- 最新情報:
- 2024年11月28日
- 国名:
- ベネズエラ
- 対象者:
- 人権団体PROVEA
- 期限:
- 2025年1月31日
- 配信日:
- 2024年11月28日
- UA No:
- 097/2024
ベネズエラ当局は、11月初旬以降、国内で広く知られる人権NGO「PROVEA」への圧力を強めている。数週間前、政府高官がテレビ番組で同団体を恫喝する発言をし、最近では、犯罪科学捜査警察が、PROVEAのコーディネーターであるオスカー・ムリリョさんに対し、物議を醸している「反ヘイト法」に基づく容疑で証言を求めるために召喚状を発行した。当局は、PROVEAやその職員、正義と説明責任を求める他のNGOへの圧力や報復を直ちにやめるべきだ。
PROVEAは長年にわたり、ニコラス・マドゥロ政権による深刻な人権侵害や人道に対する罪の可能性がある行為を告発し、非難してきた。最近では、野党政治家エドウィン・サントスさんが10月25日に何者かに拘束され、その後死体で発見されるという事件が発生し、これに対してPROVEAは当局を強く非難した。犯罪科学捜査警察は、サントスさんの死因を交通事故と発表した。しかし、多くの市民団体は、サントスさんの所在が不明であったことや、家族が拘束と失踪を訴えていたことから、サントスさんが国家による超法規的処刑を受けた可能性を指摘している。
こうした最近の出来事や、PROVEAによる長年のマドゥロ政権批判により、ムリリョさんが近いうちに拘束されるのではないかという懸念が高まっている。人権擁護者や反体制派への恣意的な拘束は、7月28日の選挙以降、前例のない規模に達しており、2,000人以上が政治的理由で拘束されている。その中には子どもや障がい者なども含まれ、テロや憎悪の扇動といった根拠のない容疑で起訴されている。
アムネスティが繰り返し指摘しているように、人権擁護者は常に嫌がらせ、攻撃、拘束といったリスクにさらされている。地元のNGO「Fundaredes」(人権擁護や社会的ネットワークの支援を行う団体)の所長で人権擁護者のタラソナさんは、その活動を理由に2021年7月から拘束され、その後起訴された。アムネスティはタラソナさんの即時かつ無条件の釈放を求めている。他にも多くの人権擁護者が恣意的な刑事手続きによって拘束されている。
人道的緊急事態と深刻な人権危機の中で、ベネズエラ国民の権利を守るために活動する人権活動家や市民団体に対し、ニコラス・マドゥロ政権は、弾圧、起訴、検閲を繰り返してきた。この状況の中で、多くのベネズエラ市民が安全と保護を求め、かつてない規模で国外に逃れている。2024年11月時点で、780万人以上が国外へ避難したとされる。
現在、マドゥロ政権は人権団体や市民団体を管理し沈黙させるために、複数の施策を進めている。最近採択された「NGOおよび関連団体の監査、規制、活動、資金提供に関する法案(通称、反NGO法)」は、メンバーや構成員のリスト、資産、寄付者のリスト、財務取引情報などの提出義務を課す。これらの要件を満たさなければ、市民団体は閉鎖や刑事訴追の対象となる可能性がある。この法案は議会で承認されたが、発効には至っていない。
ベネズエラに関する独立した国際事実調査団は2020年から、同国で2014年以降にあった超法規的処刑、強制失踪、恣意的拘束、拷問、その他の非人道的、品位を貶める行為など数百件を詳細に記録してきた。また、司法制度が政府の抑圧政策に利用されていることが報告され、人権侵害が人道に対する罪にあたる可能性が指摘されている。
一方、国際刑事裁判所(ICC)の検察官事務所は2021年11月以降、ベネズエラの状況に関する刑事捜査を進めている。
アクションしてください。
当局に以下の要請を盛り込んだ英語の要請文を郵送でできるだけ早くお送りください。
- PROVEAに対するあらゆる報復や攻撃を停止し、人権擁護者が国際人権法に従ってその職務を遂行できるようにする。
要請例文
President of the Republic Nicolas Maduro
Palacio de Miraflores,
Av. Nte. 10, Caracas 1012,
Caracas, Venezuela
President Nicolas Maduro,
I am writing to you with grave concern about the attacks and threats that loom over PROVEA and its general coordinator, Oscar Murillo.
We have received information about certain government officials attacking PROVEA in the media, putting them at high risk of persecution and other grave human rights violations and potential crimes under international law. We also learned of the summons issued by the Forensic Criminal Investigations Police (CICPC in Spanish, Scientific, Criminal and Criminal Investigations Corps) to Oscar Murillo, for "the commission of a crime contemplated in the Law against hatred, for peaceful coexistence and tolerance".
Human rights organizations and their members must be protected, and their work must be guaranteed by the state. Any fear of reprisals or criminalization against them threatens their right to defend their own and others’ human rights.
We call on you to cease all reprisals and attacks on PROVEA and ensure that human rights defenders are able to carry out their work in accordance with international human rights law.
Respectfully,
↑ここにあなたの名前とアドレスを記入