- 2019年8月21日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:コートジボワール
- トピック:
8月7日に独立記念日を迎えるコートジボワールでは、今年に入って政権に批判的な人たちへの弾圧が激しくなっており、これまでに14人が逮捕された。強まる圧力は、来年の選挙を控えて政治的緊張が高まる中、全土を不安定化するおそれがある。
独立記念日を機に、アラサン·ウワタラ政権は、結社の自由、表現、集会の自由の権利を尊重し、その促進に取り組むべきである。
逮捕・起訴された一人がインターネットで発言するカルトン·ノワールさんで、実刑2年を言い渡された。昨年11月に、警官が車のドライバーから金銭を巻き上げているとみられる様子を撮影してフェイスブックで配信したことが問題とされた。その後、社会秩序を混乱させ、外国人嫌悪を扇動したとして、一審では実刑1年を言い渡され、検察側の控訴でこの7月31日に実刑2年となった。
7月23日には、市民団体の関係者6人が、選挙管理委員会の事務所前で逮捕された。その日に予定していた集会を延期して、選挙管理委員会と協議するところだった。事務所前には戦車と警官隊が配備され、その場にいた警官にいきなり拘束されて、翌日まで留置された。
野党議員も、摘発の対象となっている。
野党コートジボワール民主党の党首が7月7日、一時的に拘束された。その前日、同党首などの主催で野党や市民が参加した集会では、有償とする生体認証制度や選挙委員会の改革案には重大な問題があるなどと訴えていた。数日後にも尋問を受け、社会秩序の混乱や外国人嫌悪を扇動していると糾弾された。
7月1日には、1週間前に別の集会を主催した野党議員が一時、拘束されて尋問を受けた。その後も当局の監視下に置かれた上に、社会秩序混乱の容疑で起訴され、政治的見解の発言禁止などの制限を科された。
ウワタラ政権は、政治的意見の発言や抗議行動の呼びかけなどに対する締め付けに躍起である。しかし、表現や集会の自由の権利を行使したというだけで逮捕・投獄するのは、極めて不当である。これまでに逮捕・起訴したすべての人たちを即時無条件に釈放すべきであり、今後は、表現や集会の自由の権利を保障しなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2019年8月6日
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