- 2008年9月25日
- 国・地域:ボスニア・ヘルツェゴビナ
- トピック:性的指向と性自認
事件を受けて、アムネスティ・インターナショナルはそのように述べた。当局はまた、この襲撃事件を直ちに徹底的に調査し、責任者を裁判にかけなければならない。
9月24日、首都サラエボの中心地にある芸術アカデミーで開催された、芸術と文化のフェスティバルの参加者を多数の若者が襲撃し、警官を含む8人が負傷したと報道されている。
この4日間のイベントの主催者である、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの人びとのための非政府組織、Udruz'enje Qによれば、警察は反同性愛の立場でイベントに抗議する人たちが、参加者に危害を加えることができる距離まで接近するのを放置していたという。
「差別に反対し法の下の平等を求めるゲイの権利のための活動家たちの声は、不寛容と暴力に迎えられた。」と、アムネスティのヨーロッパ・中央アジア部長ニコラ・ダックワースは語った。
フェスティバルの主催者やジャーナリストをはじめとする支持者たちは、殺害の脅迫を受け続けている。同性愛嫌悪のポスターが広くばらまかれ、目立つ場所に貼られている。一部の報道機関は、同性愛への嫌悪を表す表現を使い、フェスティバルの目的を誤って報道している。
9月初め、アムネスティはボスニア・ヘルツェゴビナ首相ニコラ・シュピリッチ氏にあててて書簡を送り、同国においてLGBTに対する差別的な雰囲気が増していることへの懸念を表明し、そうした人びとの権利が保護されるよう保障することを求めた。
現時点に至るまで、首相からの回答はない。フェスティバルを脅迫や暴力から確実に保護するために、当局は適切な手段をとっていないように思われる。すなわち、アムネスティからの勧告を当局は無視しているということに他ならない。
アムネスティは、ボスニア・ヘルツェゴビナの指導的立場にあるすべての政治指導者たちに対し、実際の性的指向やそれらしいということを理由として、公然と個人に対する差別を行うことを非難する。また、被害者が誰であろうといかなる差別も暴力行動も許されるものではないことをと明言するよう要求する。
「ゲイ、レズビアンの人びとはボスニア・ヘルツェゴビナにいるその他すべての人びとと同じ権利を持っている。当局は、集会の自由、表現の自由への権利を保障しなければならない」ニコラ・ダックワースはそのように語った。
アムネスティ発表国際ニュース
(2008年9月25日)
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