- 2005年9月 7日
- 国・地域:イラク
- トピック:死刑廃止
イラク政府のクッパ報道官によれば、アフマッド・アル=ジャフ、ウダイ・ダウード・アル=デュライミ、ヤシン・アッバスの3人は、9月1日の午前10時に処刑されたという。
処刑された3人は全員、武装グループであるアンサール・アル=スンナのメンバーとされ、誘拐・警官殺害・強姦の罪により、バグダッド南東部のアル=クートの刑事法廷で裁判にかけられた。そして2005年5月22日に死刑判決を受けた。
ここ数カ月間にイラクでは少なくとも50人が死刑判決を受けており、今後さらに執行が続くことをアムネスティは懸念している。
イラクの武装グループによる、人道に対する罪や戦争犯罪などの人権侵害をアムネスティは繰り返し非難してきた。しかし、アムネスティは死刑を残虐で非人道的な刑罰と考えており、これに無条件に反対している。死刑が他の刑罰よりも効果的に犯罪を抑止するという証明はされていない。
バース党が政権を握っていた1968年から2003年までの間、ひどく不公正な裁判で数千人が処刑された。1980年代と、とりわけ1990年代には、アッダワ党などの地下活動を行なう野党に所属しているなどの、広範囲の犯罪に死刑が課せられた。
連合軍暫定占領当局は2003年6月に死刑の執行を停止したが、2004年6月28日の政権移譲後の8月8日、イラク暫定政府はこれを復活させた。
アムネスティはイラク政府に対し、方針を転換しこれ以上の処刑を行なわないことを要請する。少なくとも死刑の執行を停止すべきである。イラク政府は、死刑を求刑されているすべての被告人が、裁判手続の全段階で適切な法律上の援助を受けること、有罪判決に対して十分な上訴の機会を与えられることなど、公正な裁判を受けることを保障しなければならない。
アムネスティ発表国際ニュース
(2005年9月2日)
AI Index: MDE 14/031/2005
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