- 最新情報:
- 2021年7月15日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2021年4月19日 (更新情報)
- 2021年3月22日
- 国名:
- パキスタン
- 対象者:
- カウサル(女性)とエマニュエル(男性)
- 期限:
- 2021年7月30日
- 配信日:
- 2021年3月22日
- UA No:
- 007/2021
パキスタンのシャグファタ・カウサルさんとシャフクワット・エマニュエルさんが、イスラム教の聖職者に神を冒涜するような文書を送ったとして、死刑判決を受けた。当局は、スマートフォンのSIM登録から追跡したという。2人は、メール送信を一貫して否認していたが、2013年に収監され、2014年4月に死刑判決を受けた。判決から6年後の昨年4月になっても、開かれるはずだった控訴審が、コロナ禍で延期された。今年になって開かれた審理でも、先送りされた。
2人の控訴審は不当に延期されている。2月15日と24日の審理では、判事は、最終判決のための法廷への召喚をしておきながら退席した。冒涜法に絡んだ裁判では、審理の延期が常態化している。裁判所は、被告人が主張を否定するのを避けるために、いたずらに審理を延期しているふしがあるからだ。一方、自らの保身のために、被告に有罪判決を言い渡さざるを得ない状況にある。
パキスタンの冒涜法は、きわめてあいまいなのに、非常に重い刑罰を科す。「合理的な疑いを超えた証明の基準」を満たさない証拠を理由に、被告人が死刑判決を受けてしまう。冒涜法は、パキスタンの人権義務を蔑ろにする。その結果、脅迫殺害なども起きている。
2人は、そもそも拘束される理由がないにもかかわらず、8年も勾留されてきた。裁判所は、速やかに無罪を言い渡し、2人の拘束を解く必要がある。パキスタンの冒涜法が、国民の生命を守る人権尊重の義務を果たしていないことも問題だ。
- 最新情報:
- 2021年7月15日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2021年4月19日 (更新情報)
- 2021年3月22日
- 国名:
- パキスタン
- 対象者:
- エマニュエル(男)とカウサル(女)
- 期限:
- 2021年7月30日
- 配信日:
- 2021年4月19日
- UA No:
- 007/2021
冒涜罪で妻のシャグファタ・カウサルさんとともに死刑を宣告されたシャフクワット・エマニュエルさんの健康状態が、急激に悪化している。下半身が麻痺しているが、刑務官が手を貸さないため、立ち上がって動くこともできない。弁護人によると、多数の床ずれの治療も受けられず、日々痛みが増しているという。家族の話では、3月に3日間昏睡状態に陥ったが、病院にも行けなかった。夫妻はクリスチャンで、イスラム教の聖職者を冒涜する文書を送ったとして、死刑判決を受けている。2人は、一貫して容疑を否認している。2013年から拘禁されており、2014年4月に死刑判決を受けた。
2人にとって、死刑判決どころか収監されること自体、不当以外の何物でもない。エマニュエルさんの症状はますます悪化しており、至急治療を受けなければならない。また、即時で2人を釈放すべきだ。
エマニュエルさんが置かれている状況からも、冒涜法の是正が急がれる。パキスタンの冒涜法は人権法や人権基準を満たしていない。人権の侵害を最小限にする基本的保護措置を欠き、この国の宗教的少数者が直面する問題として際立っている。国際基準に反する法律と不当な収監は、エマニュエルさんたちだけの問題ではない。パキスタン社会の不穏な圧力を作り出している。
パキスタンの冒涜法は、よく指摘されるとおり、非常にあいまいな上、重い刑を科す。被告人は、「合理的疑いの余地がない」という証拠基準に満たない「証拠」をもとに死刑判決を受ける。冒涜法は、パキスタンの人権尊重の義務を侵害し、他の悪弊にも結びついている。判事でさえも、自らが冒涜容疑の次の標的にならないかと怯え、死刑判決を下すよう圧力を受け脅迫される。
この法律に基づき容疑がかけられると、警察は令状なしの逮捕が可能になり、裁判所の許可なく捜査を開始できる。怒り狂った群衆や宗教指導者、その支持者らの圧力に屈し、警察は証拠調べも不十分なまま、検察に事件を送致する。一度、被疑者になると保釈されることもなく、長期に渡って不当な裁判を受けることになる。また、冒涜法を批判すれば、多くが暴力の予告を受ける。個人やグループが同法の執行人かのように同法批判者らを脅迫し、殺害に走る。その対象には、被告人の弁護士や家族、同じ地域の住民も含まれる。
- 最新情報:
- 2021年7月15日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2021年4月19日 (更新情報)
- 2021年3月22日
- 国名:
- パキスタン
- 対象者:
- エマニュエル(男)とカウサル(女)
- 期限:
- 2021年7月30日
- 配信日:
- 2021年7月15日
- UA No:
- 007/2021
2014年に冒涜罪で死刑を言い渡されていたシャフクワット・エマニュエルさんと妻のシャグファタ・カウサルさんが6月3日、死刑判決を取り消されて無罪を言い渡され、釈放された。7年間の獄中での過酷な日々がようやく終わった。そもそも、何ら罪を犯していない2人が、死刑判決を受けたこと自体、大きな問題だった。当局は、今後、当人やその家族、弁護士の身の安全を保障しなければならない。
クリスチャンの2人は、2013年イスラム教の聖職者を冒涜する文書をネット上で送ったとして、逮捕された。夫の身分証明書が何者かに悪用された疑いがあるとして、一貫して容疑を否認したが、2014年、死刑判決を受けた。裁判所が2人の不服申し立ての審理の実施を決めたのは、死刑宣告から6年も経った昨年のことだった。だが、新型コロナ感染などを理由に審理は延期され、審理が開かれたのはこの6月だった。その審理で、2人の容疑は取り消され、即時釈放の判断が下された。
この不当な死刑判決と7年後の無罪は、厳格で恣意的に適用される冒涜法がいかに問題を孕んでいるかもあらためて示している。
このUAに関するアクションは、これで終わります。要請文を送付してくださったみなさまに深く感謝いたします。ありがとうございました。
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