- 最新情報:
- 2021年7月30日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2021年7月20日
- 国名:
- ベネズエラ
- 対象者:
- バネッサ・ロザレス(女性)
- 期限:
- 2021年9月30日
- 配信日:
- 2021年7月20日
- UA No:
- 080/2021
ベネズエラ・メリダ州で教壇に立つバネッサ・ロザレスさんは、女性と少女の権利擁護活動家でもある。昨年10月、令状なしに自宅に乗り込んできた捜査官に逮捕された。強かんによる妊娠で命の危険に直面していた少女(13歳)の妊娠中絶を手助けたことで、罪に問われている。今年1月以来、自宅に軟禁されており、予審が7月21日に始まる。検察当局は、バネッサさんに対する起訴を取り下げ、ただちに釈放すべきだ。
昨年10月、バネッサさんは教え子の少女(13歳)とその母親から助けを求められた。少女は、近所の男に強かんされ、妊娠してしまったという。母親は、娘を診察した医師から、妊娠は娘の命に関わるおそれがあるという警告を受けた。
少女が住む貧困地区では、病院の施設も貧弱だ。医師には、年齢から少女の妊娠には危険が伴うと指摘された。地域の社会的・経済的背景が、その危険性をさらに高めている。バネッサさんが逮捕され自由を奪われている一方で、少女を強かんした加害者は逃亡中だ。
この問題に関する当局の対応は当初から不当で、当局は、少女が中絶後の検査を受けている病院に行き、強かんを受けたという報告を受けたが、その時点では捜査に入らなかった。しかし、一方で、弁護人の立ち会いなしに少女から事情を聴取し、中絶を手助けした人物を割り出した。この違法な聴取による証言が、その後のバネッサさんの逮捕の根拠となった。
バネッサさんが罪に問われている事態は、被害者を支援し、その権利のために闘っている女性たちが、国家によって犯罪者にされているということだ。この事態は、国家が女性に対する暴力、特に性暴力をなくし、被害少女・女性が、速やかに適切な医療を受けられるようにするという義務を果たしていないことを示している。
ベネズエラでは、性と生殖に関する権利が厳しく制限され、その法律は中南米でも特に厳しい。妊娠中絶は、妊婦の生命に危険がある場合を除いて犯罪とされる。性と生殖に関わる権利を擁護する団体や、ベネズエラ医師連合などの度重なる要求にも関わらず、妊娠中絶を規制する厳格な法律は改正されず、国際人権法や国際基準に沿わない状況が続いている。
- 最新情報:
- 2021年7月30日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2021年7月20日
- 国名:
- ベネズエラ
- 対象者:
- バネッサ・ロザレス(女性)
- 期限:
- 2021年9月30日
- 配信日:
- 2021年7月30日
- UA No:
- 080/2021
ベネズエラで不当に拘束されていた教師で人権活動家のバネッサ・ロザレスさんが、釈放された。バネッサさんは、強かんで妊娠し命に関わる事態に陥っていた少女(13歳)が中絶手術を受けられるようにしたことで罪に問われ、自宅軟禁を含め9カ月間、自由を奪われてきた。7月21日の予備審理で、裁判所は検察側の公訴を棄却し、バネッサさんに対する訴訟を終わらせた。
昨年、バネッサさんの教え子だった少女(13歳)が、強かんされて妊娠する悲劇に見舞われた。昨年10月、医者から命に関わるおそれがあると告げられた母親から助けを求められ、中絶を指南した。その後、バネッサさんは、中絶への誘導や結託などの容疑で逮捕・起訴され、1月からは自宅軟禁に置かれ、予備審理を待っていた。
バネッサさんが逮捕されて以来、国内外のNGOは、精力的にバネッサさんの無罪釈放を求めてきた。アムネスティが、バネッサさんのUAを開始してから1週間後、予備審理が開かれ、バネッサさんは無罪を言い渡され、晴れて自由の身になった。
ベネズエラでは、人権活動家が当局から脅迫を受け、社会的汚名を着せられ、訴追されるなどが日常的に続いている。
このUAはこれで終了します。ご支援いただいたみなさん、ありがとうございました。
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