最新情報:
2023年7月 5日
国名:
キューバ
対象者:
ドナイダ・ペレス・パセイロさん(女性)とロレート・エルナンデス・ガルシアさん(男性)
期限:
2023年8月31日
配信日:
2023年7月 5日
UA No:
061/2023

数百人のキューバ人が、2021年7月11日の全土に渡る抗議デモに参加したことで投獄されている。キューバの司法制度は、行政府から独立しておらず、人々の公正な裁判を受ける権利を無視し、政治的な告発を機械的に有罪認定している。不正に有罪とされた人の中に、黒人活動家でヨルバ人宗教指導者のロレート・エルナンデス・ガルシアさん(男性)とドナイダ・ペレス・パセイロさん(女性)がいる。2人は単に政治的信条が原因で勾留されている「良心の囚人」であり、ただちに無条件で釈放されるべきだ。

2021年7月の抗議活動に参加したとして多数の市民が告発され、密室裁判で厳しい判決を受けた。黒人活動家で司祭のキューバ自由ヨルバ協会会長のパセイロさんと、その配偶者で同じく黒人活動家、司祭でキューバ自由ヨルバ協会副会長のガルシアさんも不当な容疑と裁判の末、収監された。キューバ在住ヨルバ人の宗教は、カトリックと西アフリカ起源の民間信仰が融合したものである。

ガルシアさんは、2021年7月15日に逮捕された。家族によると何度も独房に入れられているという。2022年2月、「治安混乱」と「侮辱罪」で7年の懲役刑を言い渡された。1日遅れて勾留されていたパセイロさんも、2022年2月に「治安混乱」と「侮辱罪」、さらに「公務執行妨害」で8年の実刑を言い渡された。

キューバでは、侮辱と治安混乱が言論と集会の自由を制限する目的で頻繁に適用されている。また、意見を異にする者を取り締まるために公務執行妨害や損害といった罪も適用される。パセイロさんの公務執行妨害容疑は、警察官による告発があったわけではなく、証拠が著しく欠けていた。

両名は他のデモ参加者14人とともに不公平な裁判にかけられた。判決では、抗議する人たちの反政府的言動が侮辱的かつ差別的な表現で繰り返し非難された。反政府活動での指導的役割で14人が刑事責任を問われることになったことが明らかだった。

裁判所が検察側の目撃証言をほぼ鵜呑みにするのはキューバでは日常茶飯事だ。被告や弁護側が用意した目撃者の証言はすべて退けられる。検察の主張と矛盾しているとの裁判所の一方的判断は、不当極まりない。7月11日の抗議者の裁判では、独立した人権監視団体やメディアの傍聴は認められなかった。アムネスティも傍聴の許可を求めたが、回答はなかった。

家族によるとガルシアさんは糖尿病や高血圧といった様ざまな疾患を抱えているが、刑務所では治療されていない。5月、ガルシアさんは適切な診断もなく入院させられたという。自由ヨルバ協会は、ガルシアさんが受けるべき治療を受けていないのではないかと懸念している。

アムネスティは、2人の勾留に至る状況やアムネスティに寄せられた情報に基づき、彼らが「良心の囚人」であると判断し、ただちに無条件で釈放することを求める。アムネスティは、「良心の囚人」とみなした者について即時かつ無条件の釈放を求めるが、その人物の見解や行動を必ずしも支持するものではない。

※ガルシアさんの弟がYouTubeで兄の釈放を訴えています。(設定で自動翻訳/日本語を選び、字幕のアイコンを押すと日本語字幕が表示されます)

アクションしてください。

当局に以下の要請を盛り込んだ英語の要請文をツイッターとフェイスブックでできるだけ早くお送りください。

  • 2人を即時無条件で釈放する。
  • 拘束されてから受けてきた暴力などの人権侵害に対して補償する。

要請例文

Mr. Miguel Díaz-Canel
President of Cuba
Twitter: @DiazCanelB
Facebook: @PresidenciaDeCuba

Dear President of Díaz-Canel,

I write to call for the immediate and unconditional release of Loreto Hernández García and Donaida Pérez Paseiro, both Black activists, and leaders of the Yoruba religion in Cuba, an African diaspora religion practised in Cuba.

According to a court document that Amnesty International reviewed, Loreto Hernández García and Donaida Pérez Paseiro were sentenced to 7 and 8 years in prison, respectively following their peaceful participation in demonstrations on 11 July 2021. They were wrongly convicted of “contempt” and “public disorder”, and in the case of Donaida, “assaulting” a state official.

The activists and religious leaders were imprisoned following an unfair trial, lacking in evidence, and sentenced in a judgement which repeatedly refers to the protester’s political opposition to the government, which should have no bearing in a criminal case. The charges against them should never have been brought.

Loreto's health is fragile, and the authorities must take all necessary measures to provide him with adequate independent medical care.

I call on the Cuban authorities to release Loreto Hernandez Garcia and Donaida Pérez Paseiro immediately and unconditionally and to take all necessary measures to guarantee them redress for the violation of their human rights, including the discrimination they have suffered.

Sincerely,

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