- 最新情報:
- 2019年12月12日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2019年6月16日
- 国名:
- スリランカ
- 対象者:
- パキスタン難民6人(男女)
- 期限:
- 2020年1月12日
- 配信日:
- 2019年6月16日
- UA No:
- 080/2019
パキスタン人でカトリック教徒のジョンさん家族5人が、在留期間を過ぎて不法滞在したとして逮捕された。一家は、身に危険を感じたためパキスタンから逃れてスリランカで保護を求めていた。彼らは劣悪な施設に拘束されており、すぐにでも強制送還される可能性もある。宗教的少数者に対する嫌悪感が強いパキスタンへの送還は、大変危険だ。
4月21日にあった教会などでの襲撃事件の後、家族は暴徒化した市民に強制的に住んでいた街を追われた。その後、劣悪な施設に収容され、収容所の方針で子どもたちは、母親から引き離されてきた。
4月21日の連続爆破事件では、ニゴンボの聖セバスチャン教会が標的になり、250人以上が犠牲になった。難民らの話によると、この事件で、平穏な暮らしが崩壊した。4月21日以降、武器を持った若者らが、イスラム教の国からの難民らを探して立ち退かせた。その結果、多くの難民らは、暴徒に自宅を追われ、仮設住宅に収容されたが、いつ襲撃を受けるかもしれず、外出はできなくなった。彼らにとって、スリランカにはもはや安全な場所はなくなった。
パキスタンでは、マイノリティを守る措置が整っていない。特にイスラム教を侮辱すると死刑になる冒涜法に問題がある。この法律は、適用範囲が広すぎ、侮辱の定義があいまいだ。宗教的少数者への攻撃や個人の復讐に利用されやすく、自警団による襲撃の大義にもなる。証拠がなくても有罪になるし、容疑を否定するのは容易ではない。容疑者の裁きを求める市民は、警察、証人、検事、弁護士あるいは判事に圧力をかける。
アシア・ビビさんの裁判は、その一例だ。キリスト教徒のビビさんは、でっちあげの冒涜罪に問われ8年間、死刑囚監房に置かれた。2010年11月にアシア・ビビさんに死刑が宣告された後、2人の政治家がこれを問題視し、当時のザルダリ大統領に恩赦を求めた。しかし、その政治家の1人、当時パンジャブ州知事だったタシールさんは、自分のボディガードに殺された。暗殺の2カ月後には、唯一のキリスト教徒の閣僚だったシャバス・バッティさんが、射殺された。キリスト教徒を擁護することがいかに危険であるかがわかる。
しかし、ビビさんの場合には、裁判所に正義があった。ビビさんの再審請求が認められてから3年後の2018年10月、最高裁は、証拠不十分を理由にすべての罪状を破棄した。しかし、この判決後、主要都市で激しい抗議の声が上がり、ビビさんは出国禁止となり、最高裁は、彼女の無罪判決を覆そうとする見直し請求の審問を開くことになった。彼女がようやく出国できたのは、無罪判決から6か月後であった。
- 最新情報:
- 2019年12月12日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2019年6月16日
- 国名:
- スリランカ
- 対象者:
- パキスタン難民6人(男女)
- 期限:
- 2020年1月12日
- 配信日:
- 2019年12月12日
- UA No:
- 080/2019
身の危険があったパキスタンからスリランカに逃れていたジョンさん一家が、9月に帰国していたことがわかった。
カトリック信者のジョンさん家族は、2013年に迫害を受けていたパキスタンからスリランカに逃れ、カトリックが多く住む町に住んでいた。しかし、4月にその地域の教会が襲撃され、多数のカトリック住民が町から追い出される事態になった。その後、ビザの期限が切れていたため拘束され、劣悪な収容施設に入れられた。5月末、アムネスティは、一家の強制送還が近づいているという情報を得た。その後、強制送還はなくなったが、安全な代替住居は提供されず、以前いた町には戻ることができない中、一家は、パキスタンへの帰国を余儀なくされた。
このUAは、今回で終了します。要請文を送付してくださったみなさま、ありがとうございました。