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死刑廃止 - 最新の死刑統計(2018)

死刑に関する世界の動き(2019年4月10日更新)

2018年の世界の死刑状況は、少数の国で後退する動きがあったが、総じて着実に前進している。

特に際立つのは、死刑執行件数が前年に比べ30%以上も減少したことで、アムネスティが過去10年間に記録した中で最も低い数字となった。この背景には、イラン、イラク、パキスタン、ソマリアなど主要な死刑執行国で大幅な減少があったことがある。同様に、死刑を執行した国の数も減少した。

一方、前向きな動きに逆行する国々もある。タイは2009年以来、初めて死刑を執行し、ベラルーシ、日本、シンガポール、南スーダン、米国などは、執行数が増加した。さらに懸念されることは、死刑判決の数が大幅に増加した国の存在である。エジプトとイラクはその傾向が特に著しい。例年、情報を開示していなかったベトナムの数値を珍しく当局から入手することができ、同国の死刑適用の規模が露わになった。その多さは世界でも上位に入る。死刑に対して秘密主義を固持する中国では、数千人に死刑判決が下され、執行されていると、アムネスティはみている。

一方、死刑の全面廃止に向け前進した国が数カ国あった。ブルキナファソは6月、刑法から死刑を廃止した。ガンビアでは2018年2月、大統領が死刑執行の停止を宣言し、9月、市民的および政治的権利に関する国際的規約第2選択議定書(死刑廃止条約)を批准した。マレーシアも7月に死刑執行を停止し、10月に死刑関連法を改正すると発表した。同じ月、米国では、ワシントン州の死刑法令に対し違憲であるという判断が下された。

こうした死刑廃止に前向きな動きは、国際レベルでも同様である。12月17日、国連総会は、死刑を存置する国に対し死刑廃止を視野に入れた死刑の執行停止を求める7回目の決議を、これまでにない多数の支持を得て採択した。国連加盟国193カ国中、121カ国が決議に賛成票を投じ、35カ国が反対、32カ国が棄権した。ドミニカ、リビア、マレーシア、パキスタンが初めて決議を支持し、アンティグア・バーブーダ、ガイアナ、南スーダンは、反対から棄権に変わった。赤道ギニア、ガンビア、モーリシャス、ニジェール、ルワンダは2017年に続き、死刑執行停止決議に賛成した。一方、5カ国が2016年とは立場を変え、ナウルは賛成から反対へ、バーレーンとジンバブエは、棄権から反対へとそれぞれ転じた。コンゴ共和国とギニアは、賛成から棄権へと回った。

2018年の死刑執行停止決議を支持する国の増加で、死刑は過去のものであることが、世界の「合意」となりつつあることが伺える。

死刑執行

死刑執行数の推移 2009-2018/死刑を執行した国数の推移 1999-2018

2018年、世界で690件の死刑執行が確認された。前年の993件と比較すると31%の減少である。690件は、アムネスティが過去10年間に確認した中で最も少ない執行数となった。

この大幅な減少は、以前、世界の主要な死刑執行国だった数カ国での執行数が減ったためである。イランは、薬物取締法の改正後、2017年に507件確認された死刑執行数が、2018年は253件と50%減少した。

イラクとパキスタンの死刑執行数は、それぞれ2017年の件数のおよそ3分の1で、イラクは少なくとも125件から少なくとも52件へ、パキスタンは少なくとも60件から少なくとも14件へ減少した。ソマリアの死刑執行数は、前年の24件から13件を、ほぼ半減している。

減少傾向ではあるものの、イランは依然、世界の総執行数の3分の1以上を占めている。全件数の78%は、イラン、サウジアラビア、ベトナム、イラクの4カ国による執行である。

これまでと同様、世界の合計数には、中国の数千件に達するとみられる死刑執行数は含まれていない。中国は死刑の情報を国家機密扱いにしている。

11月にベトナムの当局者から得た情報は、2018年に同国において85件の執行があったことを示していた。その結果、ベトナムは執行数で世界の上位5カ国に入り、死刑が大規模に適用されているのではないかという長年の懸念が裏付けられることになった。また、米国では2年連続でわずかながら死刑執行数が増えていることが懸念される。2017年の23件から2018年は25件となった。日本とシンガポールは、過去10年で最も多かった。南スーダンは、2017年の4件からほぼ2倍の7+件だった。ベラルーシは、前年比2倍で、2017年の2+から2018年は4+となった。

死刑廃止国および執行国の推移

日本の状況

日本の死刑執行数は15件で、2008年以来、最多を記録した。7月6日に7人、続いて7月26日に6人が絞首刑になった。13人は全員がオウム真理教の元信者で、1995年に起こった地下鉄サリン事件など一連の事件で、その計画や実行に関わったとして2006年から2011年までの間の裁判で、死刑判決を受けた。オウム真理教事件の他の被告人2人の結審を待って、13人の死刑が執行された。12月27日には、殺人罪で死刑になった2人の執行があった。

2年連続で再審請求中の死刑確定者が、絞首刑になったが、この再審請求中の執行は、死刑に直面する者の権利を保障する国際的な保護措置に違反する対応である。7月に執行された13人のうちの9人の執行が、この保護措置違反となる。

また、死刑判決は4人に言い渡されており、この数字は、前年までとほぼ同数で10年前より88%低い。

東京高等裁判所は6月11日、静岡地方裁判所の袴田巌(82才)の再審決定を覆し、再審請求を棄却した。袴田は、40年以上も独房に拘禁された後、2014年3月、再審開始と死刑執行停止命令が出され、一時的に釈放された。警察での20日間も続く過酷な取調べによる自白した後、不公正な裁判で殺人の罪で有罪判決を受けたとされる。法廷では、取り調べでの暴行や脅しを受けたとして自白を撤回した。DNAの証拠が有罪の信憑性に重大な疑問を投げかけたが、現在、最高裁に特別抗告中で、判断待ちだ。

精神障がいや知的障がい者数人に対する死刑判決が維持されているが、これは国際法・国際基準に違反しており、重大な懸念がある。

年末時点で、死刑判決を受けている116人のうち109人の死刑判決が確定しており、死刑執行のおそれがあった。

日本の死刑執行数推移

報告書「2018年の死刑判決と死刑執行」(日本語)を読む

2018年死刑執行国

2018年死刑執行国

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