- 2024年5月15日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラク
- トピック:性的指向と性自認
今年4月、イラク議会は同性愛の関係を持った者に最高15年の厳しい刑罰を科す改正法案を可決した。同法の成立で、LGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)の人びとは深刻な影響を受ける。LGBTIの人びとはこれまでも、性的指向に基づいて人びとを追い回し、傷つけ、殺害する武装勢力から容赦ない脅迫と暴力を受けてきた。
今回の改正は深刻な人権侵害であり、自由の制限を強化する国の姿勢を示している。
イラク当局は同法を直ちに撤回し、性自認や性的指向に関係なくすべての人の表現の自由と非差別の権利を尊重しなければならない。
背景情報
近年、特定の政治派閥、特に国の後ろ盾がある民兵と関係のある派閥は、LGBTIへの反対の声を強め、レインボーフラッグを燃やしたり、同性愛を病気のまん延と結びつける偽情報を流したりするまでになっている。
2023年8月、イラクの通信・メディア委員会は、メディアプラットフォームに対し、「同性愛」という用語を「性的逸脱」に置き換えるよう義務付けた。今回可決された法案の草案には、同性愛への死刑の適用が入っていた。改正法では、同性関係の促進、男性の「女々しい」振る舞い、複数のパートナーとの不貞行為に実刑を科すなど、処罰の対象が拡大している。
アムネスティ国際ニュース
2024年4月29日
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