- 最新情報:
- 2024年3月14日
- 国名:
- サウジアラビア
- 対象者:
- マナヘル・アル・オタイビ（女性）
- 期限:
- 2024年4月30日
- 配信日:
- 2024年3月14日
- UA No:
- 014/2024
2022年11月16日に逮捕されたマナヘル・アル・オタイビさん(29歳)が、2023年11月以来、どこで拘禁されているかがわからない事態が続いている。オタイビさんは、女性の権利を支持するツイートと、ショッピングモールでアバヤ（ゆったりとした長袖の伝統的な衣装）を着用せずに撮った写真のスナップチャットへの投稿で、反サイバー犯罪法に違反したとして起訴された。オタイビさんの審理はリヤドの刑事裁判所から、テロ関連容疑を裁く特別刑事裁判所（SCC）に移された。同裁判所は、ネット上でコメントする個人に対する著しく不公正な審理と重い判決で悪名高い。当局は、オタイビさんを直ちに無条件で釈放し、訴追を取り下げるべきだ。
オタイビさん逮捕の5年ほど前、2018年3月にムハンマド・ビン・サルマン皇太子は「女性は、男性と同じように、きちんとした品のある服の着用を。しかし、特に黒いアバヤや頭部カバーの着用を強要するものではない。どのように適切で礼儀正しい服装を選ぶかは、すべて女性に委ねられている」と話していた。
オタイビさんの容疑は、当初リヤドの刑事裁判所で審理されたが、2023年1月、同裁判所は裁く立場にはないとして、審理を特別刑事裁判所（SCC）に移した。そのSCCでは、平和的な表現を「テロ」と同一視する反サイバー犯罪法と反テロ法の曖昧な規定が、日常的に適用されている。
オタイビさんの姉妹、ファウジアさんとマリアムさんの2人も、女性の権利を訴える活動に関わって罪に問われている。ファウジアさんは、オタイビさんと同様に「サウジアラビアの少女に宗教的教義を否定し、文化的習慣や伝統に抵抗するよう扇動する活動」を主導し、「女性解放と男性後見制の廃止を促進する」ハッシュタグを使用したとして告発された。
裁判所の文書には、ファウジアさんについては別の判断が下されるだろうとあった。男性後見制度に反対するマリアムさんは、以前も女性の権利活動で拘束されたことがあり、現在は渡航禁止措置を受けている。
オタイビさんと似た事例としては、リーズ大学の博士課程の学生で2児の母親の事例がある。この女性は女性の権利を支持するツイートを公開したことで有罪とされ、2023年1月にSCCで禁錮27年、控訴審で27年間の渡航禁止が言い渡された。
2021年半ばには、ほぼすべての人権擁護者、女性の権利活動家、フリージャーナリスト、作家、活動家が恣意的に拘束され、主にSCCでの長期で不公正な裁判を受けて投獄された。釈放後も、渡航や平和的活動などの基本的権利を制限された。
2024年1月、アムネスティは、表現の自由の権利を行使して訴追された人権擁護者、政治活動家、ジャーナリスト、詩人、聖職者など69人が置かれている状況を調べた。69人中32人は、SNS上でのコメントを理由に訴追されていた。アムネスティは、同様の訴追は実際にはもっと多いとみている。
アクションしてください。
当局に以下の要請を盛り込んだ英語の要請文を郵送またはメールで、できるだけ早くお送りください。
- オタイビさんは、表現の自由を行使しただけで拘束されている。当局は、直ちに無条件で釈放し、訴追を取り下げるべきだ。またオタイビさんの居場所を家族に知らせるべきだ。
- 特別刑事裁判所を利用した、人権活動や表現の自由への弾圧をやめ、SNSでのコメントを犯罪視するテロ対策法や反サイバー犯罪法を廃止、あるいは大幅に修正し、国際人権法に従った新法を制定する。
要請例文
Waleed Mohammed Al Smani
Minister of Justice
Riyadh, Saudi Arabia
Postal Code 11472, P.O. Box 7775
Email: minister-office@moj.gov.sa
Your Excellency,
I am alarmed that Saudi authorities have forcibly disappeared Manahel al-Otaibi since November 2023. Manahel has been detained since 16 November 2022 and although her whereabouts is still unknown, she now awaits trial in front of the Specialized Criminal Court (SCC) on charges of violating the Anti-Cyber Crime Law for tweeting hashtags in support of women’s rights and posting photos on Snapchat of herself at the mall wearing “immodest” clothing. Shortly before her family lost contact with her, she told them that she had been beaten violently by a fellow prisoner.
According to court documents reviewed by Amnesty International, Manahel al-Otaibi was charged with “publishing and spreading content that contains committing public sins and inciting individuals and girls in society to renounce religious principles and social values and to violate public order and public morals on her Twitter account”, in violation of the Anti-Cybercrime Law. The charges against her are based on her social media posts which were “opposed to regulations and laws that relate to women”, including through calling to #EndMaleGuardianship. The prosecutor also referred to reports from 2018 and 2019 by the Committee for the Promotion of Virtue and the Prevention of Vice, also known as the religious police, who accused her of tarnishing the reputation of the Kingdom and going to the mall without wearing an abaya, promoting the removal of the hijab and posting photos of that outing on Snapchat.
I urge you to order the immediate and unconditional release of Manahel al-Otaibi, as she is being held solely for peacefully exercising her right to freedom of expression. Meanwhile the authorities must reveal her whereabouts to her family. I also call on you to stop using the SCC to systematically silence human rights activism and freedom of expression and to repeal or substantially amend the counterterrorism and anti-cybercrime laws which criminalize peaceful dissent and enact new laws that are fully compatible with international human rights law.
Yours sincerely,
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