最新情報:
2024年3月22日 (stop情報)
更新履歴:
2022年1月 4日 (更新情報)
2021年7月 6日
国名:
中国
対象者:
リンチェン・ツルトゥリム(仁青持真)(男性)
期限:
2022年2月28日
配信日:
2024年3月22日
UA No:
072/2021

四川省の刑務所に収監されていたチベット僧リンチェン・ツルトゥリムさんが、2月1日に釈放された。リンチェン・ツルトゥリムさんはSNSの微信(ウィーチャット)に政治的意見を書き込み、「分離独立を扇動した」として、騒乱挑発罪で4年6カ月の実刑判決を受けて収監されていた。釈放された今も厳しい監視下に置かれ、移動も制限され、近況がわからない状況が続いている。

Tibetan monk Rinchen Tsultrim四川省アバ・チベット族自治州の僧侶リンチェン・ツルトゥリムさんは、2008年にチベット人による騒乱が相次いだ際、SNSや『チベット懐疑論』と称する個人的ウェブサイトで騒乱に対する自身の見解を発信し始めた。2018年、地元の公安局からネットでの当局批判をやめるよう警告を受け、厳重な監視下に置かれた上、ウェブサイトは閉鎖された。

リンチェン・ツルトゥリムさんは2019年8月に逮捕され、翌年3月には、「分離主義を扇動した」疑いがあることが家族に知らされた。リンチェン・ツルトゥリムさんは密室での裁判を受け、2020年11月、分離独立の扇動罪で禁錮4年6カ月と3年間の政治的権利剥奪を言い渡された。家族が収監されている刑務所名を知らされたのは4カ月後のことで、それ以上の詳細は明らかにされなかった。裁判の全容や罪状、刑務所情報の詳細が明らかになったのは、2021年8月に当局が国連の人権専門家からの照会に応じた時であった。

チベット族居住地域と新疆ウイグル自治区では、少数民族に対する制限と弾圧が、反分離主義、反過激主義、対テロリズムの名目で行われてきた。特にジャーナリスト、学者、人権団体のチベット人居住地域への出入りは厳しく制限され、同地域の人権状況の調査が極めて難しい状況は今も続いている。

2021年2月1日から施行された規則では、宗教団体には、中国共産党の指導への従属、社会主義価値観の実践などが定められてきた。政府は宗教の教えと実践を国家イデオロギーに従うように命じ、宗教団体の管理を強化してきた。特に中国北西部では、何千もの文化的・宗教的遺跡が破壊されたとの報告がある。新疆ウイグル自治区とチベットでは、宗教への弾圧が依然として続き、通常の宗教的行為で拘束される人たちもいる。

アムネスティは引き続きチベットの人権状況を注視し、リンチェン・ツルトゥリムさんのような意見を書き込んだだけで起訴されることがないよう、また釈放後、監視や移動制限がないよう、中国政府への働きかけを続けていく。

UAに参加していただいたすべての皆さんに感謝いたします。ありがとうございました。

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