<無料上映会>映画「マイスモールランド」

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全国18カ所での上映会を開催!

アムネスティ日本では、2023年5月~12月にかけ、全国のボランティアグループの主催による映画「マイスモールランド」の上映会を開催します。より多くの方々に日本の移民・難民の問題、また入管の問題について知っていただくことで、この社会に生きる一人ひとりの命と人権が守られる、本当に「誰一人取り残されない」社会をめざします。
※詳細が決まり次第、適宜更新します。

日時 場所/会場 詳細
11月4日(土) 奈良:奈良県女性センター3階 講座室1・2 詳細はこちら >
12月9日(土) 広島:合人社ウェンディひと・まちプラザ 詳細はこちら >

映画「マイスモールランド」について

日本に住む難民申請中のクルド人の家族に告げられた過酷な現実。在留資格を失い、普通の高校生としての日常が奪われてしまった17歳の主人公サーリャが、理不尽な社会と向き合いながら、自分の居場所を探し、成長していく物語。2022年度のベルリン国際映画祭/アムネスティ国際映画賞《特別表彰》に輝いた。

主⼈公サーリャを、5カ国のルーツを持ち、ViViモデルとして活躍する嵐莉菜が演じ、サーリャが心を開く少年・聡太を注目の俳優・奥平大兼が演じる。是枝裕和監督率いる映像制作者集団「分福」の川和田恵真監督の長編デビュー作。『万引き家族』×『ドライブ・マイ・カー』のスタッフが贈る、国境を越え胸に響く感動作。

STORY

17歳のサーリャは、生活していた地を逃れて来日した家族とともに、幼い頃から日本で育ったクルド人。現在は埼玉の高校に通い、親友と呼べる友達もいる。勉強もがんばっていて、大学推薦が十分に狙える成績だ。将来は小学校の先生になりたい、という夢もある。

サーリャの母は数年前に亡くなり、今は父・マズルム、妹のアーリン、弟のロビンとの4人暮らし。日本語ができないクルド人の親戚や知人から頼まれて、彼らの生活に必要なことをサポートすることも、サーリャの役目である。家ではクルド料理を食べ、食事の前にはクルド語の祈りを捧げる。「クルド人としての誇りを決して失わないように――」そんな父の強い願いに反して、子どもたちは、ごく一般的な日本の同世代の少年少女と同じように"日本人らしく"育っていた。

マイスモールランド
©2022「マイスモールランド」製作委員会
マイスモールランド
©2022「マイスモールランド」製作委員会

大学進学の資金を貯めるため、父に内緒で始めたバイト先で、サーリャは東京の高校に通う聡太と出会う。自転車で帰宅する道すがら、交流を深めていく2人。寄り道した河川敷で、サーリャは聡太に、初めて自分の生い立ちを打ち明ける。一緒に過ごし、語り合う時間を重ねるうちに、いつしか聡太はサーリャにとって大切な存在になっていく。

ある日、チョーラク一家は、出入国在留管理局から、難民申請が不認定となったことを言い渡される。在留資格を失い、"仮放免"という状態になったサーリャたちは、今後、許可なしでは居住区である埼玉県から出られなくなり、就労までも禁じられる。さらに追い打ちをかけるように、父・マズルムが入管の施設に収容され、サーリャが進学を目指していた大学の推薦も白紙になってしまう......。

マイスモールランド
©2022「マイスモールランド」製作委員会
マイスモールランド
©2022「マイスモールランド」製作委員会

詳細

  • 出演:嵐莉菜、奥平大兼、平泉成 ほか
  • 監督・脚本:川和田恵真
  • 企画:分福
  • 制作プロダクション:AOI Pro. 共同制作:NHK FILM-IN-EVOLUTION(日仏共同制作)
  • 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
  • 製作:「マイスモールランド」製作委員会
  • 配給:バンダイナムコアーツ
  • ©︎2022「マイスモールランド」製作委員会
  • 2022年/日本/114分/5.1ch/アメリカンビスタ/カラー/デジタル

「スモールランド」公式ウェブサイト

人権から考える外国人の収容問題とは?

2021年3月、スリランカ国籍の女性が名古屋の入管施設で亡くなりました。1997年から、確認できるだけでも17人の外国人が日本の入管施設で亡くなっています。

もっとも多い死因は病死。入管施設では適切な医療が受けられません。次に多いのが自殺。長期収容は、収容されている人の精神をむしばみます。その他、ハンガーストライキによる餓死や、入管職員による暴行致死の疑いがあるケースもありました。

そんな入管施設に収容されているのは、日本の在留資格を失った外国人です。収容された人の99%は間もなく帰国しているのですが、理由があって帰国できない人たちもいます。

帰国できない理由は、子どもが日本で生まれ育った、自国の迫害から逃げてきた、自国への入国を拒否されているなどさまざま。入管施設は本来、送還するまでの間だけ一時的に収容するための場所です。にもかかわらず、帰国できずに収容されている外国人の約半分は、半年以上の長期に渡って収容されています。

最近ニュースでよく聞く、外国人の収容問題。実は20年以上も前からずっと、そこでは人権が守られていないと国連から批判されていました。その背景には、問題だらけの法律とその運用があります。

在留資格のない人は全員施設に収容するのが前提で、収容期限に上限はなく、収容に関する決定は、裁判所ではなく入管庁が行っている。「身体の自由」を無期限に奪う権限を、司法ではなく、行政機関が持っているのです。

人権は、国籍や在留資格で差別されることなく守られるべきもの。入管庁などの国家機関が、好き勝手に自由を奪ってはいけない。これは世界人権宣言をはじめとする世界のルールです。