最新情報:
2023年7月19日
国名:
中国
対象者:
カミレ・ワイット(女性)
期限:
2023年8月30日
配信日:
2023年7月19日
UA No:
33/2023

ウイグル人女子大学生カミレ・ワイットさん(19歳)が3月25日、過激思想を宣伝したとして有罪判決を受けた。昨年11月、「A4白紙抗議」の様子を撮った動画をソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」に投稿したことがきっかけだった。「A4白紙」は、ゼロコロナ政策への抗議の際、何を書いても削除されるとして白い紙を掲げて抗議するようになったことに由来する。中国外務省の報道官は、エコノミスト誌の取材にワイットさんが有罪判決を言い渡されたことを認めたが、刑期については触れなかった。ワイットさんをよく知る人物によると、ワイットさんはうつ病に苦しんでいる、また、この夏には目の手術を受ける予定だという。当局は、表現の自由の権利を行使したにすぎないワイットさんを直ちに釈放すべきだ。また、拘禁中はワイットさんに、持病の治療や家族や弁護人との面会を認め、また、拷問や虐待を受けないようにしなければならない。

Kamile Wayitワイットさんは、新疆ウイグル自治区のクズルス・キルギス自治州の州都アルトゥシュ市出身で、河南省商丘工学院で幼児教育を専攻している。14歳だった2017年から2019年にかけて、父親が「再教育」施設に収容されていたため、ウルムチでの独り暮らしをしいられた。兄弟によるとワイットさんは、しっかり者で思慮深いという。

6月初旬、外務省報道官室はエコノミスト誌に、ワイットさんは今年3月に過激思想を宣伝したとして有罪判決を受け、現在服役中だと説明した。ワイットさんの拘禁場所や刑期については触れなかった。過激思想の宣伝の最長刑期は5年である。

昨年11月、ウルムチで起きた火災の犠牲者を追悼するデモが中国全土に広がった。ワイットさんはデモの様子を撮った動画を微信に投稿したが、投稿直後、警察からの警告を受け、投稿を削除した。この投稿が有罪判決に関係した可能性がある。また、同じ時期、ウイグル問題について発言する国外在住の兄弟とやりとりをしていたことも有罪につながったおそれがある。

「A4白紙抗議」

昨年11月24日、ウルムチのアパートで火災が発生し、10数人が亡くなった。多くの人が新型コロナ禍での制限措置のせいだと批判したが、地元当局はこの批判に激しく反発した。それでも抗議はウルムチ市内に広がった。翌朝、政府は、新型コロナの感染拡大は抑えられており、100日以上に渡った移動制限を市当局が緩和するだろうと表明した。

同じ25日、北京、広東省、上海、武漢など中国全土の都市や大学で抗議デモが発生し、デモの様子を撮った動画が微信に投稿された。平和的なデモ参加者は、火事の犠牲者を悼みコロナ制限の緩和を求めた。また多くは検閲の停止を求め、一部は習主席の退陣を要求した。デモに参加した多くが拘束されたが、その後何人が釈放されたのかはわからない。

新疆ウイグル自治区

中国政府は、新疆ウイグル自治区での人権侵害を隠ぺいし、国外にいるウイグル人が国内の人権侵害に声を上げるのを阻止するために手段を選ばない。新疆ウイグル自治区に住むウイグル人、カザフ人などのテュルク系イスラム教徒は、国外で生活したり学んだりしただけで、あるいは国外の中国人と連絡を取っただけで拘束されてきた。アムネスティは調査でこの事例を数多く記録してきた。

昨年8月、人権高等弁務官事務所は、アムネスティなどによる調査結果を裏付ける報告書を発表した。報告書は、新疆ウイグル自治区のウイグル人やカザフ人などのイスラム教徒が、恣意的、差別的に拘禁されてきた実態を明らかにしている。これらの人権侵害は、国際法上の犯罪、特に人道に対する罪を構成する可能性がある。また報告書は、拷問や虐待、性暴力、ジェンダーに基づく暴力、強制労働、強制失踪などの人権侵害の申し立ても記録している。

アクションしてください。

当局に以下の要請を盛り込んだ英語の要請文を郵便でできるだけ早くお送りください。

  • 国際的に認知された犯罪を犯したことを示す十分な証拠がないのであれば、ワイットさんを直ちに釈放する。
  • ワイットさんの拘束場所を公表し、家族や弁護人の面会を認める。
  • 拘束中の医療を保障し、いかなる暴力や虐待も受けないようにする。

要請例文

Party Secretary of Xinjiang
Ma Xingrui
479 Zhongshan Lu, Tianshan Qu, Urumqi,
830041, Xinjiang Uyghur Autonomous Region,
People’s Republic of China

Dear Secretary Ma,

I am writing to express concern about the situation of Uyghur student Kamile Wayit (卡米莱.瓦依提), who was sentenced under the charge of “promoting extremism” on 25 March 2023. A spokesperson from the Chinese Ministry of Foreign Affairs confirmed the news of her conviction to the Economist Magazine in early June 2023. It is unclear how long Kamile was sentenced for and where she is being held.

Kamile Wayit is a 19-year-old first-year student at the Shangqiu Institute of Technology (商丘工学院) located in Henan(河南). She was taken away on 12 December 2022 by the police after returning home to Atush, Xinjiang for a holiday. It is believed that her detention may be related to a video that she posted on WeChat in November 2022 about the protests that took place across China to commemorate the victims of a fire in Urumqi. Kamile should be released immediately as she was only peacefully exercising her rights to freedom of expression.

I am further concerned about Kamile’s health condition. According to a source close to Kamile, she had been suffering from depression, and was scheduled to have an eye surgery in the summer of this year. With little information about her situation in general, I am deeply worried about her wellbeing and the risk of her being subjected to torture and other ill-treatment.

I therefore urge you to:

  • Immediately release Kamile Wayit, unless there is sufficient, credible and admissible evidence that she has committed an internationally recognisable criminal offence;
  • Pending her release, reveal her whereabouts, allow her regular access to her family and a lawyer of her choice;
  • Pending her release, ensure that Kamile Wayit has access to adequate medical care, and she is not subjected to torture and other ill-treatment;

Yours sincerely,

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