- 最新情報:
- 2020年12月25日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2020年11月30日
- 国名:
- エジプト
- 対象者:
- NGO幹部3人(全員男性)
- 期限:
- 2021年1月25日
- 配信日:
- 2020年11月30日
- UA No:
- 166/2020
11月15日から19日にかけて、エジプトで有力な人権NGO「個人の権利のためのエジプト・イニシアチブ(EIPR)」の幹部職員3人が、治安当局に逮捕された。3人は、事務局長のガサール・アブデル・レゼックさん、 ムハンマド・バシャールさん、カリム・エナラさん。3人は、テロ行為などの何の根拠もない嫌疑で取り調べを受けているが、これはもっぱら同団体への報復とみられる。
エジプト当局は、これまでも何年にもわたりEIPRをはじめとする市民団体を弾圧してきた。2011年、外国からの資金を受けた容疑で国際NGOの職員らに対する強制捜査と起訴が行われたが、その時以来、当局への攻撃が相次いできた。2013年には43人の外国人とエジプト人職員が、非合法活動や無許可の外国資金の受領で有罪となり実刑判決を受けた。2018年のカイロ刑事裁判所での再審では、被告全員が無罪とされたが、市民団体への犯罪捜査は続いている。締め付けの一環として、EIPRの創設者は、出国を禁止され、資産を凍結されてきた。他に少なくとも30人の人権活動家が、出国禁止処分を受け、9人が財産を凍結された。
EIPRは2002年に創設され、調査、報告、法的支援、戦略的係争、権利擁護などの活動を行ってきた。その活動には、宗教マイノリティの権利状況の調査・報告、対立する党派間の暴力の記録、告発のおそれがあるLGBTグループの代理人の引き受け、精神保健法の導入の推進などがある。
団体への圧力が強まったのは、昨年11月に団体が西側13カ国の外交官を事務所に招き、エジプトの人権状況の説明会をおこなった時からだった。会議から数日後、外交官らとEIPRはソーシャルメディアに会議の写真を投稿した。2月には、一人の職員が逮捕・拘束された。
現在、幹部3人も拘束されているが、事務局長のレゼックさんだけは、別の刑務所のマットレスもない硬い床の独房に入れられている。持ち物はすべて没収され、与えられた服は薄く寒さを凌ぐには貧弱な上、運動時間を含め房から一歩も外に出られない。さらに頭を丸坊主に剃られたのは、勾留中の被告人へのとんでもない扱いであり、今後の当局の差別的、懲罰的な対応が、大変心配される。
- 最新情報:
- 2020年12月25日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2020年11月30日
- 国名:
- エジプト
- 対象者:
- NGO幹部3人(全員男性)
- 期限:
- 2021年1月25日
- 配信日:
- 2020年12月25日
- UA No:
- 166/2020
人権NGO「個人の権利のためのエジプト・イニシアチブ(EIPR)」の幹部職員、ガサール・アブデル・レゼックさん、 カリム・エナラさん、ムハンマド・バシャールさんが12月3日、釈放された。
幹部3人は11月半ばに逮捕され、法的根拠もなく刑務所に勾留されていた。11月初旬、西側の外交官らを事務所に招き、エジプトの人権状況について説明する機会を設けたことへの報復と思われる。勾留中、3人は、事実無根のテロ行為などの容疑で取調べを受けた。
アムネスティは、エジプト内外の活動家、NGO、ジャーナリスト、著名人、政治家、学者らにも呼び掛け、3人の釈放を訴える運動を精力的に行った。この呼びかけに世界が動き、欧州、北米諸国、国連などの国際機関が、逮捕を激しく非難し、釈放を求めた。今回の釈放は、これらの運動の結果と言える。
ただ、人権団体への脅威が終ったわけでもない。エジプトの人権活動家は今なお、国外への移動が禁止され、資産を凍結されている。今回の3人も釈放後、裁判所のまったく不公正な審理で個人資産を凍結された。また、人権活動家は、外国資金法違反の罪で投獄されるおそれもある。今も多数の人権活動家が、表現の自由の権利を行使して勾留されている。
このUAに関するアクションは、これで終わります。要請文を送付してくださったみなさまに深く感謝いたします。ありがとうございました。
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