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アフリカ地域:キンバリープロセス:アムネスティ・インターナショナルの見解について

2006年12月 6日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:アフリカ地域
トピック:地域紛争
2006年、キンバリープロセスの全体会議の最新情報、およびキンバリープロセスへの参加国への勧告。

この文書は、アムネスティが、2006年6月21日に発行した、キンバリープロセスに対する見解文書(AI Index: POL 30/124/2006)からの最新情報を含んでいる。2006年11月にボツワナで開催された全体会議の成果、ならびにキンバリープロセスへの参加国に対するアムネスティからの勧告も含まれる。

背景
2000年12月、国連総会は、紛争に資金を与え、激化させているダイヤモンド原石の取引のあり方についての決議を全会一致で採択した。この決議は、紛争ダイヤモンドの不法な取引と、アフリカ諸国で起こっている武力紛争に関連した人権侵害との関連性を断つための国際認証制度を樹立することを支持するものであった。アムネスティやグローバル・ウィットネスを含むNGOからの、政府やダイヤモンド業界に対する圧力を受け、2003年にキンバリープロセス認証システム(KPCS)が成立した。

KPCSは、参加国を経由するすべてのダイヤモンドの原石に、"紛争に関わらない"ことを証明するキンバリープロセスの認証を必要とする、国際認証制度である。ダイヤモンド業界はKPCSシステムを支えるための自主規制制度を設置しなければならない。その自主規制制度は、紛争ダイヤモンドの取引を防ぐための行動綱領の作成、すべてのダイヤモンド販売の明細書に紛争ダイヤモンドではないと書かれた証明書を添付するというダイヤモンド証明書制度の実施、証明書つきの明細書を保存、監査し、従業員に政府の規制や、紛争ダイヤモンドの取引を防ぐための業界の方針を教えること、などを規定している。

KPCSや、ダイヤモンド業界の自主規制は、紛争ダイヤモンドに関わる取引を防ぐために定められたものであるが、アムネスティや他のNGOは、通常のダイヤモンド取引に紛争ダイヤモンドが混入してしまうことを許す脆弱性を指摘してきた。KPCS参加国は、2006年11月のボツワナでの全体会議において、KPCSがどれほど効率的に行われているか、またどのように強化していくべきかについて、評価を行った。

1. ガーナ経由のダイヤモンド取引に混入する、コートジボワールからの紛争ダイヤモンド

2006年10月、国連のコートジボワールに関する専門家グループの報告によると、コートジボワールからの紛争ダイヤモンドが、キンバリープロセスの参加国であるガーナを通した合法的なダイヤモンド取引に混入していたと結論付けられた。2300万ドルに及ぶ紛争ダイヤモンドは、武装勢力が支配していた北コートジボワールの地域から、ガーナの国内統制が弱いため、紛争がないと認定されてきたガーナに入り込んでいる。国連の専門家グループの証明により、脆弱なKPCSでは紛争ダイヤモンドの取引を防止できないこと、どこかの参加国の国内統制が弱い場合、全体が脅かされるという、アムネスティが長期にわたって指摘してきたKPCSに対する批判が裏打ちされた。アムネスティが、グローバル・ウィットネス等、他のNGOと共同で、2006年11月3日付で、キンバリープロセス代表に送付した書簡の中で、ガーナがキンバリープロセスによる適切な統制を実現するまで、すべてのダイヤモンド輸出を自主的に止めることを要求している。もしガーナがそれを拒否したら、ガーナはキンバリープロセスから除籍されるべきである。

最新情報:
KPCSの2006年11月の全体会議において、参加国政府は、コートジボワールに関する専門家グループによる報告書に部分的に依拠しつつ、「KPCSの要件の明らかな不服従を示す、信頼できる指標」があると結論づけた。しかしながら、参加国政府は、ガーナに対し、すぐに未加工ダイヤモンドの輸出の自主的停止を求めなかった。代わりに、参加国政府は、これまでに定められた基準に沿った行動計画をガーナが準備すると約束したことを歓迎し、ガーナのKPCS最低限要求の遵守状況を、2007年2月28日までに行われるガーナに対する評価ミッションの中で確認することとした。

勧告
アムネスティは、ガーナからのダイヤモンド原石の輸出停止、ならびに、ガーナで紛争ダイヤモンドの不当な取引を防ぐ統制がとられ、その統制がKPCSの要求にあったものになるまではガーナのKPCS参加停止を求め続ける。

2. 最低限の国内統制
2006年11月のKPCSの全体会議に先立って、アムネスティは、参加国政府に対し、すべての参加国が、共通に、最低限の内的統制の測定基準を策定することを求めた。アムネスティは、KPCSの根本的な弱みのひとつは、参加国の当該政府自身が、内的統制の測定方法をある程度の裁量によって選択できる権利を保留していることにあると考える。この裁量権が、参加国政府間の不当な統制基準をもたらし、ならびに、最も弱い内的統制測定方法をもつ国を通じて、正当なダイヤモンド取引にまで、紛争ダイヤモンドが混入されるという結果を生んでいる。

最新情報:
KPCSの2006年11月の全体会議において、参加国政府は、以下のような、参加国に対する内的統制についての追加指針を承認した。

未加工ダイヤモンドの生産:すべてのダイヤモンドの採掘業務が免許制の下に置かれていること、認可された鉱床登録が公にされること、全生産記録が保存されること、産出集計報告は、地質調査によって推定された集計実量と定期的に照合されるよう確保すること。

正当な採掘人によるダイヤモンド採掘:採掘地域や採掘免許の状況の正確で最新の情報を維持するため、土地台帳システムを設け、全ての採掘人が免許を持っていることを確保するため、定期的に抜き打ち調査を行うこと、正当な採掘人による産出段階から輸出段階までを追跡できるシステムを設置すること。

国境を越えた、未加工ダイヤモンドの取引:
売買に関する国際間決済が銀行を通じていること、また輸出入の完全あるいは抜き打ちのチェックによる物理的調査が行われることを確認すること。ダイヤモンドの輸出に関する指針には、輸出されるダイヤモンドには、紛争ダイヤモンドではないという証明書とその証拠をつけるということも含まれている。

自由貿易地域におけるダイヤモンド取引:
自由貿易地域において、未加工ダイヤモンドを扱おうとしている、ダイヤモンドの買い手、売り手、輸出人、切削職人、研磨職人に免許を与えること、自由貿易地域における未加工ダイヤモンドの全在庫の詳細を求めること。参加国政府は、将来の参加国同士による訪問評価では、2006年11月のKPCS全体会議で認められた内的統制の追加指針を含め、すべての内的統制の実施を評価すべきであると求めている。

勧告:
アムネスティは内的統制についての追加指針を出すことを歓迎するが、内的統制の基準の不当さは、最低限の統制測定基準に拘束力がない限り、問題が残るだろうと考える。このような測定基準が拘束力を持つまで、アムネスティは、全ての参加国政府に対して、2006年11月のKPCSの本会議で承認された内的統制における追加指針を含め、推奨されている内的統制手段を組織的に実施するよう求める。全ての参加国によって内的統制が組織的に実施されることなしには、紛争ダイヤモンドが通常のダイヤモンド取引に混入する恐れはなくならないだろうからである。

3. KPCSならびに自主規制についての業界の法令遵守

2006年11月のKPCSの全体会議に先立ち、アムネスティは、参加国政府に対し、ダイヤモンド業界がKPCSおよび増強された監査および調査などの企業の自主規制を遵守しているかどうかをチェックする、政府体制の強化を求めた。アムネスティは、ダイヤモンド業界に対する政府の監督の不十分さを強く批判し続けてきた。政府の監督の抜け穴によって、紛争ダイヤモンドが、正当なダイヤモンドの取引に、産出と頒布のさまざまな段階において、混入している。たとえば、アムネスティとグローバル・ウィットネスが、2004年に発表した報告書によると、米英のダイヤモンドの主要小売業者を対象とした調査で、紛争ダイヤモンドに対する姿勢において、意義のある報告を文書で回答したのは5分の1以下の企業に過ぎなかった。また、店頭販売を行うダイヤモンド宝飾小売業者で、自分たちのダイヤモンドは紛争ダイヤモンドではないと言う意味ある証明を消費者に提供していた企業は半分しかなかった。

最新情報:
2006年11月のKPCSの全体会議において参加国政府が合意した内的統制の追加指針には、政府の監視を伴った業界による自主規制について、以下のような勧告が含まれている。

未加工ダイヤモンドの取引に係わる個人ないし法人による自主規制団体の構成員資格、そのような団体による内部統制メカニズムを通じて実施される行動綱領の採用、また、そのような団体に所属する構成員に対する要請として、定期独立監査用に取引の全記録を保存することなど。これにより、こうした団体に所属する構成員が係わる未加工ダイヤモンドの取引が、キンバリープロセスの有効な認証によって輸入段階まで追跡できる。そして、監査からの要請が尊重されているかどうかを、監督する当局が現場検査すること。

しかしながら、参加国政府は、業界によるKPCSの遵守についての適切な保証をどのように各国政府が明示するかについての合意に達しなかった。そして政府による業界に対する信用性のある監督という問題を、2007年の4つの優先事項の1つとすることが合意された。

勧告
アムネスティは、参加国政府に対し、政府がどのように業界のKPCSならびに業界の自主規制制度の遵守状況を保証するかについての総合的な共通基準に直ちに合意するよう求める。その際に、義務的監査と現場検査を含む、業界の遵守状況検査を含める。

4. 遵守していないことを理由とするKPCSの参加停止
KPCSの2006年11月の全体会議前に、アムネスティは、参加国政府がKPCSを遵守しなかった場合に、どのような取り組みをするかについて、明確な方針と手続きを求めた。それには、遵守しない場合のKPCS参加停止についての信頼のおける方針と手続きを含む。アムネスティは、政府間の自発的協力に基礎を置いていても、KPCSに違反した国に対して強く対応しようとする意思や制裁措置がない制度では、紛争ダイヤモンドの取引を予防することはできない、と主張した。

最新情報:参加国政府は、明らかに遵守していない場合の参加停止措置の可能性など、暫定措置に関する提案を策定することに合意した。

勧告:アムネスティは、参加国政府に対して今回の合意事項をフォローし、遅滞なくこうした手続きを設置し、遵守しない場合への取り組みについて、信頼のおける方針と手続きを実施すること。それには、KPCSの統合性を保持するために、参加停止の措置も含むこと。


5.統計データの透明性

2006年6月の立場表明の文書の中で、アムネスティは、KPCSの参加国と、ダイヤモンド業界から提供される統計的データの透明性をより高めることを求めている。アムネスティは、統計データの信頼性を高めることはダイヤモンド産出の潜在力を地質学的調査にもとづいて産出し、それを実際の産出量、輸出入量と比較するための必要条件であると主張している。統計比較を行うことで、紛争ダイヤモンドの違法取引を暴くための端緒となる不自然な数値を見つけ出すことができる。。

最新情報:
参加国政府は、輸出入、産出、さらにキンバリー・プロセスの認証数に関する集計を毎年提供することに合意した。これらの統計データは、毎年6月くらいに、年1回のペースで提供される。2004年と2005年のデータのまとめが、すぐに発表されることも決まっている。参加国政府は、いつも決まって統計を提供するのが遅れる国の名前を公開することにも合意している。参加国政府は、統計の集計ならびに分析は、2007年4つの重要課題のうちの一つであることだと認めている。

勧告:
アムネスティは参加国政府に対し、こうした統計の収集と分析に関する各国の力量を増強するよう要請する。こうした統計は、紛争ダイヤモンドの取引を捜査する際の重要な手段となる。

6. ダイヤモンドの切削・研磨センター
2006年6月の立場表明の文書で、アムネスティはダイヤモンドの切削、研磨施設に対するより厳しい管理を提言した。アムネスティは、切削や研磨の施設に対して適切な管理が実施されないかぎりは、紛争ダイヤモンドはこうした施設に入り込み、洗浄され、合法的なダイヤモンド取引に混入してしまうかもしれない、と指摘している。

アムネスティは、切削、研磨企業を有する各国に対して、2つの具体的勧告を出した。第一のものは、未加工ダイヤモンドの切削、研磨施設への搬入および研磨したダイヤモンドの施設からの搬出を監督し、そうした施設の監査をおこなって在庫が企業からの情報と一致しているかを比較しなければならないこと。そして第二に、各国政府はダイヤモンドの切削、研磨企業に対して、未加工ダイヤモンドの搬入や研磨したダイヤモンドの生産、搬出の際に残った未加工ダイヤモンドなどの詳細を記録し、定期的に政府にその情報を提供することである。

最新情報:
2006年11月のKPCS全体会議で参加国政府によって合意された内部統制の追加指針は、切削および研磨業者に関するいくつかの管理方法を含んでいる。勧告された方法には、次のものがある。参加国政府に年一回、その管轄地域内で切削、研磨に使用された未加工ダイヤモンドの総計を明らかにすること、免許を申請する人が刑事事件で有罪となったことがあるかどうかの情報を明らかにすること、免許を持つ人びとの名前を公にすること、未加工ダイヤモンドの買い手、売り手に検証可能な記録を残させること、そして可能な場所では、キンバリープロセス認証を伴った明細書を出すための検査をおこない、年間の在庫として申し立てられた総量と取引量とを比較すること。

勧告:
アムネスティは、2006年6月の立場表明文書で明らかにしたより厳しい方法を求め続ける。当面、アムネスティは、すべての参加国政府に対して、2006年11月のKPCS全体会議で合意された内部統制の追加指針の中で切削、研磨施設に関して勧告された(拘束力はない)自主的な管理方法について、組織的に実施するよう要請する。

7.資金および専門的援助
2006年6月の立場表明文書で、アムネスティは、参加国政府に対し、KPCSの調整、実行のための資金、専門的支援を提供するよう求めた。アムネスティは、市民団体がKPCSの全体的監視に参加することなど、KPCSを実施するための能力を上げるには、国レベルでも、さらなる資源が必要だと主張している。

最新情報
KPCS事務局の設置については、参加国政府は合意には達していないけれども、いくつかの国は、KPCSの各国審査のための訪問に市民団体が参加できるようにするための資金を提供することに同意した。参加国政府は、資金と資源配分の要求が、2007年の4つの優先事項の一つとすることに合意した。

勧告:
アムネスティは、参加国政府に対してKPCSの効果的な調整作業を確保するよう求める。効果的な調整作業を確保するための方策としては、事務局を設置することやKPCSの効果的な調整作業のためにその他の資源を配分することなどが含まれる。アムネスティは、また、各国政府に対し、KPCSの実施のための国レベルでの力量増強するような目標となる方策を採用するよう要請する。

2006年12月6日
POL 30/057/2006

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