- 最新情報:
- 2023年4月28日
- 国名:
- チリ
- 対象者:
- ベネズエラ移民・難民（男女）
- 期限:
- 2023年6月30日
- 配信日:
- 2023年4月28日
- UA No:
- 041/2023
4月10日、チリ下院の治安委員会は、非正規の難民・移民を処罰する法案の審理を開始した。法案が通れば、非正規入国者と非正規滞在者が収監されるおそれがあり、庇護を求める権利が侵害されることになる。その結果、難民や移民が恣意的拘束などの人権侵害を受けるおそれが高くなる。委員会は法案の通過を認めてはならない。
非正規の入国者や滞在者に収監などの刑罰を科すことは、ジュネーブ条約31条に違反する。また、米州と国連の人権機関や専門家は、「非正規の入国や滞在で刑罰を科されるようなことはあってはならない」と繰り返し訴えてきた。非正規滞在者に刑罰を科すことは国際法上、不必要で不適切であり、恣意的拘束につながる可能性がある。今回の議論と今後の採決は、国内の外国人、特に庇護を必要とするベネズエラの人びとに対する批判が高まっている状況下で行われている。
非正規移民を処罰しようという動きは他にもある。
2月、入国者が急増する中、政府は北部国境に軍の配備を命じた。さらに昨年後半から、立法府と行政府は、庇護希望者や移民の権利を侵害するような法改正を進めている。
今年3月時点で724万人とされるベネズエラ人が人道危機や人権侵害を逃れるためにベネズエラを出国している。これは、南北アメリカ大陸だけでなく世界的にみても最も深刻な難民危機と言える。チリはラテンアメリカで、コロンビア、ペルー、エクアドルに次ぐ4番目の難民受け入れ国で、国内にはおよそ44万4400人のベネズエラ人がいるとみられる。これらのベネズエラ人は、カルタヘナ宣言で定められ、チリの法律が規定する難民とみなされるべきだ。
チリでは、庇護や移民希望者の受け入れを阻止したい当局が各種の法的処置を取ってきたため、ビザの取得が不可能になった。庇護を求める人たちなどにとって非正規入国する以外の選択肢がなくなっているが、多くが国境を越えることができずに送還されている。国際的な保護を必要とする人びとにとって、難民申請の手続きや移住を合法化する手続きを取ることが極めて困難な状況にある。非正規入国を自己申告させるという違法な慣行があるためだ。
2021年に移民局は、3867件の庇護申請を受け付けた。これらの申請のうち79％がベネズエラからだった。そして、全申請者のうち19人のみが受け入れられた。一方、認められなかった人は3082人にのぼる。アムネスティは今年3月、庇護を求める手続きの拒否は、庇護希望者が生命と権利を脅かす国に送還される危険を高めると警告した。
アクションしてください。
当局に以下の要請を盛り込んだ英語の要請文を郵便、ファックス、メール、ツイッターでできるだけ早くお送りください。
- この法案が議会で否決されよう最大限の対応を取る。
- 今後チリにおける難民・移民の権利を制限しようとする法案が同様に否決されるよう尽力する。
要請例文
Mr Vlado Mirosevic Verdugo
President of the Chamber of Deputies of Chile
Address: Avenida Pedro Montt s/n
Valparaíso, Chile
Tel: +56 32 2505942
E-mail: vlado.mirosevic@congreso.cl
Twitter: @vladomirosevic
Dear Mr Vlado Mirosevic,
I am deeply alarmed by the bill currently under consideration by the Chilean congress that seeks to criminalize refugees and migrants. This bill, contained in Bulletin No. 15261-25, goes against international refugee and human rights law and international standards, and should be rejected.
If the bill is passed, women, men and children arriving to Chile will be punished just for seeking protection or a better life.
Chilean authorities have already imposed obstacles to deny people protection in Chile. These include the imposition of entry visas impossible to access, denial of entry at the border, lack of information about the right to request international protection, as well as illegal practices that punish asylum seekers by requesting them to report themselves to the authorities for irregular entry into the country. These measures violate their right to seek asylum and make it virtually impossible to access a regular migratory status or international protection in the country.
The current bill constitutes a blatant effort to further limit the rights of refugees and migrants. Entering the country irregularly should never be a crime.
We call on you, as President of the Chamber of Deputies, to make your utmost effort to ensure this bill is rejected by the Chilean congress and that any future bills that seek to limit the rights of refugees and migrants in Chile are equally rejected.
Yours sincerely,
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