日本の難民・移民 - 外国人の収容問題

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日本に住む外国籍の人は、日本にいる資格(在留資格)を取得して、暮らしています。この資格を審査し、可否を判断しているのが、出入国在留管理庁(入管庁)です。入管庁はまた、オーバーステイ(在留許可期限を越えて滞在)や不法滞在など、在留資格がない非正規滞在の人たちを、行政権限で全国9カ所以上の施設で収容しています。

収容は人身の自由を奪う行為ですから、刑事手続きであれば裁判所の令状が必要ですが、入管の手続きでは不要とされています。いわば、警察官、検察官、裁判官、刑務官の役割を、入管という行政職員が行っているのです。チェック機能が働かない上に、入管職員に大きな裁量が与えられてしまっているのです。

長期化する収容

かつては非正規滞在の人たちの正規化を図る、という方法で非正規の人たちをなくしていく入管政策がとられた時期もありました。

しかし今、入管政策が厳格化され、日本社会から排除するという方向になっています。そのために収容が長期化しています。仮放免(一時的に収容を停止して釈放する措置)の申請があっても許可しない、帰らない限り、ずっと拘束する、というわけです。

長期収容されている人たちの中には、人生のほとんどを家族と一緒に日本で暮らしている人や、自国に戻ると迫害のおそれや命の危険がある難民認定申請者など、帰国できない理由がある人たちが多いと言われています。

長期収容は、身体の自由を奪う扱いであるだけでなく、いつ釈放されるのか分からない収容者に多大な不安を与えるものであり、心身に過度のストレスを生じさせます。このような扱いに耐えかねた収容者が抗議のためハンガーストライキを決行するケースが急増し、2019年6月には長崎の収容施設で餓死者が出る事態に至りました。

数で見る長期収容の実態

以下のグラフは、2019年6月時点での被収容者数と収容期間を表しています。被収容者の54%もの人が、6カ月以上の長期に渡って収容されています。

各収容施設における収容期間別総被収容者数(令和元年6月現在)

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2020年6月現在、日本の入国管理及び難民認定法には「送還可能なときまで」収容することができるとしか規定されておらず、収容期間について明確な上限は設定されていません。そのため、入管庁は無期限に外国人を収容することができてしまうのです。

国際人権法では、すべての人の身体の自由が保障されています。送還を目的とした収容は、本来ならば移送のための飛行機や船を待つ時間といった、送還手続きをすぐに実行するために必要な数時間に限られるべきなのです。にもかかわらず、収容期間について明確な上限を設定していない日本の長期収容に関する実態は、国連人種差別撤廃委員会などからも問題だと指摘されています。

政府の議論は外国人排除の方向

入管の長期収容が問題視されるようになる中、2019年10月、収容に関する課題を解決するために、法務大臣の私的懇談会の下に「収容・送還に関する専門部会」が設置されました。そこで学者や実務家によって今後の方策が話し合われ、2020年6月に専門部会としての提言がまとめられました。

専門部会が設置された当初から、入管庁は「長期収容の問題は送還の促進で解決していくべき」との立場をとっており、専門部会での議論が、移民・難民を日本社会から排除する方針を強化することを念頭に進められ ているのではないかと、この問題に携わっている弁護士、支援団体、国際人権NGOは危惧していました。

収容・送還に関する専門部会の提言における2つの懸念点

6月15日、「収容・送還に関する専門部会」における提言の概要を入管庁が公表しました。アムネスティが懸念するポイントは2つです。

  1. 本国で命の危険にさらされる難民の人たちが、強制送還させられてしまうおそれがあること

    提言の概要には、「送還の回避を目的とする難民認定申請者に対処するための措置として、難民認定申請中でも送還できる例外を設ける」と示されています。この提言がこのまま採用されてしまうと、日本に逃れてきた難民や庇護希望者が日本から追い出され、本国で命の危険にさらされる事態になりかねません。自国で受けた迫害や生命の危険からやっとのことで逃れた難民を本国に送還することは、国際法上で明確に禁止されています。「ノン・ルフールマンの原則」と呼ばれるこのルールは、いかなる場合でも遵守する義務があります。日本も批准している難民条約の基本原則の一つでもあります。

  2. 収容期間の上限が導入されるかどうかが不明瞭

    提言の概要には、「一定期間を超えて収容を継続する場合にはその要否を吟味する仕組みの創設を検討する」とありますが、収容の期間に上限が導入される見通しは立っていません。これまで、国連機関(自由権規約委員会、拷問禁止委員会、人種差別撤廃委員会)や国連加盟国から再三にわたり勧告を受けてきたことを考えると、収容期間の上限を提言しなかったことには大きな懸念が残ります。

2020年秋の臨時国会まで、署名活動で改善を訴え続けます!

アムネスティ日本は、2020年秋の臨時国会で、法務省より改正法案が提出されると予想しています。この改正法案で、移民・難民の基本的人権を尊重し、国際人権基準に合致した法整備がなされるよう、署名を続けていきます。長期収容に終止符を打つため、2020年の秋に、法務大臣へ署名の提出を予定しています。一人でも多くの賛同の声を届けられるよう、ご協力をお願いいたします。

外国人の長期収容に終止符を!品川入管に収容されている人たちが、収容施設から支援者に向けて飛ばした紙飛行機 © 島崎ろでぃー

外国人の長期収容に終止符を!

出入国在留管理庁(入管庁)の収容施設では、オーバーステイなどの結果、日本の入管法等の規定に違反した状態にあるとされる外国籍の人たちの収容が長期化しています。長期収容は、身体の自由を奪う扱いであるだけでなく、いつ釈放されるのか分からない収容者に多大な不安を与えるものであり、心身に過度のストレスを生じさせます。2019年6月には餓死者が出る事態に至りました。移民・難民の基本的人権を守るよう、法務大臣に要請してください。

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