最新情報:
2023年3月24日 (stop情報)
更新履歴:
2023年2月11日
国名:
チリ
対象者:
モイセス・オルデネス(男性)
期限:
2023年4月24日
配信日:
2023年3月24日
UA No:
004/2023

抗議活動中のモイセス・オルデネスさん(55歳)への暴行に関わった治安部隊員に対する再捜査を問う裁判で、裁判所は2月24日、治安部隊員7人の捜査の再開を命じた。オルデネスさんが受けた襲撃は、これまで捜査の対象外とされてきた。捜査は少なくとも90日間続けられることになる。

2019年10月中旬、数百万人もの市民がチリ全土を埋め尽くし、年金や健康保険をはじめとする社会保障の公正化と経済的権利を求めた。セバスチャン・ピニェラ大統領は緊急事態宣言を発令し、治安部隊を動員し抗議デモの鎮圧を図った。

アムネスティはチリに危機管理チームを派遣し、人権侵害や国際法違反となる治安部隊の行動を調査した。1年間におよぶ調査の結果、アムネスティは10月18日から11月30日の間に行われた当局による12件の殺害、拷問、傷害を記録した。

2019年10月の抗議デモで、オルデネスさんはスプーンでフライパンを叩きながら、デモの様子を携帯電話で撮影していた。なんの挑発もしていないにもかかわらず、オルデネスさんは突然、警官から激しい暴行を加えられた。胸ぐらを捕まれ、警棒で何度も殴られた。地面に倒れても暴力は収まらず、立ち上がったときには顔は血まみれだった。オルデネスさんはその直後、拘束された。一連の暴行の様子は、テレビで中継された。

オルデネスさんはエルサルバドル病院の救急治療室へ搬送され、そこで9日間の入院を余儀なくされた。その上、暴行を受けた左目は視力を失った。検察はこの暴行に関わった13人を特定した。うち5人を積極的に関与したとして、また残る8人を暴行を止めなかったとして起訴した。

昨年12月1日、検察官は起訴された13人のうちの7人に対し、捜査の継続を発表した。しかし、オルデネスさんの家族や弁護団の訴状に対して回答しないまま、12月5日には組織犯罪担当の副検察官が7人に対する捜査の打ち切りを発表した。

オルデネスさんのUA に参加していただいたすべての皆さんに感謝いたします。ありがとうございました。

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