ボン気候会議 人権を守るため各国政府は具体的な行動を

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2026年6月 9日
[国際事務局発表ニュース]
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トピック:気候変動と人権

6月8日から18日まで、11月のCOP31(国連気候変動枠組条約第31回締約国会議)に向けた重要な準備会合である会議がドイツのボンで開かれている。参加する各国政府はこれを機に、気候変動に関するこれまでの約束を具体的かつ実行可能な「人権中心の」行動計画へと転換させるべきだ。

ボン気候変動会議の行方は、トルコ・アンタルヤで開催されるCOP31で各国政府がどのような交渉、優先事項、そしてどの程度の意欲を持ち込むのかを左右するものであり、極めて重要である。会議は、各国政府が、気候変動に関する国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見に関する国連総会決議での約束を、人権、公平性、正義に根ざした行動へ移す用意があることを示す重要な機会となる。

各国政府は今、人類を保護し、気候変動による被害を受けた人びとの回復を支援するという法的義務を果たすため、即座に行動を起こさなければならない。人権を無視した気候変動対策は、不公正であるだけでなく、効果も薄い。各国がアンタルヤで説得力のある成果を望むのであれば、今回の会議で口先だけの約束から実行に移す決意があることを示す必要がある。

会議に先立って、アムネスティは各国政府に対する提言を発表した。そのなかで化石燃料からの「公正な移行」を進めながら、化石燃料を全面的かつ迅速に、公正に、必要な資金を確保したうえで段階的に廃止すること、無償資金による気候資金(気候変動への適応・緩和のために高所得国が低所得国に提供する資金)を拡大すること、気候変動の「損失と損害」に対する全面的な賠償を提供すること、さらに市民社会の活動空間を守り、気候変動に関する意思決定への先住民族、環境人権活動家、影響を受ける地域社会の参加を強化することを求めている。

喫緊の行動が必要

アムネスティは、気候変動条約の全締約国に対し、サンタ・マルタでの最近の会議での進展を土台とし、低所得層を保護しつつ化石燃料への補助金を廃止するなどして、誰一人取り残さない化石燃料からの公正な移行に向けて取り組むよう強く求めている。

COP30で合意された「公正な移行メカニズム」の設置においては、人権と市民社会、影響を受ける社会集団の意味のある参加と、先住民族の自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意が優先されるよう、実効性と十分な資金が確保されることが重要だ。

また、気候資金の分野でも大きな進展を求めている。国連気候変動枠組条約のデータによれば、低所得国における緩和策と適応策の資金ニーズは2030年までに5兆から6兆米ドル(約800兆~960兆円)と推計されており、COP29で合意された2035年までに年間3,000億米ドルという資金目標は、必要額には程遠い。特に適応資金の不足は深刻だ。

5月の国連総会決議では一部の国が気候資金への言及を削除するよう主張したが、だからといって資金提供の義務が消滅したわけではない。拠出できる資金があることはわかっている。それをどう割り振るかは政治的な選択の問題だ。最大の汚染諸国に、自らが引き起こしている被害の代償を支払わせることは欠かせない。

気候変動対策のための資金を拡大し、主に無償資金援助で行うことは、世界中のすべての人びとの権利が、現在そして将来にわたって守られることを保証する鍵となる。気候資金の拡大は、人類と、私たちがその一部として恩恵に支えられている生態系の両方が持続できる地球で、人びとが尊厳ある生活を送れるようするために必要だ。

さらに、被害回復を重視する正義の考え方を採用し、「損失と損害への対応基金」への支援を強化することも強く求められる。基金が人権を全面的に尊重した形で運営され、野心的な資金調達戦略があることも重要だ。

開かれた参加と包摂性

ボン会議の重要な試金石は、気候変動の影響を最も強く受けている人びとに対し、協議が開かれていて参画しやすいものとなっているかどうかである。アムネスティの提言は、影響を最前線で受ける地域社会、先住民族、環境人権活動家、社会の中で不利な立場に置かれてきた集団が、気候変動交渉に有意義に参加できる必要があると強調している。会議の参加者に対するビザの発給について懸念を表明しており、一連の気候変動会議のすべての開催国に対し、国連気候変動枠組条約専用のビザ手続きを設けるよう求めている。

また、ドイツおよびCOP31の共同開催国であるトルコとオーストラリアに対し、すべての参加者が不当な制限や報復への恐れなしに、自由に意見を表明し、平和的にデモを行えるよう保証することを強く求めている。

ボン会議は、気候問題を「正義」へと向かわせる転機とならなければならない。各国政府は、化石燃料からの公正な移行に向け前進する用意を整えて臨むべきだ。これには、十分な気候資金と「損失と損害」に対する賠償、そして市民社会の活動の場の保護が欠かせない。こうした対応がなされなければ、気候変動対策の不作為の代償をすでに負わされている人びとを、再び失望させることになる。

アムネスティ国際ニュース
2026年6月5日

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