- 2017年2月15日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ケニア
- トピック:難民と移民
ケニアの裁判所は、国が一方的に決定していた世界最大の難民キャンプの閉鎖を阻止する判断を下した。
ダダーブ難民キャンプにいる25万人を超えるソマリア難民にとって、画期的な判決だった。キャンプが閉鎖されれば彼らは母国に送還されるおそれがあり、国に戻れば深刻な人権侵害を受けかねない。ケニアには、憲法そして国際法のもと、人権侵害や迫害から人びとを保護する法的義務があり、今回の判決はその義務を再確認する結果となった。
難民キャンプ閉鎖を阻止したことは、難民の人権尊重と保護に向けた不可欠な一歩だが、ケニアと国際社会は今後、難民を国内で受け入れていくという選択肢を含め、別の解決策を考えていかなければならない。
背景情報
裁判官は判決の際、政府の閉鎖決定は差別的で集団的懲罰に値すると述べた。また、過剰で恣意的だとも断じた。
今回の裁判は、同国の国家人権委員会とキツオ・チャ・シェリアの2団体が、難民キャンプと難民局の閉鎖命令の合憲性に異議を申し立てたもので、アムネスティも支援した。
キャンプの閉鎖は昨年11月30日に予定されていたが、国が「人道上の理由」で6カ月の延期を発表していた。
アムネスティが昨年行った難民の聞き取り調査では、ほとんどのソマリア難民から、難民の意思に反して帰国を強いる政府役人を強く非難する声が上がっていた。
アムネスティ国際ニュース
2017年2月9日
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