- 2019年3月27日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:赤道ギニア
- トピック:
長年、ギニア内外の人権侵害と汚職の問題に取り組んできたアルフレド・オケンベさんは、勇気ある人権活動家を称える仏独人権・法治国家賞を受賞したものの、当局による妨害で授賞式への出席ができなくなった上、所持品を押収され、移動も制限された。当局は直ちに、オケンベさんの移動制限を解除し、自由で安全に活動できるようにすべきである。
貧困地域の開発支援や市民社会の強化などに取り組むNGOの代表を務めるオケンベさんは昨年末、フランスとドイツ両政府が主催する同賞の受賞者に選ばれたとの通知を受けた。3月15日の午後、首都マラボで賞を授与されることになり、当日、バタの自宅を出てマラボに入った。
一方、同日午前、警官がオケンベさんの親類宅を訪れ、本人の居処を尋ねたことで、警察がその行方を追っている噂が広がったため、仏独両大使館は授賞式の開催中止を決め、政府関係者からオケンベさんのその日の出国許可を取り付けた。しかし、出国しようとしたオケンベさんは、空港で搭乗を阻まれ、パスポートや携帯電話を押収された上、軍用機に乗せられ、バタに戻された。その後、バタからの移動を禁止された。
受賞阻止は、合法的な活動を断固として制限する当局の姿勢を示している。当局の一連の対応は、人権を擁護する人たちへの弾圧の典型である。
1月には、フランスで起訴された同国大統領の息子の裁判に関わったフランス人弁護士らが、当局から目をつけられ、テロ資金を調達した容疑で逮捕された。2月には、野党の党員で人権活動にも関わる男性が、クーデター計画の情報を持っていたとして拘束された。
しかし、いかなる強硬策に出ても、当局は、オケンベさんをはじめとする人権活動家の行動を阻止することはできない。直ちにオケンベさんの移動制限を解除し、自由で安全に活動できるようにすべきである。
独仏政府も、今回のオケンベさんへの対応を非難し、人権活動家に対する嫌がらせや摘発は、人権状況を悪化させるだけであることを赤道ギニアに通告すべきである。
オケンベさんはこれまで、人権擁護活動に懸命に取り組んできた。あくまでも合法的であるその活動への嫌がらせは、決して許されない。同氏のパスポートと所持品を返却し、安全に移動できるようにするべきである。
アムネスティ国際ニュース
2019年3月19日
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