モーリタニア：
モーリタニア：ブロガーが無罪に

ブロガーのシェイク・ジドゥーさんとアブデラマネ・ウェダディさんは3月22日、正当な理由もなく逮捕された。複数のメディアが、政府関係者による収賄疑惑を取り上げたことを受け、自身のフェイスブックで高官の腐敗行為を厳しく非難した。これが「悪意のある非難」とみなされたのだ。

事の発端は、アルジャジーラ、アルクドス、アルアラビアなどの国内外メディアが報じた政府関係者の銀行口座が凍結されたという記事だった。アラブ首長国連邦当局が、モーリタニア政府に近い複数の人物が開設した20億ドルの銀行口座を凍結したという。この記事を見た2人は、フェイスブックで指摘された政府関係者の腐敗行為を非難した。

2人はいずれもブロガーで、ウェダディさんは、国内で特に注目を集めている。ジドゥーさんは、若者の運動体「2月25日運動」の発起人でもある。

3月22日、出頭を求められて警察に出向いた2人は、その場で逮捕された。その後、検察庁は、「国の資産が、差押えされ凍結されたという事実はなく、根も葉もない情報だ。誤情報の出どころを調査している」という声明を出した。

市民団体も、政府高官による疑惑の金銭受授に対する捜査を求めて訴訟を起こした。その後の3月7日、2人は、警察で尋問された。さらに、3月25日に令状もなく自宅捜索され、ウェダディさんのパソコンなどが押収された。

汚職を批判するブログで「悪意ある非難」罪に問われているブロガーのシェイク・ジドーさんとアブデラマネ・ウェダディさんの2人が6月3日、保釈された。拘束が解かれたとはいえ、告発されたままで、裁判は続いている。

アルジャジーラ、アルクドス、アルアラビアなど国内外のメディアが、モーリタニア政府関係者の汚職について報じた。アラブ首長国連邦が、モーリタニア政府に近い複数の人物の20億ドルが入った口座を凍結した、という記事だった。このニュースを目にした2人は、フェイスブックに政府関係者の汚職と資金の海外送金を批判するコメントを書きこんだ。その後3月22日に逮捕された。

2人は、検察に尋問された後、刑務所に2カ月近く収監されていた。保釈になったが、起訴は取り下げられず、没収された旅券や身分証明書は、いまだ返却されていない。そのために自由な移動もできないし、6月22日の大統領選挙も投票できない。再び収監されるおそれがないとも言えない。

「悪意ある非難」の罪に問われていたブロガーのシェイク・ジドーさんとアブデラマネ・ウェダディさんが7月29日、無罪を言い渡された。旅券と身分証明書も返却された。

2人は3月22日、経済犯罪を取り締まる警察に理由も告げられず逮捕された。逮捕の直前、フェイスブックに役人の汚職についてのコメントを書き込んでいた。複数の役人が私腹を肥やし、その資産を海外に隠しているという報道記事を受けたものだった。

3月27日に検察へ連行され、尋問を受けた。その後、留置所に入れられ、2カ月後の6月3日、保釈された。

「当初から私たちのために運動していただいたアムネスティの人たちに心から感謝します。これからもあきらめることなく、人権、とりわけ表現の自由を守るため、闘い続けることを約束します」と、シェイク・ジドーさんはアムネスティに語った。

2人の UAは、これで終了します。釈放に向けて手紙を書いていただいた方々に深く感謝いたします。ありがとうございました。