最新情報:
2022年8月 2日 (stop情報)
更新履歴:
2022年6月28日
国名:
米国
対象者:
ラミロ・ゴンザレス(男性)
期限:
2022年9月 2日
配信日:
2022年8月 2日
UA No:
057/2022

テキサス州刑事控訴裁判所は7月11日、ラミロ・ゴンザレスさん(39歳)の死刑執行を停止する命令を出した。執行予定日の2日前のことだった。幼少期に育児放棄と虐待を受けていたゴンザレスさんは、18歳の時に殺人を犯し、5年後に死刑判決を受けた。テキサス州での死刑判決の前提条件である「今後事件を起こす危険性」について、「検察側の専門家は裁判で間違った証言をしていた」との主張を刑事控訴裁判所が認め、本件を地裁に差し戻した。

ゴンザレスさんの弁護団は6月30日、テキサス州刑事控訴裁判所に「2006年の量刑判断時に、検察側は専門家の間違った証言を提出していた」などとする嘆願書を提出した。 検察側は、ゴンザレスさんが刑務所で暴力行為におよぶおそれがあるとする精神科医の証言を提出していたが、この種の証言は、これまでも極めて信頼できないとする見方が多かった。

その精神科医は、最近、ゴンザレスさんを再鑑定し、今度は「被告には人格面で反社会的なところはない。将来的にも他人に危険を及ぼすおそれはない」とする報告書を提出した。その中で「被告が犯罪を犯したのは、18歳の時だった。その後の年月で著しく成熟した被告は精神的にも異なる人物になっている。死刑囚監房での15年間、懲戒されるような暴力沙汰もなかった。現時点での精神状態を考慮すると、被告は将来、社会に危害を及ぼすおそれはない」と明記した。

この報告書などにもかかわらず、7月11日のテキサス州仮釈放委員会は、恩赦を否定した。しかし、その1時間後に、刑事控訴裁判所は、死刑執行の停止命令を出し、「将来の危険性についての判断は法廷でなされるものであり、人身保護審査での再評価は適切ではない」と表明した。

米国での死刑執行は、今年、アラバマ(1)、アリゾナ(2)、ミズーリ(1)、オクラホマ(2)、テキサス(1)の7件あった。テキサス州での執行数は、1976年以後に米国で執行された1547件のうち574件を占める。

アムネスティは、すべての死刑執行に例外なく無条件で反対する。

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