- 最新情報:
- 2020年6月20日
- 国名:
- 中国
- 対象者:
- 阿布都艾尼・卡德尔（男性）
- 期限:
- 2020年7月27日
- 配信日:
- 2020年6月20日
- UA No:
- 068/2020
ウイグル人の実業家、阿布都艾尼 卡德尔（Abuduaini Kadier）さんは、2017年に秘密裏に裁判にかけられ、７年の刑を宣告された。2016年に休暇を取り、数人のウイグル人を連れてエジプトを訪れたことが関連していると思われる。家族は、彼がどんな状況にあるのか、罪状が何なのかさえも知らされていない。家族や弁護人が面会することもかなわず、不安が募るばかりだ。
一昨年７月、エジプトにいた義理の息子も消息を断っていた。その直前、エジプト政府が、数百人のウイグル人を拘束し、中国政府に引き渡していたからだ。妻は、夫が「教育矯正施設」と呼ばれる施設に送られたものと考えている。
阿布都艾尼 卡德尔さんは2007年に電気自動車事業を起こした。2017年に刑を言い渡される前、3カ月間、教育矯正施設に入れられていた模様だ。この時も家族は、当局から何の通知を受けることもなく、人伝に拘束されていることを聞いた。
新疆ウイグル自治区は中国で最も多様な民族が住む地域だ。人口2,200万人の半数以上がテュルク系の回教徒で、約1,130万人のウイグル人、約160万人のカザフ人などだ。言語、文化、生活様式は、中国の内陸部の多数派である漢族とは大きく異なる。
2017年3月、新疆ウイグル自治区政府は「脱過激化条例」を施行した。この条例は、公共のラジオ・テレビ番組を貶めること、ブルカの着用、「普通でない」あごひげの蓄え、「過激分子」関連資料の所持などに「過激分子」のレッテルを貼り、禁止する。
ウイグル人、カザフ人、回教徒ら100万人もの人びとが、教育矯正施設に入れられていると思われる。施設の存在を否定していた中国政府は2018年8月、施設の存在を認めたが、あくまでも本人の希望で利用できる無料の職業訓練施設だと説明した。職業訓練の目的は、入所者に技術教育を与えて就業を支援し、社会に有益な市民になるようにすることだという。しかし、この説明は、暴行、食事の剥奪、独居監禁などに苦しめられたという元被収容者の体験談とは、著しく矛盾した。
アムネスティや国外の専門家や調査団などが、新疆ウイグル自治区への無制限な立ち入りを求めても、中国は一貫して拒否してきた。一方で、中国は批判をかわすため、入念にお膳立した、しかし厳重な監視下での視察プログラムへの案内に躍起である。
アクションしてください。
英語で当局への以下の要請事項を盛り込んだ下の要請文を封書または航空書簡（全世界90円）で、できるだけ早く送ってください。
- 法律に違反したことを示す明白な証拠がなければ、直ちに保釈し、国際法に準拠した公正な裁判を行う。
- 勾留中は、家族や私選弁護人との面会を認め、暴力を受けないことを保障する。
要請文
Director Wang Jiang
Prison Administration Bureau of Xinjiang Uyghur Autonomous Region
No 380, Huanghe lu,Urumqi
830000, Xinjiang Uyghur Autonomous Region
People’s Republic of China
Dear Director Wang:
I am writing to express my concern about Abuduaini Kadier (阿布都艾尼．卡德尔), a businessman in Kashgar, Xinjiang, who I just learned was secretly tried and sentenced to seven years in prison in July 2017. He is the father-in-law of Yiliyasijiang Reheman (依力亚斯江·热合曼), who went missing in July 2017 after the Egyptian government detained and handed over hundreds of Uyghurs to the Chinese government for repatriation.
Abuduaini Kadier is understood to be currently imprisoned in Yining Municipal Prison. However, his family members outside China have had no regular contact with him since he first went missing four years ago. It is believed that Abuduaini Kadier’s imprisonment is connected to his decision to go to Egypt on holiday in 2016 and his purchase of air tickets for other Uyghurs to accompany him.
With no information about the charges against Abuduaini Kadier or the conditions under which he has been held, and without access to his family and a lawyer of his choice, I am deeply concerned about his wellbeing.
I call on you to:
- Release Abuduaini Kadier unless there is sufficient, credible and admissible evidence that he committed an internationally recognized offence and is granted a fair trial in line with international standards;
- Pending his release, allow him regular access to his family and a lawyer of his choice, and ensure he is not subjected to torture and other ill-treatment.
Yours sincerely,
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