- 最新情報:
- 2022年3月20日
- 国名:
- アルゼンチン
- 対象者:
- ミランダ・ルイス（女性）
- 期限:
- 2022年4月30日
- 配信日:
- 2022年3月20日
- UA No:
- 018/2022
2020年12月、アルゼンチン政府は、ようやく人工中絶を合法化した。しかし、同国北西部サルタ州タルタガル市の産婦人科医ミランダ・ルイスさんは、法に従って行動したにもかかわらず、同意なく中絶をしたといういわれのない容疑で捜査を受けている。不当な捜査により、医師が人工中絶をためらうことになりかねない。検察は、ルイス医師に対する捜査を直ちにやめるべきだ。法律に則った中絶は犯罪ではない。
フアン・ドミンゴ・ペロン病院に勤めるルイス医師は、医師不足の地域の人びとの力になりたいという思いでこの病院での勤務を選んだ。病院では、避妊、家族計画、中絶などを必要とする人びとの生殖医療の相談を受けている。
ルイス医師は、合法的中絶を希望する成人に必要な対応を取ってきた。昨年9月、ルイス医師が病院にいないとき、合法的な自己投与薬の使用で流産する事態が起こった。その時の病院の診療記録では、ルイス医師は病院の特別チームの支援を受け、病院幹部の承認も得た上で、合法的に行動していた。ルイス医師が処方した自己投与薬は本人の依頼にもとづくものであり、勤務病院の特別チームも、患者が合法的に中絶ができることを確認している。
ルイス医師は、患者の希望に基づいて合法的に行動していたにもかかわらず、同意なしに中絶を行った容疑で捜査を受け、自由を奪われ、現在も強権的な圧力にさらされている。
ルイス医師を犯罪者にすることは医者への不当な圧力であり、社会や医療関係者に恐怖感を与え、安全な人工妊娠中絶が保障されなくなるおそれがある。一昨年12月の法改正で、本人が人工妊娠中絶を希望すれば妊娠14週目まで、命に関わる場合や性暴力による妊娠の場合は何週目かを問わず、中絶ができるようになった。
検察は、合法的な中絶を起訴してはならず、同時に公務員と司法関係者に対し、医療従事者は職務を適切に遂行して起訴されることはないという明確なメッセージを送るべきだ。また、医療従事者は、最善の医療行為と職業倫理上の責任と国が守るべき国際人権規約に従って、患者に最善の選択肢を提供するという姿勢が求められるということも、検察は説明すべきだ。検察は、客観的に捜査し、犯罪の根拠がない場合、すべての嫌疑を取り下げるのが、憲法上、法律上の義務だ。
アルゼンチンでは、国の機関は法律に基づく中絶を保障する義務がある。2012年に最高裁が判例で示したように、国は、迅速で安全で合法的中絶が求められる医療と施設の提供を保障しなければならないとし、各州の司法当局に対し、合法的な人工妊娠中絶を取り締まりの対象としないよう要請した。
アクションしてください。
サルタ州検事宛に以下の要請を盛り込んだ英語の要請文を郵便またはメールでできるだけ早くお送りください。
- 検察は、合法的な中絶を起訴してはならず、同時に公務員と司法関係者に対し、医療従事者は職務を適切に遂行して起訴されることはないという明確なメッセージを送るべきだ。また、医療従事者は、最善の医療行為と職業倫理上の責任と国が守るべき国際人権規約に従って、患者に最善の選択肢を提供するという姿勢が求められるということも、検察は説明すべきだ。
要請例文
Criminal Prosecutor Gonzalo Ariel Vega,
Distrito Judicial de Tartagal, Salta, Argentina
Email: alcortafigueroa@gmail.com
mcperez@mpublico.gov.ar
Dear Dr. Gonzalo Ariel Vega
Dr. Miranda Ruiz is being unfairly investigated for the crime of causing an abortion without consent, even though she acted in accordance with the current legal framework regarding access to abortion. The criminal procedures against Miranda Ruiz should not continue as she did not commit any crime but provided health care attention under the law.
The procedure was requested autonomously by an adult patient. An interdisciplinary team at the Hospital verified that the patient was allowed to access a legal abortion. Dr. Ruiz prescribed a self-administered medication, which caused the interruption of the pregnancy while the doctor was not at the Hospital.
The prosecution should refrain from judicializing access to legal abortions and send a clear message to public officials and the justice system that health service providers shall not be prosecuted for doing their job properly and provide the best care options for their patients, in line with best medical practices and their professional ethical responsibilities, and in accordance with the international human rights commitments assumed by the Argentine state.
Criminalizing Dr. Ruiz amounts to harassment and instils fear in the population and in health professionals, which has a direct negative impact on t guaranteeing of access to abortion in Argentina.
Best regards,
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