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英国:アムネスティ、イスラエルの戦争犯罪被疑者の逮捕失敗に遺憾の意を表明

2005年9月27日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:英国
トピック:国際人権法
本日アムネスティは、戦争犯罪の疑いで前日に英国の裁判所から逮捕状が出されていたにも関わらず、英国政府が昨日ロンドンのヒースロー空港に到着したイスラエル軍のドロン・アルモグ将軍を逮捕しなかったのは、英国法・国際法における英国の義務に明らかに反しているとして、遺憾の意を表明した。

アムネスティは、英国当局に、インタポールに対して逮捕状の配布を請求するよう求め、また、ジュネーブ条約加盟国に対しては、アルモグ将軍の逮捕および英国裁判所への引渡しについて英国に協力するよう求めた。

イスラエル軍南部司令部の元司令官であるアルモグ将軍は、2005年9月11日、テルアビブからの飛行機でロンドン・ヒースロー空港に到着した。しかし、逮捕の可能性を知ったアルモグ将軍は、飛行機から降りることを拒否した。一方で、ロンドン警視庁が将軍逮捕のために機体に入ることを拒否したため、アルモグ将軍は搭乗していた同じ飛行機で英国からイスラエルへと出発することができた。

「戦争犯罪の疑いがある人物の逮捕を拒否したことは、第四ジュネーブ条約における英国の無条件の義務と、英国内法に明らかに反している」とアムネスティは語った。そして、逮捕状の不執行について調査を求めている。

薬物の不法取引や治安犯罪で指名手配されている人物が飛行機で英国に到着した場合、英国国境警備を通過していないからといって、それを理由に逮捕しないなどということはありえない。そんなことをすれば、他にも逮捕を回避できる手段が出てきてしまう。

アルモグ将軍逮捕の情報の漏洩が英国政府関係者によるものなのか、そのほかの情報源によるものなのかはわかっていない。

アムネスティは、「逮捕情報の漏洩は、意図的であろうが偶然であろうが、司法と戦争犯罪調査の妨害となる重大な問題であり、調査が行われるべきである。」としている。

アルモグ将軍に対する逮捕状は、ジュネーブ条約(1957年)に基づき、2002年1月10日のイスラエル軍によるラファの難民キャンプ内のパレスチナ人家屋59棟破壊について将軍が関与していることを根拠に、ロンドンの首席治安判事により9月11日に発行されていた。

アルモグ将軍は、2000年12月から2003年7月まで、ガザ地区を含むイスラエル軍南部司令部を統率していた。

「軍事上の必要によって正当化されない不法かつ恣意的な財産の広はんな破壊」は、第四ジュネーブ条約(第147条)の重大な違反であり、戦争犯罪である。

英国は、「重大な違反行為を行い、又は行うことを命じた疑のある者を捜査する義務を負うものとし、また、その者の国籍のいかんを問わず、自国の裁判所に対して公訴を提起」する義務がある」(第146条)。そうしない場合は、対象となるものを他の条約加盟国に裁判のために引き渡さなくてはならない。第四ジュネーブ条約では、英国がこの義務を放免するために他の国といかなる条約をも締結することをはっきりと禁じている。

イスラエル軍は、2000年9月のインティファーダ(パレスチナ暴動)以来5年間にわたって占領地域内のパレスチナ人家屋4000棟近くを破壊してきた。その半数はガザ地区にあり、広大な耕作地のほか商業地、水道や電気系統また、その他の公共施設も破壊してきた。この多くが、軍事上の必要によって正当化されない、不法かつ恣意的な破壊であった。

イスラエル政府は、国際法で定められている、上記の件やその他の人権侵害について調査し責任者を法にもとづいて裁くという義務を組織的に遵守していない。

第四ジュネーブ条約に基づく英国の義務は、1957年のジュネーブ条約法を経て国内法として施行された。同法は「国籍を問わず、英国領域内にいるかいないかを問わず、条約上ないし第一追加議定書上の違反行為をおこなったり、他の人の違反行為を補助し、教唆し、あるいは斡旋したあらゆる人」に対して適用される(法1条の(1))。

第四ジュネーブ条約の各加盟国は、第一条によりこの条約を「尊重し、かつ、この条約の尊重を確保する」ことを義務付けられており、重大な違反の恐れのある件について、迅速、徹底的で、すばやく、独立して公正な調査をし、十分に認められる証拠がある場合は、訴追しなくてはならない。イスラエルがそうしない場合は、第146条にもとづき、各加盟国が逮捕状を発行し、容疑者の入国した際は逮捕状を執行する義務がある。

背景
2000年9月のインティファーダ以来、イスラエル軍は3200人以上のパレスチナ人を殺害した。その多くが不法であり、600人以上の子どもが含まれている。同時期、パレスチナの武装グループが恣意的かつ不当に120人近い子どもを含む1000人近いイスラエル市民を殺害した。また、イスラエル軍は占領地域にあるパレスチナ人の家、土地、その他の財産を広範に破壊し、ヨルダン川西岸に、(国際法上違法とされる)入植地の建設拡大を進め、600キロにわたるフェンス・壁を築いて、パレスチナ農民と彼らの土地を切り離し、集落間の行き来を制限している。

アムネスティはイスラレルとパレスチナの双方によるさまざまな人権侵害について調査をしてきたが、今後も、戦争犯罪および人道に対する犯罪をふくむ人権侵害をおかした者が法のもとで裁かれ、責任をとるよう両者に働きかけていく。

AI Index: EUR 45/036/2005
2005年9月12日

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