スウェーデン:無実の囚人の釈放を求めメイヤがシングル曲を発表

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2015年1月15日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:スウェーデン
トピック:危機にある個人

スウェーデンのポップシンガー、メイヤさんはアルバート・ウッドフォックスさんについてのアムネスティの記事を読み、あまりに不当な扱いに憤りを感じた。ウッドフォックスさんは42年にわたり独房監禁状態にあるが、その有罪判決は論拠に乏しく3度も覆されている。

一昨年のクリスマスイブにメイヤさんは彼に手紙を書いた。その返事に駆り立てられてメイヤさんは「黄色いリボン(Yellow Ribbon)」という曲を書いた。ウッドフォックスさんからの手紙に貼られた切手には「自由よ、永遠に。正義よ、永遠に。」と書かれてあり、これが歌い出しの歌詞となった。

「この歌詞には、アルバートがこんなにも長い間手に入れられなかった正義と自由がもうすぐ彼のものになるという希望が込められているの」とメイヤさんは言う。彼に有利な11月の判決を考えると、その時はもうすぐなのかもしれない。

メイヤさんが曲を書いていると「黄色いリボン」という言葉が浮かんできた。

「その意味を調べて見て理由がわかったわ。昔は釈放された囚人を家に迎える時家族は黄色いリボンを木に結んだそうなの」

この歌はアムネスティ・インターナショナルと共同で出されている。アムネスティはウッドフォックスさんに対する正義を求めてキャンペーンを行っており、また、米国における独房監禁の残忍な使用に反対している。

「私は、苛酷な人権侵害に立ち向い続けてきたアルバートの心の強さに深く感動したの。無実の人が40年以上も1日23時間独房に閉じ込められているなんてこと、この2014年に信じがたい悲劇だわ。1人静かにアルバートに手紙を書くためにクリスマスのお祝いを離れてみて気づいたの。私にとって孤独は選択だけど、アルバートにとっては42年間逃れられない現実なのよ」とメイヤさんは言う。

メイヤさんは、ウッドフォックスさんへの正義を求め米国の刑務所における独房監禁の残忍な使用を終結させるアムネスティのキャンペーンへの参加を呼びかけるとともに、「黄色いリボン」の売り上げの10%をアムネスティに寄付する。

アルバート・ウッドフォックスさんとアンゴラスリーについて

アルバート・ウッドフォックスさんは刑務所の看守ブレント・ミラーさんを殺害した罪でハーマン・ウォレスさんと共に1972年に有罪判決をうけた。2人は別の犯罪で有罪となったロバート・キングさんと一緒にアンゴラ刑務所に隔離拘禁される。ロバート・キングさんは29年の隔離拘禁の後2001年に釈放された。ハーマン・ウォレスさんは、1974年に公正な裁判を受けなかったという理由で有罪が覆され2013年に釈放されたが、3日後に肝臓ガンで亡くなった。3人は「アンゴラスリー」として知られている。

3人は一貫して犯罪への関与を否認しており、ブラックパンサー党員として刑務所で政治活動をしていたために不当に罪を着せられたと主張している。彼らをその事件と結びつける物的証拠はなく、唯一の目撃者の疑わしい証言に主に基づいて有罪が確定した。この目撃者は証言の見返りに刑務所で優遇された。裁判は誤った証拠に基づいており、長年に渡り広範囲に行われた手続き上の誤りも多い。

ウッドフォックスさんの有罪判決は州裁判所で2回、連邦裁判所で1回の計3回覆されているが、ルイジアナ州の司法長官がウッドフォックスさんの収監をなんとしても続けようとしているため、いずれも州によって無効とされている。2014年11月に連邦控訴裁判所が、彼は公正な裁判を受けていないとした1998年の判決を認めた。この決定はウッドフォックスさんの有罪を再び覆すものだが、州が再度控訴したため彼はいまだ収監されたままである。

アムネスティ国際ニュース
2015年1月15日

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