- 2017年12月27日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ケニア
- トピック:難民と移民
ケニアのソマリア難民が、紛争、干ばつ、飢餓などが待ち受けるソマリアへの帰国を余儀なくされている。
ケニア東部のダダーブ難民キャンプには、ソマリアからの難民およそ24万人が暮らす。昨年5月、ケニア政府は、治安上の問題と国際社会の支援不足を理由に、同キャンプの閉鎖を発表した。この発表が引き金になり、ソマリアに帰国する難民が急増した。ケニアの裁判所が今年2月、キャンプの閉鎖は違法だという判断を示した後も難民の帰国が続いてきた。
アムネスティは、ソマリアで帰国した人たちに話を聞いた。多くが、帰国理由として、少なくなる食糧の配給やその他の支援、いずれは放り出させられるという不安などを挙げていた。
ソマリアは、数十年にわたる紛争で国は疲弊し、市民の犠牲者も過去2年弱でおよそ4,600人に上っている。
人権状況も、悪化するばかりだ。干ばつで壊滅的な被害を受け、飢饉になる恐れもある。今年前半には、コレラが発生し、1,155人以上が死亡した。
国連人道問題調整事務所によれば、ソマリアの人口の半数以上が人道支援を必要としている。
ケニア政府は、このような惨状にあるソマリアに難民を追い返すのではなく、持続可能な解決策を見出すべきだ。
とはいえ、難民保護はケニア政府単独でできることではない。国際社会の支援の拡大が必要である。これまでのところ、支援はお粗末な限りだった。ケニアで暮らす難民支援への国際社会の拠出金は、2011年以降急減している。
この11月、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が国際社会にケニアの難民に向けた拠出を呼びかけた。しかし、拠出総額は、目標額の29パーセントにとどまった。国連世界食糧計画も、慢性的な資金難に陥っており、難民への食糧配給量を何度も減らさざるを得なくなっている。
アムネスティは、国際社会に対して、ケニアにいる難民の定住に向けた持続的、長期的な支援をするよう求めている。具体的には、UNHCRの拠出要請に最大限応えること、ソマリア難民のための再定住地やそれに代わる手段の提供などだ。
アムネスティ国際ニュース
2017年12月21日
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