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英国:新たな治安対策は人権を著しく侵害

2005年9月 7日
国・地域:英国
トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
英国政府が8月24日に発表した、国の治安と安全、法的秩序を脅かすとみなされる外国籍の人びとを対象とする新たな治安対策は、基本的人権と英国の国際的義務に違反するとアムネスティ・インターナショナルは語った。

チャールズ・クラーク内相は、テロを賞賛または正当化する、テロ行為を引き起こす、深刻な犯罪行為を誘発する、憎悪を助長し地域内の暴動を扇するおそれのある外国籍の人びとを国外追放、送還する内相の権限を早急に見直すことを命じた。急進的な教えを説き、テロを助長するウェブサイトや記事を発表するなど「受け入れがたい行為」を行う外国籍の人びとをリストアップし英国に入国する前に自動的にチェックする国際規模のデータベースが構築される。

「「受け入れられない行為」と「テロ」の定義が曖昧なため、さらなる不公正と人権侵害を引き起こす可能性がある。治安は強化されるが、社会的弱者を疎外することになろう」と、アムネスティの欧州・中央アジア副部長のハリヤ・ゴワンは語った。

「拷問や虐待を受けない権利、またはそのような扱いを受ける可能性のある国に送還されない権利は、どんな犯罪を犯したかに関係なく、誰にでも適用される。英国政府が拷問を受ける可能性のある国に退去させる、いわゆる「外交的保障」は明らかに国際法違反である。」

「英国当局が刑事犯罪の容疑者とみなした場合、その容疑者に対して十分な根拠があると認められる罪で起訴し、国際的に公正な裁判基準に従って審理することが目下の義務なのであり、容疑者を拷問を受ける可能性がある国へ送還することではない」と副部長は述べた。

非公開の聞き取りや証拠に基づき、「公的秩序や国の安全を脅かす」可能性のある人びとを退去または追放する手続きにアムネスティは懸念を表明する。

「もし、秘密裏の手続きの過程で適切な弁護もなく英国当局が外国籍の人びとを国外に退去させたり入国を拒否するならば、当局は人権を侵害しているといえる」と副部長は述べた。

「新たな治安対策は、差別的かつ恣意的であった反テロ・犯罪・保安2001年法第4部(現在は廃止)と同様である。」

2005年7月7日のロンドンでの一連の攻撃をアムネスティは無条件かつ留保なく非難し、本件に関わった疑いがある人びとを法にもとづき裁くよう求める。また、このような犯罪から国民を守るため英国当局がとる措置は、国際人権法や国際基準に一致しなければならないと考える。

「治安と人権は二者択一のものではなく、協調関係にある。人権の尊重は治安への道であり、障害ではない。」

背景情報

クラーク内相が概要を発表した新たな方策は、以下のような法の原則と基本的人権を損なうとアムネスティは懸念を表明する:

  • 拷問と虐待の完全な廃止と、ノン・ルフルマンの原則-拷問や虐待を受ける可能性のある場所に送還しない基本原則;
  • 庇護を求め、それを享受する権利。すなわち、国際的庇護を求める人びとの権利であり、彼らの庇護申請が個別にかつ十分に、国際人権法および国際難民法に一致する公平で満足のいく手続きで検討される。難民の地位からの排除は通常の難民認定の意思決定過程で考慮されるべきであり、却下への異議申立ての権利や異議申立て審理中は英国内にとどまる権利を含む、公平な手続きの基本原則にもとづくべきである;
  • 表現と結社の自由の権利;
  • 法的原則および法的明確性;
  • 犯罪行為を行ったと疑われるに十分な根拠がある人の権利、国際的に認知された公正な裁判基準に沿った手続きで適切な時間内に裁判を受け、すみやかに起訴される権利;
  • 公正な裁判と適正手続の権利。

アムネスティ発表国際ニュース
(2005年8月24日)
AI Index: EUR 45/033/2005

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