、司法長官の判断に委ねられている。その判断は、しばしば当事国との利害関係に左右される。アムネスティが得た情報では、国土安全保障省は、同省の長官にこの権限を移したいと考えているとのことだ。
- 最新情報:
- 2018年10月30日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2018年8月28日
- 国名:
- メキシコ
- 対象者:
- 期限:
- 2018年11月30日
- 配信日:
- 2018年10月30日
- UA No:
- 150/2018
メディアが担当外交官から得た情報によると、米国はメキシコを「安全な第三国」とみなし、同国に庇護希望者を送還するという当初の方針を取り下げた模様だ。アムネスティは、安全とは程遠いメキシコを「安全な第三国」として、難民を留めるという策に反対し、8月からUA(緊急行動)を呼びかけてきた。
トランプ政権は10月上旬、この方針を撤回し、難民をメキシコから第三国に移送する策を打ち出した。さらに、その移送費用を賄う基金(2000万米ドル)を国防省から国土安全保障省へ移管するという決定を発表した。
しかし、同基金には、議会の一部や市民団体から強い批判があり、実現するかどうかは予断を許さない。
このUA行動はこれで終了します。ご協力いただきまして、ありがとうございました。