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「女」が活動するなんてけしからん?

攻撃の標的にされる女性活動家

今、世界のあちこちで、差別や不正を正すために、自然環境を守るために、また女性に対する暴力や虐待と闘うために多くの女性が立ち上がっています。

しかし、男性が圧倒的に優位な社会では、社会的、経済的、政治的に排除され、女性の存在や意見は無視、あるいは軽視されがちです。そうした中、闘う女性たちは多くの危険に直面します。脅迫され、襲撃され、性的暴力を受け、最悪の場合は、殺害される危険もあります。

人権活動家が「テロリスト」「スパイ」などのレッテルが貼られることは、性別を問わず起こりますが、女性活動家に対する誹謗中傷には、彼女たちの活動内容だけではなく、「道徳性」などに基づいたものも数多く含まれています。

例えば、性的指向や離婚・未婚といった婚姻状況を取り上げて「悪い母親」、「非常識」、「不道徳」、「国の価値観に反する」などと女性活動家個人の評判を傷つけることで、活動内容や活動する理由についての信用を失わせようとします。国民を守るはずの政府が公然と、売春婦、魔女、非国民などと罵倒しておとしめることすらあります。

家族にすら理解してもらえない

女性活動家は夫や家族にすら活動について理解してもらえないこともよくあります。女性が活動することを快く思わない夫や家族は暴力を振るったり、さまざまな圧力をかけたりして活動を思いとどまらせようとします。「名誉を守るため」という大義名分の下で虐待されたり、離婚をちらつかせられたり、強制的に子どもから引き離されたりもします。また多くの場合、女性は家事や子育てに男性より遥かに多くの時間を割くことを求められ、そうしなければ「良い母親ではない」と非難されます。女性の活動をやめさせるために、子どもや家族が攻撃を受けたり、脅迫されたりすることさえあります。

力でねじふせられる女性たち

多くの国で活動家は性別を問わず、襲撃されたり、拉致されたり、拷問されたり、殺害されたりする危険に直面しています。しかし女性活動家は、女性であるがために、さらなる暴力にさらされています。暴言や嫌がらせ、強かん、フェミサイド(女性というだけの理由で殺害される)・・・。硫酸などを浴びせられることもあります。性暴力に関しては、国によっては警察などが秩序維持の手段として意図的に行われているところもあります。また女性活動家の子どもが標的にされ、脅迫されたり攻撃されたりすることも少なくありません。統計によると、殺害される女性活動家は男性活動家よりは少ないですが、女性の場合は活動内容に関係なく、ただ女性であるからという理由で脅威にさらされ、攻撃される危険が高くなっています。

マリエール・フランコさん(ブラジル)マリエール・フランコさん(ブラジル)

ブラジルのファベーラ(貧民街)で生まれ育ったマリエールさんは19歳で娘を出産。シングルマザーとして働きながら娘を育て、進学し修士号を取得。2016年にはリオデジャネイロ市議会議員に当選しました。黒人の女性でバイセクシャルでもあったマリエールさんは、アフリカ系ブラジル人の若者や女性、LGBTIの人たちのために闘い、ファヴェーラで頻繁に起きている警察の暴力や殺人の問題を厳しく追及していましたが、在職中の2018年3月、運転手と共に射殺されました。殺害からほぼ1年が経った2019年3月、元警察官である2人の男性がマリエールさん殺害容疑で逮捕されました。しかし、まだ事件は解決していません。実行犯だけでなく、背後にある首謀者も迅速に明らかにし、犯罪に関わっている人を公正な裁判にかける必要があります。

ネットの向こうの見えない敵

オンライン上でも「女性である」というだけで攻撃を受けやすく、中傷やサイバーストーカー行為、監視、ハッキングの被害に遭っています。ひわいな投稿をされたり、執拗に暴言が浴びせかけられたり、個人情報や私生活がインターネット上にさらされたりもしています。殺してやる、強かんしてやるという脅迫もあります。こうした攻撃は匿名性の陰に隠れて、またたくまに広がり、声を上げる女性を苦しめ、恐怖に陥れています。オンライン上で意見を言うことをやめてしまう女性活動家も少なくありません。

ジェシカ・バレンティさん(米国)

ジェシカさんはアメリカ人のフェミニストで、ブログでさまざまな記事を発信しています。ジェシカさんのもとには脅迫や差別的な暴言など、嫌がらせのための数多くのツイートやコメントが送り付けられてきました。住所や電話番号、納税情報といった個人情報がネット上にさらされ、それを見た人から実際に電話がかかってきたこともあると言います。また娘を標的にした脅迫もあり、オンラインでの嫌がらせはジェシカさんと家族を苦しめました。

法律すら凶器になる

法律上で女性が差別的に扱われている問題に取り組んでいる女性活動家も多くいます。そして、その差別的な法律の下で罪に問われてしまう事態が、世界のあちこちで起きています。「女性は肌を隠さなければならない」「女性は外出するには夫の許可がいる」「女性は家族以外の男性とむやみに話してはいけない」......こうした理不尽な法律に抗議して、禁止されている行為に出て、逮捕されてしまうのです。さらに国家に楯突いたとみなされ、「テロ」や「スパイ」として、重い罪を科されることもあります。

ルージャイ・アル=ハスルールさん(サウジアラビア)ルージャイ・アル=ハスルールさん(サウジアラビア)

日本では女性も男性と同じように車の運転をすることは当たり前ですが、サウジアラビアでは長らく女性の運転は禁止されていました。ルージャイさんはサウジアラビアで女性が運転する権利を求めて活動していましたが、2018年5月、一緒に活動していた女性たちと共に突然逮捕されてしまいます。また、彼女たちの顔のイラストが「外国のスパイ」というハッシュタグと共にソーシャルメディアに公開され、「活動家は反逆者である」という印象が刷り込まれたのです。2021年2月、条件付きで釈放されましたが、有罪判決は覆らず、ルージャイさんは今も罪に問われたままです。彼女は、女性の自由を求めただけで、有罪判決は直ちに取り消されるべきです。

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ヤサマン・アリヤニさん(イラン)ヤサマン・アリヤニさん(イラン)

24歳のイラン人女性人権活動家、ヤサマン・アリヤニさんは2019年3月8日の国際女性デーに、ヒジャブ(頭髪を覆うスカーフ)を脱いで、服装の自由が許される未来への希望を語りながら母親と共に女性専用車両で乗客に花を配りました。しかし、女性は公共の場でヒジャブを被ることが法律で義務付けられているイランでは、彼女の行動は犯罪と見なされ、逮捕されてしまいます。その後、「反体制のプロパガンダを広めた」「ヒジャブを脱いだことで腐敗と売春を煽った」「安全保障に対する犯罪行為を結託して行った」の3つの罪で起訴され、合計で16年の実刑判決を受けました。

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勇気あるサウジの女性人権活動家に本当の自由を!

勇気あるサウジの女性人権活動家に本当の自由を!

サウジアラビアで、女性の運転禁止の解除や女性を縛っている男性後見人制度の撤廃を求めて闘ってきたルージャイさんは、2018年5月、当局に拘束され、禁錮5年8カ月の有罪判決を受けました。うち、2年10カ月が執行猶予とされ、2021年2月10日、実に1001日ぶりに釈放されましたが、一時的に釈放されただけで、当局の裁量でいつでも執行猶予が取り消され、再収監される可能性があります。

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