最新情報:
2021年4月22日 (stop情報)
更新履歴:
2019年12月12日 (更新情報)
2019年11月11日
国名:
パキスタン
対象者:
ムハンマド・イスマイル(男性)
期限:
2021年5月22日
配信日:
2021年4月22日
UA No:
148/2019

事実無根のヘイトスピーチとサイバーテロ容疑で勾留されていた人権擁護活動家のムハンマド・イスマイルさん(66才)が4月12日、保釈された。ペシャワール高等裁判所が判断した。

イスマイルさんは2019年7月、調査活動の資金を海外から受け、社会活動に名を借りたテロ組織の支援をしていた疑いがあるとして起訴された。その後、SNSでヘイトスピーチと国家機関の虚偽情報を流したとして電子犯罪法違反にも問われた。いずれも根も葉もない容疑だった。審理は長期間停滞し、新型コロナウイルス感染が蔓延する刑務所での拘束が続いた。

イスマイルさんは重い心臓病を抱えており、勾留中に悪化していたが、保釈されて最悪の事態は逃れられたという。だが、告発は残ったままだ。2月24日、国の人権委員会は、公正な司法手続きが進められていないとして、イスマイルさんの起訴の根拠となった証拠に疑問を投げかけた。

近年パキスタンでは、オンラインを含む表現、集会、結社の自由が厳しく制限され、摘発されている。娘のグラライさんも知られた人権活動家で、妻も含めた家族全員が、当局から度重なる監視や嫌がらせ、脅迫を受けてきた。

そんな中で、今回のイスマイルさんの保釈は、UAを含めた国際社会からの働きかけが、功を奏した結果だと言える。娘のグラライさんは、「皆さんの支援がなければ、命を落としていたかも知れません」とアムネスティに感謝の気持ちを語った。

アムネスティは、イスマイルさんが置かれている状況を引き続き監視し、適宜対応していきますが、このUAは、これで終わります。要請文を送付してくださったみなさまに深く感謝いたします。ありがとうございました。

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